倉吉 アザレアのまち音楽祭

鳥取県文化団体連合会とアザレアのまち音楽祭の共催事業

鳥取県文化団体連合会舞台分野と江原道芸総のオペラ交流事業
演奏会形式による
「アマールと夜の訪問者」メノッティ作曲
「バスティアンとバスティエンヌ」モーツァルト作曲

2016年5月8日(日)13:45〜 倉吉未来中心大ホール 700円

   

@鳥取県「アマールと夜の訪問者」メノッティ作曲
指揮/大浦智弘(おおうら ともひろ)
演出/西岡千秋
出演/Sp松田千絵 Msp鶴崎千晴 Ten松本厚志 Br山田康之 Bas西岡千秋 Tn北村保史
合唱/Sp小倉知子/尾前加寿子/佐々木まゆみ/Alt米澤幸/銭亀睦美/Tn北村保史・藤光洋志/Bas富堅全希・魚住保幸
演奏/アザレア室内アンサンブル
   Vn,伊藤明・加藤聡・高橋美穂・西原麻衣子、
   Va井川晶子・箆津ゆかり、VC, 玉串直美・佐藤彰尾子
   Cb永瀬未希、  Ob井上晃希  Piano,稲毛麻紀


A韓国江原道「バスティアンとバスティエンヌ」モーツァルト作曲
演出/龍善重(ヨン・ソンジュン)
出演/Sp閔恩泓(ミン・ウンホン) Ten呉成龍(オ・ソンリョン) Bass沈基福(シム・ギボク)
Extra/柳R交(ユ・ヒョンギョ) ・李和准(イ・ファジュン)
演奏/チョン・サンヨン(ピアノ)


【出演者プロフィール鳥取県】

■指揮者・プロフィール

大浦 智弘
(おおうら ともひろ)

 宮城県塩竈市出身。東京学芸大学教育学部を卒業、同大学大学院を修了。ピアノを斎藤信子、須田昌宏、作曲を小林康浩、吉崎清富、指揮を松岡 究、山本訓久、小林研一郎、スコア・リーディングとオペラ・コーチングを田島亘祥の各氏に師事。2007年イタリア・カターニアにおけるArte Musicale Italianaのマスター・コースにおいてレオナルド・カタラノット氏に師事、氏よりディプロマを授与される。
これまでに数々のオペラ公演やコンサートを指揮するほか、新国立劇場、東京二期会オペラ劇場、びわ湖ホール、東京室内歌劇場をはじめ、各地のオペラ団体や管弦楽団、合唱団等において副指揮者や合唱指揮者、コレペティトールを務めている。特に井上道義、チョン・ミョンフン、阪哲朗、ユーリ・テミルカーノフ、ロベルト・リッツィ=ブリニョーリ、沼尻竜典、ヴィト・クレメンテ、大勝秀也といった著名な指揮者のアシスタントを務め、研鑽を積んでいる。2010年度、鳥取オペラ協会公演の「窓」の指揮を手掛け、好評を得ている。

■ソリスト・プロフィール

松田 千絵
(まつだ ちえ)Sp

 島根大学教育学部特音課程声楽専攻卒業。白石由美子、藤井文子、中澤桂、平野弘子の各氏に師事。 これまでに鳥取オペラ協会公演「フィガロの結婚」「魔笛」「ポラーノの広場」「ドン・ジョヴァンニ」「アマールと夜の訪問者」「コシ・ファン・トゥッテ」に出演。とりアートオペラ「魔笛」(2016年)で夜の女王を歌い、好評を得る。アザレアのまち音楽祭でのコンサート出演等多数。2003年、鳥取県声楽オーディションで審査員特別奨励賞を受賞。鳥取オペラ協会会員。

鶴崎 千晴
(つるさき ちはる)MSp

 武蔵野音楽大学声楽科卒業。声楽を森原紀美子,故藤田みどり,佐伯真弥子,平野弘子の各氏に師事。鳥取オペラ協会公演では、様々な役をこなすベテランとして活躍。特に新作オペラ「窓」(母親)に出演し、その歌唱力が高く評価された。とりアートオペラ「魔笛」(2016年)でダーメ役を歌い、好評を得る。その他、様々なコンサートに出演。アザレアのまち音楽祭常連演奏家。コールやまびこ指導者。鳥取オペラ協会理事。

