【ディレクターの回答】
　昨年のコンサートに比べ、今回は圧倒的に素晴らしかったものと思いました。それは、選曲の妙と、コンサートの進行の工夫が、誰もまねのできないモノに仕上がっていたからです。曲間の解説が上手く音楽の導入となる見事な展開に舌を巻きました。特にカラスの指人形によるコメントは絶品でした。それにも増して、歌唱される音楽たちが、宝石のように輝き、本物の音楽の喜びを感じさせてくれました。山本喜三氏の「歩いても　歩いても」は、西岡氏の力量によるところが大ではあるが、曲のすばらしさと相まって素晴らしい音楽表現が出来たのではないかと喜んでいます。 　「千の風」「誰もいない海」は絶品でした。改めて、西岡千秋氏は「うまいなぁ」と感心しました。何よりも聴衆の心を鷲づかみに出来る事のすばらしさは、筆舌に尽くせません。今回のコンサートをお聴きいただいた皆様の心に、音楽の宝石が住み着いたことと思います。♪決して忘れない♪事でしょう。

【ディレクターの回答】
　いきなり「Tre−1=Due」などと、謎解きの様なコメントが出てきましたが、実は「Tre(イタリア語で3)−1=Due(イタリア語で2)」の事なのです。普段、野津美和子Sp・森田麗子Alt＆川西悠紀Tn の三人組で編成するユニット「トレジェネ」(Tre generazione/三つの世代)の内、アルトの森田さんが抜けた２人のコンサートなので、「ドゥーエジェネ」)と表現されたのです。なかなかお洒落な言い回しに、感心しました。ほとんどの音楽用語はイタリア語が使われていますので、語源を探ると面白いですよ。 因みに4はクワット(quattro)⇒クワルテット(四重奏)などがあります。

【ディレクターの回答】
　今回のコンサートは、バス歌手の渡邉寛智氏のコンサートが予定されていましたが、音楽祭直前に体調不良のため出演が不可能になりました。本番まで一カ月弱の短期間で、本番のコンサートをこなせるのは並大抵のことではありません。そこで、島根県でもナンバーワンと目されている野津氏に出演依頼しました。普段トレジェネの仲間であるテナーの川西さんとの、デュオコンサートをお願いした訳です。川西氏は、バリトンからテナーに移行していますが、現在も調整中です。近い将来完璧なテナーの声が育つことと期待しています。

【ディレクターの回答】
お客様の私語は、お互いが気を付けたいものです。事前に看板を出していますが、見てもらえていないようですので、何とか見て頂けるような工夫をしたいと思います。演奏楽曲については、おっしゃることがよく理解できます。声楽曲を器楽で演奏する場合は、ほとんどが、歌をなぞるだけに終わりがちです。器楽曲としてしっかりとアレンジしてあれば、新しい曲として楽しめたものと思います。次年度以降は、イージーリスニングになるような選曲ではなく、ヴァイオリンのオリジナル曲をプログラミングしたいと思います。エアコンの件ですが、作動音が大きく、開演直前までエアコンを駆けましたが、開幕と同時に作動音を消すためにスイッチを切りました。ご了解ください。

【ディレクターの回答】
　今回のプログラムは、クラシック音楽の中でポピュラーな曲ばかりでした。クラシック愛好家には、物足りなさがあったようですが、一般的には大変聞き易く楽しめる内容だったと思いました。誰もが知っている、ポピュラーな曲を演奏することほど難しいものはありません。技術的に難しくない音楽は、音楽的に表現が難しいと言われますが、辺見氏のヴァイオリンは、聴く者をとろけさせる甘美さにあふれていました。アンコールでトゥーランドットをいきなり歌いだしたときは、びっくりしました。テノールの曲でも難曲中の難曲であり、オペラ歌手でもよ、ほど調子が良くないと決して歌わないほどなのです。ですから、止せばいいのにと一瞬思いましたが、聞いている内に、オペラ歌手とは違う、何とも言えない魅力を持っているではありませんか。歌い終わった直後、「ブラボー」と叫んでいました。素晴らしい。ヴァイオリンの歌心がそのまま歌声になっていました。これは、辺見氏の宝物だと思います。ですから、自分の宝物は、滅多に他人に見せるものではありませんので、今後は控えた方が良いでしょう。

【ディレクターの回答】
重利さんは、今年の演奏が悪ければ、倉吉でのコンサートは最後になるかもしれないと謙虚におっしゃったのです。これほど素晴らしいピアニストですから、今後も継続して聞かせていただきたいものだと思います。

【ディレクターの回答】
ショパンのエチュードを、全曲演奏するコンサートは稀でないかと思います。重利氏はこれまでも、趣の変わったプログラムを組んでいますが、今回のエチュードは圧巻でした。男性的で骨太のショパンは、本当に革命を叫び、戦いの中で壮絶に生きている姿を見せてくれました。素晴らしいの一語に尽きます。

【ディレクターの回答】
　「少し消化不良だったかも」との声が聴衆より上がるのは、演奏家として注意したいものです。ゲネプロを聴かせていただきましたが、お疲れがあったようです。体調を万全にしてコンサートに臨んでほしいものです。そうは言っても、ゲネプロ時と違って、声も良く出ていましたし、表現力も十分だったと思います。何と言ってもオペラは素晴らしい歌唱力を見せてくれました。素晴らしい。