2010/11/23(祝) 倉吉未来中心大ホール14:00〜
第7回山陰の名手たちコンサート 倉吉未来中心公演プログラム
第一部
@
杉山清香(鳥取県) クラリネット Piano
稲毛麻紀
F.クロンマー:クラリネット協奏曲 変ホ長調 作品36より 第3楽章 ロンド、アレグロ・モデラート
フランツ・ヴィンツェンツ・クロンマー(1759-1831)は、モラヴィアのカメニツェ出身の作曲家。伯父から音楽を学び1785年にウィーンへ出て、以後ハンガリーに移ったが1795年にはウィーンに戻った。1818年にレーオポルト・コジェルフの後任として最後の宮廷楽長兼作曲家に任ぜられた。1831年、ウィーンで没した。この協奏曲は1802年頃に作曲されたと考えられている。ウィーン古典派のなかに位置しながらも初期のロマン派を思わせる作品。第3楽章はモーツァルトのピアノ協奏曲台27番の終楽章を思わせるロンド主題。
A
吉田章一 (鳥取県) バリトン Piano
兼田恵理子
シューベルト:死と乙女
少女と死神の対話。瀕死の少女が「あっちへ行って。死神よ」と怯えて言うと、死神が「さあ、可愛い娘よ、こっちへおいで。そして、安らかにお眠り」と穏やかに答える。
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」より「主の言葉は炎のようではないか?」
旧約聖書の列王記に登場する預言者エリアの生涯を題材に取っている作品。ここでは、エリアが「主の言葉は、炎でもあり岩を砕く槌のようでもある。」と歌う。
B
新田恵理子(鳥取県) ピアノ
ショパン:ノクターン(夜想曲)第13番 ハ短調 作品48ー1
華麗なる大ワルツ へ長調作品34ー3
今年で生誕200年となるショパンから2曲。1曲目はショパン円熟期の1841年に作曲された、ショパンの最も長大なノクターン。3部形式のなかにさまざまな要素が盛り込まれた曲である。2曲目は「猫のワルツ」とも呼ばれ、くるくると目の回るような、華やかで優雅さにあふれるワルツ。
C
松田千絵(鳥取県) ソプラノ Piano
稲毛麻紀
モーツァルト:歌劇《魔笛》より「恐れるな、若者よ」
「地獄の復讐が私の心に煮えたぎる」
2曲とも夜の女王のアリアです。1曲目は娘パミーナをザラストロに奪われた悲しみを訴え、王子タミーノに、もし救い出したら娘はあなたのものだと歌い、2曲目はパミーナにザラストロを剣で刺すよう命じます。
D
鶴崎千晴(鳥取県) ソプラノ Piano
兼田恵理子
ドボルザーク:「ジプシーの歌」より
1,私の歌は響く 4,母が教え給いし歌 7,鷹は自由にマレ/スペインのフォリア
アジア発祥と言われるジプシーは流浪の旅を続ける中で独自の音楽を生み出していきました。第1曲はジプシーの生活に欠かせない「歌」への賛歌,第4曲は,普遍的な「母であることの悲しみ」,終曲の第7曲は,軽快に力強くジプシーの自由な生き方を歌っています。
E
佐藤 航・宮本美香・澤田利明・尾添景子(サックス4重奏)(島根県)
デイヴィッド・マスランカ「サクソフォーン四重奏のための『レシテーションブック』」より
第5楽章 ファンファーレ/変奏:「アダムの罪によりて」による
雲井雅人サックス四重奏団委嘱作品。レシテーション・ブック(読集)とは、キリスト教の典礼で唱えられる文句を集めたものである。第5楽章「アダムの堕落によりて」のファンファーレは、ルネサンス期フランドルの画家ヒエロニムス・ボスの代表作「快楽の園」(The Garden of Earthly Delight)に響くラッパのごとく鳴り渡る。「アダムの堕落によりてことごとく腐れたり」というのが、コラール本来の題名であるが、どういう訳か、ここでマスランカはそのセンテンスの後半を省いている。この楽章は腐るどころか、莫大な情熱の積み重ねが音楽を最後まで現世的(earthly)な達成感に導いていく。
