倉吉 アザレアのまち音楽祭
山陰の名手たちコンサート


第11回 山陰の名手たちコンサート
プログラム


2014/11/23(祝) 倉吉未来中心大ホール14:00〜
第11回山陰の名手たちコンサート            倉吉未来中心公演プログラム

     第一部     
@中原美幸Sp  ピアノ:邨上美子
小林秀雄作曲/藤田圭雄作詞:「日記帳」
 作曲家小林秀雄さんの親しみやすいメロディに、少年の初々しい恋心が感じられる曲です。

G.プッチーニ作曲:オペラ「つばめ」より「ドレッタの夢」
 「つばめ」は、プッチー二オペラの中でも軽やかでしっとりとした大人のドラマです。パリに住む銀行家の愛人であるマグダは、サロンに詩人たちを集めて楽しんでいます。「ドレッタの夢」は、詩人プルニエがピアノを前に新作の詩を歌うが完成させられず、マグダがひきとって、ドレッタの夢といいながら、本物の恋を求めるマグダ自身の憧れを歌い上げる歌です。

A吉田章一Br  ピアノ:兼田恵理子
ベートーヴェン作曲:「死をこそ」
 Beethoven(1770-1827)作曲「ゲレルトによる六つの歌」の第3曲。「私の人生は刻々墓場へと近づく。人間よ、死を怖れるな。」

ヴォルフ作曲:「ねずみ捕りの男」
 Wolf(1860-1903)作曲「ゲーテ歌曲集」の第11曲。「私こそ世に知られたねずみ捕りの男。ひとたび竪琴をかき鳴らせば、ねずみも子どもも娘もみんな後からついてくる。」


B佐々木まゆみSp  ピアノ: 渡邉芳恵
中田喜直作曲/堀内幸枝作詞:「サルビア 」
 美しく情熱的な中にも冷静さを思わせるメロディ。ひいては寄せる波のように女性特有の情念を、真っ赤なサルビアになぞらえたドラマチックな曲。

レオンカヴァッロ作曲:オペラ「道化師」より「鳥の歌」
 道化師であるカニオの妻ネッダは一座の主演女優。ある村で青年と恋に落ちてしまう。「カニオは私のこの秘密に感づいているのかしら。恐ろしい。でもいいのどうなっても!小鳥たちは自由に大空を飛び回っている。行きつく先はきっと素敵な国、夢を求め私も自由に飛び回りたい!」と歌うアリア。


C渡邉寛智Bs  ピアノ:渡邉芳恵
ベッリーニ作曲:オペラ「清教徒」より「ほどけた美しい髪を花で飾り」
このオペラのヒロインであるエルヴィーラの叔父ジョルジョが、狂乱してしまったエルヴィーラの様子を民衆に語りかけるときに歌われるアリア。

ヴェルディ作曲:オペラ「シモン・ボッカネグラ」より「悲しい胸の想いは」
 このオペラのプロローグで歌われるアリア。貴族であるフィエスコは愛する娘マリアを失い、悲しみにくれる心情を歌う。


D小椋美香子Sp  ピアノ:稲毛麻紀
リスト:「それは素晴らしいことにちがいない」
 リストの歌曲の中では唯一リスト生前に歌われた曲。ある高貴な婦人の求めに応じ、昼食と夕食の間の時間に書いてしまったと言われている。

リスト:「おお愛してください愛しうる限り」
 ピアノ曲〔愛の夢〕第3番S541-3の原曲。タイトルから想像されるのとは少し違い、実は熱烈な愛の詩ではなく、どちらかと言えば微笑ましいブラックユーモアあふれる曲。


E高橋陽香(サックス) 
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番
 無伴奏チェロ組曲は第1番から第6番のまでの全6曲の組曲から成り、組曲ごとに一つの調性で統一されている。それぞれの組曲が前奏曲で始まり、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット(第3.4番はブーレ、第5.6番はガヴォット)、ジーグの6曲で構成されている。単純な練習曲として忘れられていたが、パブロ・カザルスにより再発掘されて以降バッハの作品の中でも高く評価されるものとなった。現代では様々な楽器、編曲で演奏されている。
 本日は無伴奏チェロ組曲第1番より、前奏曲、サラバンド、ジーグを演奏する。


   


