○女声コーラスも良いものだと改めておもいました。これからも頑張ってください。森田さんのアルトの歌声もとても素晴らしかったです。特に「ハバネラ」を歌っている姿はとてもカッコ良かった。女声コーラスはもちろん、混声コーラスもとてもすばらしく感動しました。幸本美由紀さんのピアノ演奏、素晴らしかったです。子供達のかわいい歌声にも、聴きほれてしまいました。優勝目指して頑張ってほしいです。(
倉吉市
/20歳代/女性)
○合唱団のみなさまの演奏は、とてもよく歌いこんであったようです。それぞれの合唱団にできる上限にまで仕上げがなされていたように聴こえました。年齢によって高音の張りが少し失われている(失礼)と思われる団体も、その声質の中で自然な良い表現が出来ていました。森田さんのコンサートはとても良過ぎて、合唱コンサートの間に置いたことに不自然さを感じます。(50歳代)
【ディレクターの回答】
合唱団の、見えざる努力の跡を見ていただき、うれしく思います。なにごとでもそうですが、最高と言われる頂点は無限であり、結局何処まで追求してもきりがないものです。求めていた「青い鳥」は、直ぐ側にあるのです。各合唱団の求める理想の音楽は、すぐそばにあることに気がつくか、気がつかないかだけのことです。それぞれの合唱団が追い求める「青い鳥」は、それぞれ違っているはずです。「それぞれの合唱団にできる上限にまで仕上げがなされていたように聴こえました。」とのお言葉は、まさに各々の「青い鳥」を手にした喜びを言い表してくださり、本当の意味での「みんな違って、みんな良い」(金子みすず)というお褒めのことばとして至上の喜びです。よわいを重ねると肉体は衰えますが、心の内は澄み切ってくるものです。ご高齢の皆さんの合唱を聴いていると、その音楽の表情は益々若く、青春の想いが溢れているのを感じます。その歌声を作る表情の若々しさには、一瞬ドキッとさせられる青春の輝きがあります。本当に感動的なコンサートになりました。
ところで、声楽のソロコンサートを、合唱とサンドイッチすることへの懸念は、仰るとおりだと思います。以前は、合唱のみを第一部とし、ソロコンサートを第2部として設定していました。しかし、聴衆のコンサートに対する姿勢が、お目当ての団体のみを聴けば目的が終わるというものであり、その出番が終わると退席されてしまい、第2部を聴いてくださる方が激減するのです。そのようなことでは、ファイナル・コンサートにソロコンサートを入れた意味がなくなりますので、現在のスタイルに昨年度より移行しています。どうぞご理解ください。「森田さんのコンサートはとても良過ぎて」とのコメントは、お褒めのことばだと理解させていただきます。森田さんは、島根県を代表する実力ナンバ−ワンの方です。山陰の名手たちコンサートの常連であり、アザレアのまち音楽祭の常連にもなっていただきたい方です。また、ピアニストも卓越した技量の持ち主で、ソリストに劣らぬ表現力で取り組んでおられる姿に、感動を覚えました。
○何れも大変すばらしかったです。有難うございました。今日が(アザレアのまち音楽祭)閉会、惜しい気持ちです。総じてお願いしたいと思いますのは、耳が悪いのか「マイク」による声量拡大の方法を考えてほしいと痛感しています。ことに、話しことば、説明などは、必要と感じます。申し訳ありません。勝手申しあげました。(倉吉市/女性)
【ディレクターの回答】
アザレアのまち音楽祭に惜別の情をいただき感謝いたします。マイクの件ですが、実はゲネプロの時間に、様々な工夫をしていただき、調整しました。しかし、この問題は微妙でして、合唱とのバランスの問題、音楽が始まる直前にマイクで増幅された声を出す事は、次に演奏される音楽をひ弱に感じさせる逆効果があるため、出来るだけ小さな音で案内放送をしています。「ポラーノの広場」で、語りが入りましたが、言葉が分かり辛いのでマイク音を少し大きめにしましたが、音楽的なバランスから言えば、やりすぎだったとの反省をしています。来年度は、マイクの音量と音質について十分に検討し調整したいと思います。
○とてもすばらしい歌声でした。来年も楽しみにしています。
(倉吉市/60歳代/女性)
○いろいろな合唱団の演奏が一度に聴け、参考になる。アルト・コンサートもとてもよかった。ソプラノ演奏は多いが、アルトは少ないので良かった。(湯梨浜町/50歳代/女性)
○合唱、ザ・ラニアル、ウインドミル、満足。森田さん、アルトコンサート、とても良かったです。ピアノを含めてアンコールがなく残念でした。(湯梨浜町/70歳代以上/女性)
○アザレアのまち音楽祭の前夜祭的音楽会を開いてはどうか。前夜祭とは「とてもプロ級とはいえぬけど、せっかく練習しているのだから皆様に聞いてほしい」程度の腕前のセミ?プロ集団の音楽祭のことで、この中からプロも育つと思う。だから勿論無料とし、場所の使用料は、その団体が寄付で集める等の努力は必要であろう。中部地区は、西にも東にも南にも、交通は便利だとはいえぬ。その限られた地域の人を効率よく集め、楽しんでもらうには、「プロ」の前の人たちの要請が、助力が必要であろう。合唱に小学生が参加しているように。合唱団こさじ、すばらしい!!