第二部
F
佐藤真由美(島根県) マリンバ Piano
石田美智恵
M.バラキレフ:イスラメイ(東洋風幻想曲)
Milij A.Balakirev/ISLAMEY fantasia orientale
1869年に作曲されたこの曲は、カフカス(コーカサス)のテンポの速い民族舞曲で、レズギンカの一種。「ロシア五人組」の一人で、スラヴと東洋の融合を目指したバラキレフ(1837−1910)ならではの作品。原曲はピアノ独奏で、管弦楽などにも編曲されている。
G
尾前加寿子(鳥取県) ソプラノ Piano
兼田恵理子
木下牧子(木島 始訳詩):「重いのはなあに?」
グノー:オペラ「ファウスト」より 「宝石のうた」
1曲目は、木島始による訳詞集「やさしいうた」をテキストとした、木下牧子の作品「ファンタジア」より。
2曲目は、ゲーテの詩劇「ファウスト」第一部に基づいて作られたオペラより。ファウストに恋する美女マルグリートは、自宅の窓辺にファウストが置いていった宝石箱を見つけ、中の宝石を身に付け、その心の高まりと歓びを歌う。
H
辺見康孝(島根県) ヴァイオリン Harp
松村多嘉代
ショパン(X[iksa]編):幻想即興曲
革命のエチュード
今年はショパン生誕200年、ショパンがピアノで表現した思いを辿り、その思いをヴァイオリンとハープで再構築しました。ピアノだけでは表現しきれなかった部分を再発見していただければ幸いです。パリに落ち着き幅広い表現と前衛的な手法を身に付けた頃の『幻想即興曲』と、ワルシャワ革命がロシアに鎮圧された絶望と怒りを曲にした『革命のエチュード』、2006年の結成以来120公演を超える共演を重ねるデュオX[iksa](イクサ)が演奏します。
I
松江隆司(鳥取県) テナー Piano
稲毛麻紀
レオン・カヴァルロ:マッティナータ
ガスタルドン(フロック詞):禁じられた音楽
レオン・カヴァルロ、ガスタルドンは、ともにイタリアの作曲家。『マッティナータと』は朝の歌という意味。恋する人を夜明けの太陽にたとえて、「君がいなければすべては真っ暗」と愛を歌う。『禁じられた音楽』は、恋する乙女が毎晩バルコニーから聴こえてくる男性の愛の歌に胸を躍らせる、大胆な愛の歌である。
J
寺内智子・眞家利恵・新田恵理子(アルト独唱、ヴィオラとピアノのトリオ)(鳥取県)
ブラームス:2つの歌 作品91〜アルト独唱、ヴィオラとピアノのためのOp.91
静められた憧れ(リュッケルト詩)
宗教的な子守歌(スペインの詩、ガイベルによる)
『静められた憧れ』は、抑えられない憧れ、悩める心が、大自然の中で静められていくという歌。『宗教的な子守歌』は、風に揺れる梢の音を静めてくださいと、眠る赤ん坊のイエスを気遣う母親マリアを歌っている。
K
西岡千秋(鳥取県) バリトン Piano
瀬川則子
鳥取県民謡:貝殻節
鳥取市気高町の浜村温泉などに伝わる民謡。素朴なメロディーの中に、イタヤ貝を採る労働者たちの、つらさや悲哀が歌われている。
秋田県民謡(間宮芳生編):杓子売歌
作曲家・間宮芳生(1929-)が、1950年代よりNHKの音楽資料課で調べ選び抜いた日本の民謡を、独唱用の歌曲へと編曲した『日本民謡集』に収められた曲の一つ。
(演奏順)
2010/11/28(日) プラバホール15:00〜
第7回山陰の名手たちコンサート プラバホール公演プログラム
第一部
@
佐藤真由美(島根県) マリンバ Piano
石田美智恵
M.バラキレフ:イスラメイ(東洋風幻想曲)
1869年に作曲されたこの曲は、カフカス(コーカサス)のテンポの速い民族舞曲で、レズギンカの一種。「ロシア五人組」の一人で、スラヴと東洋の融合を目指したバラキレフ(1837−1910)ならではの作品。原曲はピアノ独奏で、管弦楽などにも編曲されている。