     第二部     
F塩崎めぐみMSp  ピアノ:兼田恵理子
リヒャルト・シュトラウス作曲:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』より 〜仲直りしましょう〜
 R.シュトラウス生誕150年を記念して。プロローグにて、「作曲家」役によって歌われるアリア。「作曲家」は、悲劇と喜劇を時間の都合で同時に上演せよという難題を出され「芸術への冒涜だ!」として憤るが、音楽の新たなる可能性を見いだし、その喜びを歌う。

リヒャルト・ヴァーグナー作曲:ヴェーゼンドンク歌曲集より「夢」
 楽劇『トリスタンとイゾルデ』に繋がる官能的なモチーフが含まれる歌曲。


G野津美和子(ソプラノ)  ピアノ:代香織(島根県)
中田喜直:「アマリリス」
 アマリリスは愛の苦悩が故に真っ赤に咲き、そしてかなわぬ恋の苦しみを抱きながら咲いていると歌った悲しくも情熱的な歌。

プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』「ある晴れた日に」
 時は明治時代。長崎の港が見える丘の上の家で、 夫に見捨てられたとも知らず、ただひたすら彼の帰りを待つ蝶々さんが、メイドのスズキに向かって彼の帰りを信じていることを言い聞かせるように歌うドラマチックで悲しいアリア。
 旋律の美しさもさる事ながら、気丈に夫の帰りを待つ蝶々さんの純粋さや、悲しさ、そして愛にあふれた 感動を呼ぶ名曲である。


H松田千絵Sp  ピアノ:森康子
山田 耕筰作曲/北原 白秋作詞:「鐘が鳴ります」
 夕暮れ時の美しさと、なかなか現れない恋人を待つ切ない気持ちを表現した歌曲です。

ドニゼッティ作曲:オペラ『シャモ二ーのリンダ』より「この心の光」
 18世紀フランス。シャモニーの村娘リンダは貧しい画家と身分を偽っている公爵カルロと愛し合っています。ここではカルロとの逢い引きに間に合わず落胆するリンダが、彼への熱い気持ちと、自らの心を満たす光、喜び、愛を歌います。


I芦原充(ヴァイオリン)  ピアノ:武村直子(島根県)
ラヴェル:「ツィガーヌ〜演奏会用狂詩曲〜」
 ツィガーヌ(フランス語でジプシーの意)は、ロマの音楽のチャールダーシュ形式で作曲され、同時にヴァイオリンの魔神・パガニーニのエッセンスも盛り込まれました。溢れ出る激情が魅力的ですが、ラヴェルならではの知的アプローチも光る名作に仕上がっています。


J鶴崎千晴MSp  ピアノ:兼田恵理子
シューマン作曲:ある画家の歌の本より「6つの詩」より
1)詩人の目覚め
 詩人は現実の意識を失わぬまま幻想の世界へ入ろうとするが、その時の現実意識は声、幻想の世界はピアノ。両者の対比と交錯のなかで曲は進行する。リーダークライス作品39を予感させる。

2)愛の使い
 東へ向かって急ぐ雲よ、その方向にぼくの恋人が住んでいる、ぼくのあらゆる望みも期待もうたうよろこびもお前の翼にのせて運んでおくれ。シューマンは8月24日にクララに「もうすぐぼくのラブレターを受け取るでしょう、それは音楽の手紙です」と書いた。


K西岡千秋Br  ピアノ:瀬川則子
ヴェルディ作曲:「哀れな男」
 ヴェルディはオペラアリアのような歌曲を書いています。この「哀れな男」はコミカルで楽しく、題名とは似つかぬ軽快な曲です。

ヴェルディ作曲:歌劇「仮面舞踏会」より「希望と喜びに満ちて」
 総督リッカルドの悩む顔を見た腹心レナートは、自分の妻との愛に悩んでいるとは知らず、リッカルドに対する陰謀に心を痛めているものと思い、アリア<あなたの生命には Alla vita che t'arride>を歌います。


L寺内智子Sp  ピアノ:邨上美子
シューベルト作曲:「ミューズの子」
 この曲は、ミューズの神がお気に入りの子に翼を与え、谷や丘を通り抜けて歌を歌わせます。詩の終わりで「ミューズの神よ あなたの胸で永遠に憩うことのできるのはいつだろう。」と問いかけます。