(倉吉市/70歳代以上/男性)
【ディレクターの回答】
すばらしい提案をいただき、有難うございます。このアンケート・コメントを下さった方には、以前にも様々な提案をコメントしていただき、音楽祭の運営に大きく反映させていただいています。まずは、投稿子に深く御礼を申しあげます。今回ご提案いただいている「前夜祭」は、実行委員会の中でも以前検討したことがあります。しかし、「『とてもプロ級とはいえぬけど、せっかく練習しているのだから皆様に聞いてほしい』程度の腕前」との判断は、とても難しいということがあります。言葉どおりで考えると、そのような方は完全にアマチュアであり、アザレアのまち音楽祭のミッションには該当しません。謙遜してそのように言ってはいるが、技術はプロ級であるかたたちであれば、仰るとおりです。しかし、「その団体が寄付で集める等の努力は必要」というのは理解できますが、それが足かせになって、どなたも手をあげない現実があります。コンサートを開催するには、かなり高額な経費がかかります。
アザレアのまち音楽祭は、普段音楽活動をしている成果の発表会にはしていないのです。演奏する者が主人公ではないのです。音楽を聴いてくださる聴衆が主人公となっていただけるよう、コンサートを仕組んでいます。誤解を恐れず申しあげれば、聴きたくもない人、お義理でお出でになる方にも、音楽鑑賞の本当のすばらしさを体験していただきたいのです。そのために、コンサートマナーを強く要求しているのです。「そんなマナーなどお断り」という方には、残念ながらご退場願っています。つまり、コンサートは同じ空間で、同じ時間を共有する仲間でなくてはなりません。一人のわがままは、全員に迷惑を掛けるのです。この、一期一会の時空間を、素晴らしく美しい時の流れに出来るのは、そこに集う聴衆の皆さんの心ひとつです。
しかし、残念ながら今年も、聴衆のマナーの悪さには、ガッカリを越えて深い悲しみを持たされました。注意力の持続は不可能な子供さん連れのために、「親子席」を設定しましたが、無視される方が多く、結局一般席で、ざわめきの原因になってしまいました。演奏中に携帯メールをしておられる方、ビデオカメラを回す人、写真を撮ろうとする方などありました。結局、クラシック音楽のコンサート・セオリをご存じないだけのことです。悪意があったり、意地悪ではない所が問題なのです。ロイヤリティの高い聴衆の皆様には、不愉快な環境になってしまったことをお詫びし、来年度は、更に検討を加えた対策を採りたいと思いますのでご了解ください。
蛇足です。私が若かった頃には、「無知は罪」だといわれ、ルールを覚えないことには全くその楽しさ面白さが体験できないことを知っていました。現代は、クラシック音楽がマイナーな世界であります。ポップス音楽のコンサートは「祭」だ、との認識のままで、完全な静寂が要求されるクラシック・コンサートにお出でになると、相当の戸惑いと、不自由さを感じられることでしょう。しかし、この静寂を作るという行動は、サッカーの観戦で歓声をあげるのと同じ行為なのです。それが、物事を楽しむそれぞれのセオリーになるのです。
アザレアのまち音楽祭は、たとえ幼稚園児や小学生たちが参加するコンサートであっても、コンサートとしての最低限度のセオリーを構築させたいと願っています。お祭りのコンサートをお望みの方は、パープルタウン・コンサートにお出かけいただければ、存分に楽しんでいただけるはずです。
内部評価 評価委員 押本昌幸
【ファイナル・コンサート/アザレア合唱&森田麗子アルト・コンサート】
演奏⇒第1部・女声合唱の部
@ザ・ラニアル・コーラス=各パートがまとまってきたようです。
Aコール・ウインドミル=沖縄でまとめました。
B倉吉女声合唱団=各パートが存在感を示していました。
C赤碕女声コーラスまどか=楽しいコーラスの雰囲気がありました。
第2部・森田麗子アルト・コンサート
演奏⇒「珍しい」アルトのコンサート。ソプラノとは違う厚みと迫力が感じられました。ただ、この第2部ではコンサートマナーの悪さが目立ち、聴くほうの集中力がキレました。演奏者には気の毒に思われました。「のど飴」のものらしい紙のカシャカシャ音。携帯の音。頻繁な出入り。演奏中の移動等々。第1部は緊張感があってよかったのですが…。すばらしいアルトに対し残念でした。
第3部・混声合唱/児童合唱の部
演奏⇒@三朝コールげんげ=一見やさしそうな曲を指揮者の下、丁寧に歌っているように感じました。
A混声合唱団みお=「組曲ポラーノの広場」でしたが合唱としては「細切れ」の感じがしました。歴史ある「みお」の存在感を示す曲としてはもの足りませんでした。
Bこさじ=アカペラ、ハーモニーが一番美しいと感じました。少人数からか各パートのバランスもいい。合唱の盛んなリトアニアのミシュキニス作曲の「Regina