A
松江隆司(鳥取県) テナー Piano
稲毛麻紀
レオン・カヴァルロ:マッティナータ
ガスタルドン(フロック詞):禁じられた音楽
レオン・カヴァルロ、ガスタルドンは、ともにイタリアの作曲家。『マッティナータと』は朝の歌という意味。恋する人を夜明けの太陽にたとえて、「君がいなければすべては真っ暗」と愛を歌う。『禁じられた音楽』は、恋する乙女が毎晩バルコニーから聴こえてくる男性の愛の歌に胸を躍らせる、大胆な愛の歌である。
B
森山貴宏(島根県) トロンボーン Organ
米山麻美
G.ホルスト:トロンボーンとオルガンのためのコンチェルタンテ
グスターヴ・ホルスト(1874-1934)は、イギリスを代表する作曲家のひとり。彼の作品ではオーケストラのために書かれた組曲「惑星」や、吹奏楽のために書かれた2つの「組曲」が有名であるが、合唱曲なども多く作曲している。
このコンチェルタンテは、彼の生まれた街・チェルトナムの教会で、地元のトロンボーン奏者と、ホルストの父・アドルフのオルガンによって1895年に初演された。元々《デュエット》と呼ばれており、今ではオルガンの部分を吹奏楽版やピアノ版でも演奏されることがある。
C
野津美和子(島根県) ソプラノ Piano
代 香織
武満 徹(谷川 俊太郎 詩):うたうだけ
武満 徹(武満 徹 詩):小さな空
武満 徹(武満 徹 詩):翼
・「武満徹」について
1930年に東京で生まれた彼は、日本を代表する現代音楽家で、日本人の作曲家としては国際的に最もよく知られた存在。世界中の著名なオーケストラや音楽祭の委嘱を受けて作品を発表するなど、「世界のタケミツ」として知られている。
・うたうだけ
1958年に鎌倉で作曲。作詞は、詩人の谷川俊太郎によるもので「ブルースの継承」で水島早苗によって歌われた。
・小さな空
1962年、TBSラジオドラマで毎夕放送された、こどものための連続ラジオドラマ「ガンキング」の主題歌。
・翼
1982年、東京の西武劇場のアーサー・コピットの演劇「ウィングス」公演のために作曲。劇中、市原悦子によって歌われた。
D
眞家 利恵(鳥取県) ヴィオラ
アルフレッド・ポーション:ヴィオラソロのためのパッサカリア
アルフレッド・ポーション(1879−1959)は、20世紀前半に活躍したスイスの音楽家。「パッサカリア」はゆるやかな3拍子の器楽曲であり、この曲は多くの重音が続き、派サカリアとしての骨格が非常に明確な曲である。
E
佐藤 航・宮本 美香・澤田 利明・尾添 景子(サックス四重奏)(島根県)
デイヴィッド・マスランカ:「サクソフォーン四重奏のための『レシテーションブック』」より第5楽章
ファンファーレ/変奏:「アダムの罪によりて」による
雲井雅人サックス四重奏団委嘱作品。レシテーション・ブック(読誦集)とは、キリスト教の典礼で唱えられる文句を集めたものである。第5楽章「アダムの堕落によりて」のファンファーレは、ルネサンス期フランドルの画家ヒエロニムス・ボスの代表作「快楽の園」(The Garden of Earthly Delight)に響くラッパのごとく鳴り渡る。「アダムの堕落によりてことごとく腐れたり」というのが、コラール本来の題名であるが、どういう訳か、ここでマスランカはそのセンテンスの後半を省いている。この楽章は腐るどころか、莫大な情熱の積み重ねが音楽を最後まで現世的(earthly)な達成感に導いていく。
第二部
F
吉田章一 (鳥取県) バリトン Piano
兼田恵理子
シューベルト:死と乙女
少女と死神の対話。瀕死の少女が「あっちへ行って。死神よ」と怯えて言うと、死神が「さあ、可愛い娘よ、こっちへおいで。そして、安らかにお眠り」と穏やかに答える。