モーツァルト作曲:オペラ「イドメネオ」より「そよ吹く風よ(イリアのアリア)」
 クレタ王イドメネオがトロイとの戦いで死んだと思われていたので、王子イダマンテは王座についてクレタを治め、トロイとの和平を図ろうとした。 捕らわれの身となっていたトロイの王女イリアを解放し、二人は相愛の仲となる。王宮の庭で、イリアは「そよ風が愛をイダマンテに届けるように」と歌い愛を告白する。


(演奏順)

入場料:一般2,000円 学生1,000円 (全席自由)

主催:山陰の名手たちコンサート実行委員会



2014/11/24(月) プラバホール15:00〜
第11回山陰の名手たちコンサート             プラバホール公演プログラム

     第一部     
 
桑原知穂(ソプラノ)  ピアノ:望月美紀
トスティ:「漁夫は歌う」
 《漁夫は歌う》は、心変わりしてしまった恋人を一途に愛し続ける切なさと、漁夫を惑わすシレーネ(人形)の美しい旋律が合わさり、哀愁を漂わせる作品。

アルディーティ:「くちづけ」
 《くちづけ》は、華やかな序奏に始まり、コロラトゥーラの装飾が挟まれて、幸福感に満ちた音楽が流れる。「おもえのそばにいたい。そばにいてくれることは、なんという楽しいことだろう。」とイタリアらしい華やかさを感じさせる。


吉田章一Br(鳥取県)  ピアノ:兼田恵理子
ベートーヴェン作曲:「死をこそ」
 Beethoven(1770-1827)作曲「ゲレルトによる六つの歌」の第3曲。「私の人生は刻々墓場へと近づく。人間よ、死を怖れるな。」

ヴォルフ作曲:「ねずみ捕りの男」
 Wolf(1860-1903)作曲「ゲーテ歌曲集」の第11曲。「私こそ世に知られたねずみ捕りの男。ひとたび竪琴をかき鳴らせば、ねずみも子どもも娘もみんな後からついてくる。」


三島文佳(ヴァイオリン)  ピアノ:三浦芳男
H.ヴィエニャフスキ:「モスクワの思い出 Op.6」
 ヴィエニャフスキはポーランド出身の偉大なヴァイオリニストでした。この作品は、ロシアに演奏旅行に出掛けたときの印象を、当時大流行していた歌曲「赤いサラファン」のメロディをもとにして作られた幻想曲です。


森田麗子(アルト)  ピアノ:望月美紀
山田耕筰(北原白秋作詞):「曼珠沙華」
 GONSHAN(ごんしゃん)とは「良家のお嬢さん」の意味。子供を七歳で亡くしたGONSHANがその子の歳の数だけ曼珠沙華(ひがんばな)を摘むという哀しい歌。ポルタメントという演奏技法により一層切なさと凄絶さが強調されます。

ヴェルディ:オペラ“ドン・カルロ”より「おお惨き運命よ」
 スペインの女官エボリ公女は、王妃エリザベッタへの嫉妬と自分の美貌からくる思い上がりのために愛するドン・カルロが死刑を宣告され、王妃が窮地に陥ったことを激しく嘆き歌います。


高橋陽香(サックス)  ピアノ:須田明香
F.デュクリュック:「ソナタ 嬰ハ長調」
 Fernande Decruck(1896〜1954)「ソナタ嬰ハ調」は彼女の1943年の作品で、その1年前にパリ音楽院のサクソフォン科教授に就任したマルセル・ミュールに捧げられた。サクソフォンとオーケストラのために書かれたが、現在はサクソフォンとピアノで演奏されることが多い。


野津美和子(ソプラノ)&川西悠紀(テノール)
  ピアノ:三浦芳男 
プッチーニ:オペラ“蝶々夫人”より「可愛がって下さいね」
 舞台は明治、長崎港を見下ろす丘に立つ家。
 夕闇が次第にあたりに立ち込める中、結婚の儀式を終えたピンカートンと蝶々さんは二人きりになり互いの愛を確かめながら語り合う。
 長くそして熱い睦言を交わした二人はやがて愛の住処へと入っていく