coeli(天の天后喜びたまえ)」の挑戦もすばらしい。鳥取の「タリス・スコラーズ(ピーター・フィリップ指揮、イギリスのアカペラのみで演奏を行う声楽アンサンブル)」を目指してください。個人的には「合唱」よりも「声楽アンサンブル」の方が「美しさ」を感じるのです。
Cコーラスはわい=生涯学習でのコーラスの楽しさがメンバーにあふれていました。
D上灘小学校合唱団=昨年より音のまとまりが出来てきているようでした。まだまだ伸びる。
E成徳小学校合唱団=少しこじんまりとまとまっている感じがありましたが、よく練習されているのはわかりました。
今年の「アザレアのまちの音楽祭」、終わりました。オープニング・コンサートのCDを聴く機会がありましたが、あらためて確認できたのはCDの音の出来の方が「生」よりよく聴こえるということです。一般に素人の演奏ですと、録音のほうが「アラ」がよくわかるのですが、プロの演奏に近づくと、CDの50ヘルツ以下と20000ヘルツ以上がカットされているせいか(編集ではなく)、気になった音が気にならなくなって、いい演奏に聴こえるのです。思いも寄らぬ今年の収穫でした。皆さまも、CDにごまかされぬよう、来年もライブでお楽しみください。失礼しました。
【言い訳と反省】
第一部の女声合唱は大変よくまとまっていました。「ザ・ラニアル」は、指揮者の森さんのカラーが浸透してきて、個性の感じられるすばらしい演奏になっています。「お母さんコーラス大会」がんばってください。
「コール・ウィンドミル」は、先回聴いた「大栄農村環境改善センター」でのコンサートより、格段の違いを見せていました。合唱団自体がとてもハイレベルな団体ですので、その実力を遺憾なく発揮された演奏だったと思います。1・3曲目と2曲目のアーティキュレーションの違いなど、微妙な表現を物する事が出来るなら、全体的な表現プランをもっと明確に打ち出すべきだと感じました。これは、かなり高度な注文ですが、ウィンドミルであれば十分可能だと思います。今後を期待しています。
「倉吉女声合唱団」は、相変わらずのがっちりしたコーラスを聴かせてくれました。望むらくは、音楽的な完成度は重要ですが、歌うメンバーの喜びを、もっと表面に出しても良いと思いました。今でも十分なのですが、聴いていると段々と欲が出てきます。
「女声合唱団まどか」この合唱団は、遅々としていますが確実にステップアップしています。特に今年は、声のまとまりを感じました。自分たちの合唱団の特性を踏まえた音楽作りに好感を持ちました。
「コールげんげ」は、音楽作りが段々若々しくなっています。合唱団員の皆様が、歳を重ねるごとに若返っているように感じさせる合唱でした。若い指揮者の「若いエネルギー」をどんどん吸収して、生き生きとした音楽が生まれています。技術的な問題は、専門家である指揮者がよくご存知ですので、安心して未来が期待できます。
【混声合唱団みお】音楽の聞かせどころを掴んだ見事な音楽作りです。指揮も流石と思わせる適切な指示を出しており、第一級の出来だったと思います。文句なく良かったと思います。
「合唱団こさじ」は、相変わらず素晴らしい演奏でした。演奏レベルはとても高いものです。「こさじ」のレベルに慣れてくると、もっと上を要求したくなるものです。今回の出来は、昨年の名演がありますので、平凡に聴こえましたが、かなり技術的な問題が見え隠れしていました。そんなことより、まず、ブレスがもっと自然に出来るようになれば、鳥取の「タリス・スコラーズ」になれるかも?しれません。期待しています。
「コーラスはわい」は、聴いていてワクワクさせられるオーラを持っていました。歌う喜びに溢れた合唱であり、コンクール狙いの多い中でアマチュア・コーラスの狙うべき方向性を確実に持った合唱だと感服しました。
「上灘小学校合唱団」は、毎年「おお、ひばり」を歌いますが、とても良い事だと思います。ひとつの歌を歌い継ぐ事は、指揮者にとってアナリーゼの追及であり、子供たちには自然な発声を促す効果があるものです。地声ではなく、響だけで歌えるようになると最高です。
「成徳小学校合唱団」は、昨年に比べて「おやっ」と思ってしまいました。評価委員も「こじんまり」と表現していますが、響が抜け落ちてしまったのではないかと思わせるものでした。そうは言っても、対外的なレベルは高く、子供達の能力も素晴らしいものを持っているようです。
蛇足⇒一般の合唱のピアニストは、どなたも素晴らしいバランスで演奏していました。小学校のピアノは、一般合唱団のピアニストの演奏振りを研究し、児童合唱の場に生かされることを願っています。
音楽祭全体の総括は後日掲載いたします。
アザレアのまち音楽祭ディレクター
計羽孝之