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」より「主の言葉は炎のようではないか?」
旧約聖書の列王記に登場する預言者エリアの生涯を題材に取っている作品。ここでは、エリアが「主の言葉は、炎でもあり岩を砕く槌のようでもある。」と歌う。
G
木村恵理(島根県) ファゴット Cembalo
望月美希
O.ヌッシオ:ペルゴレージのアリエッタによる変奏曲
イタリア生まれのオトマール・ヌッシオ(1902-1990)は、ミラノのヴェルディ音楽院で、後にローマで作曲、フルート、ピアノを学びました。彼の先生にO. レスピーギがいます。ヌッシオは指導者でもあり、また、ルガーノ放送管弦楽団の指揮者にも就いています。
1953年の作品であるG. B. ペルゴレージ(1710 -1736)のアリエッタによる変奏曲は全10曲あり、本日はT. Arietta U. Scherzetto W. Lamento Y. Rapsodia Z. Elegia [. Barbarescaを演奏します。
H
辺見康孝(島根県) ヴァイオリン Harp
松村多嘉代
ショパン(X[iksa]編):幻想即興曲
革命のエチュード
今年はショパン生誕200年、ショパンがピアノで表現した思いを辿り、その思いをヴァイオリンとハープで再構築しました。ピアノだけでは表現しきれなかった部分を再発見していただければ幸いです。パリに落ち着き幅広い表現と前衛的な手法を身に付けた頃の『幻想即興曲』と、ワルシャワ革命がロシアに鎮圧された絶望と怒りを曲にした『革命のエチュード』、2006年の結成以来120公演を超える共演を重ねるデュオX[iksa](イクサ)が演奏します。
I
秦 光司(島根県) バリトン Piano
秦 祐子
中田 喜直(井伏鱒二 詩):「つくだ煮の小魚」
中田 喜直(山之口 貘 詩):「結婚」
「つくだ煮の小魚」は井伏鱒二(広島県出身1898〜1993),「結婚」は山之口貘(沖縄県出身1903〜1963)の詩に曲がつけられたもので,この2曲は中田喜直(東京都出身1923〜2000)自身の作品発表会(1957年)で畑中良輔氏により初演されている。「つくだ煮の小魚」は穏やかな曲調の中に邦楽と現代音楽の要素を含んでおり,「結婚」は結婚願望の強い作詩者の心のうごめきを音や曲調で表す等,いずれもユーモアに富んだ曲である。
J
大庭亜希子(島根県) クラリネット Piano
阿知波 美和
D.ロヴェッリョ/A.ジャンピエーリ:歌劇『椿姫』の旋律による演奏会用幻想曲
19世紀後期のイタリア・ロマン派歌劇を代表するヴェルディ中期の名作「椿姫」からアリア「ああ、そはかの人か」「花から花へ」などによるクラリネットの華麗なる幻想曲。
K
森田麗子(島根県) アルト Piano
代 香織
ロッシーニ:歌劇『セミラーミデ』よりアリア「かくも酷い災いのさなか」
バビロニアの若い将軍アルサーチェは、実は前国王ニーノと女王セミラーミデの息子である。ニーノはセミラーミデと愛人アッスールによって毒殺されており、その事実を知ったアルサーチェは母親セミラーミデの助けを借りてアッスールを殺し、王位に就く。このアリアは第二幕の墓の場で、復讐を果たそうとするアルサーチェによって歌われる。
L
妹尾哲巳+三浦芳男(島根県) ピアノデュオ
ベラ・バルトーク(ピーター・バルトーク編):バレエ音楽「中国の不思議な役人」作品19(抜粋)
音楽の難解さ以前に脚本が猥雑でグロテスクであることから初演時より物議を醸し出した作品。しかし、ストラビンスキーの「春の祭典」を思わせるバーバーリズムにおいて、バルトークの「かっこよさ」がふんだんに楽しめる。原曲はオーケストラであるが、変拍子や超絶的技巧のソロを誇示するべく近年の吹奏楽コンクールでは名門校が好んで取り上げている。