     第二部     


 
木村恵理(ファゴット)
杉原響平:律 ―バスーン独奏のための―
 杉原響平(1992- )によるバスーン(ファゴット)独奏のための作品で世界初演となる。杉原氏によると次のとおり。
 『この作品について大まかに言えば、老境の武士の剣舞の印象。老境の武士は質実剛健で経験豊富、どっしりと構えていて、慌てることがない。題名の「律」は己を律する知性と精神力であり、旋律であり、律動(リズム)。緩やかな三部形式は全てが一続きの集中力と精神によって連結されている、いわば命を削る舞。』
 楽譜には「至高の精神性をもって」「火のごとく」という言葉が与えられており、知性と精神力が奏者に期待されている。


塩崎めぐみAlt(鳥取県)  ピアノ:兼田恵理子
リヒャルト・シュトラウス作曲:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』より 〜仲直りしましょう〜

 R.シュトラウス生誕150年を記念して。プロローグにて、「作曲家」役によって歌われるアリア。「作曲家」は、悲劇と喜劇を時間の都合で同時に上演せよという難題を出され「芸術への冒涜だ!」として憤るが、音楽の新たなる可能性を見いだし、その喜びを歌う。

リヒャルト・ヴァーグナー作曲:ヴェーゼンドンク歌曲集より「夢」
 楽劇『トリスタンとイゾルデ』に繋がる官能的なモチーフが含まれる歌曲。


山ア啓史(トランペット)   ピアノ:三浦芳男
ウラディーミル・ペスキン:トランペット協奏曲第1番ハ短調より「第1楽章」
 ペスキンはロシア出身の作曲家。ピアニストとしても活躍し、世界的なトランペット奏者、チモフェイ・ドクシツェルのピアノ伴奏者を務めた。本日演奏するトランペット協奏曲もドクシツェルの為に作曲された。ラフマニノフの影響を受けた作風で、ドラマチックかつ技巧的な曲である。


渡邉寛智Bs(鳥取県)  ピアノ:渡邉芳恵
ベッリーニ作曲:オペラ「清教徒」より「ほどけた美しい髪を花で飾り」
 このオペラのヒロインであるエルヴィーラの叔父ジョルジョが、狂乱してしまったエルヴィーラの様子を民衆に語りかけるときに歌われるアリア。

ヴェルディ作曲:オペラ「シモン・ボッカネグラ」より「悲しい胸の想いは」
 このオペラのプロローグで歌われるアリア。貴族であるフィエスコは愛する娘マリアを失い、悲しみにくれる心情を歌う。


宮本美香(サックス)  ピアノ:しゅうじ あつた
溝渕新一郎:「City of Lake 」
 City of Lake は、松江市とニューオーリンズ市が友好都市であることにちなみ、二つの都市の共通点である『湖の都』をテーマに、作編曲家の溝渕新一郎氏が宮本美香のために作曲したオリジナル作品です。『クラシック、ポップス、バラード、ジャズ、ジプシー、タンゴなどの要素を含み、かっこよくて切なくて、できれば5拍子で、ミュージカルのようでずっと心に残り、愛され続けるような曲を・・・』というお願いに、溝渕先生は『こんな壮大な依頼は初めてだ!』と仰いながらも、その全てを叶える作品を私に与えてくださいました。初演の今日は、あつた しゅうじ さんのアレンジも加え演奏いたします。


妹尾哲巳&三浦芳男(ピアノデュオ)
ルトスワフスキ:「パガニーニの主題による変奏曲」
 ルトスワフスキはショパンを生んだポーランドの現代作曲家。この作品は1941年に作曲されたが、後1978年、大編成のオーケストラとピアノソロのバージョンも作曲された。人気もあり作曲者自身もお気に入りだったのだろう。演奏効果の高い難曲でもあり、近年二台ピアノに精力的なアルゲリッチがしばしば取り上げている。それにしても、この主題となっているパガニーニのカプリスをもとに多くの作曲家が変奏曲を作曲している。ラフマニノフ、リスト、シューマン、ブラームス、バーンズetc・・。




(演奏順)

入場料:一般2,000円 学生1,000円 (全席自由)
9月23日(火・祝)午前10時より各プレイガイドにて発売開始

主催:松江市・松江市教育委員会・NPO法人松江音楽協会(プラバホール)
助成:ごうぎん島根文化振興財団助成事業