松本 厚志
(まつもと あつし)Tn

 鳥取大学教育学部卒業。由良育英高校音楽部より合唱を始め、鳥取大学混声合唱団フィルコールに所属し、佐々木道也氏に師事。2000年鳥取オペラ協会公演「魔笛」のモリスタトス役でオペラデビューする。「アマールと夜の訪問者」のカスパール役は、はまり役として好評を得た。とりアートオペラ「魔笛」(2016年)で僧侶と兵士の2役を歌い、好評を得る。2016年3月末で倉吉市立北谷小学校校長を退職。鳥取オペラ協会理事。

山田 康之
(やまだ やすゆき) Br

 鳥取大学教育学部卒業。西岡千秋氏に師事。 1996年、鳥取オペラ研究会公演「河童譚」「子うさぎましろのお話」に出演。オペラ出演はこれまで「フィガロの結婚」では二度のタイトルロールを歌い、「魔笛」ではパパゲーノ役をこなした。とりアートオペラ「魔笛」(2016年)で僧侶と兵士の2役を歌い、好評を得る。現在、船上小学校に勤務。鳥取オペラ協会理事。

西岡 千秋
(にしおか ちあき)Bs/

 武蔵野音楽大学声楽科卒業。同大学院声楽専攻修了。市田キヨ子、疋田生治郎の各氏に師事。数々のオペラ出演の他、リサイタルをはじめとする演奏活動を行っている。鳥取オペラ協会の全公演をプロデュースし、その功績は大である。特に「フィガロの結婚」の伯爵役は、その演技力に定評がある。とりアートオペラ「魔笛」(2016年)で弁者役を歌い、好評を得る。現在、鳥取大学地域学部附属芸術文化センター教授。鳥取オペラ協会副会長。鳥取県合唱連盟副理事長。

北村 保史
(きたむら やすし)Tn

 鳥取大学教育学部卒業。声楽を西岡千秋、平野弘子の各氏に師事。1990年、国民文化祭独唱部門に出演。 1995年及び2001年11月デュオリサイタル開催。1998年鳥取オペラ研究会公演「コシ・ファン・トゥッテ」に出演。鳥取オペラ協会第1回公演「フィガロの結婚」にバジリオ、クルティオの二役で出演し、その演技力が高く評価された。鳥取オペラ協会第2回公演「魔笛」に出演。国民文化祭とっとり2002オペラ「ポラーノの広場」公演において給仕役で出演、好評を得る。現在、公立小学校勤務。鳥取オペラ協会会員。

御舩 亜美
(みふね あみ)

 8歳よりジャズダンスを始める。舞台を踏むにつれ、ダンスに興味が深まる。オールジャンルのダンスを学ぶため、高校卒業後に上京。専門学校にて様々なジャンルのダンスを習得し、多数の舞台、バックアップダンサーを経験する。卒業後Dancing Studio JAMにて講師を開始する。


■オーケストラ・プロフィール

アザレア室内アンサンブル

 アザレア弦楽四重奏団を主宰する伊藤明氏に依頼して作った室内アンサンブルです。ダブルカルテットにコントラバス、ピアノ・オーボエを加えた11人編成のアンサンブルです。「伊藤明氏」が主宰する弦楽四重奏団は地方に在って高いレベルを維持しているカルテットであり、それをベースとしてソリストとして活動している演奏家を混成し、極めてハイレベルな室内アンサンブルを構成しています。


アザレア室内アンサンブル・メンバー
1st,Vn: 伊藤明・加藤聡
2nd,Vn: 高橋美穂・西原麻衣子
Va: 井川晶子・箆津ゆかり
Vc: 玉串直美・佐藤彰尾子
Cb: 永瀬未希
Ob: 井上晃希
Piano:稲毛麻紀


鳥取オペラ協会合唱団

 公演ごとに鳥取オペラ協会会員によって編成しているソリスト集団による合唱団です。今回は、室内オペラという小さな規模の公演であり、ダブルカルテットの規模に編成しています。
 合唱に参加されるメンバーは、鳥取オペラ協会のソリストたちであり、本格的な合唱サウンドが楽しめます。

鳥取オペラ協会合唱団・メンバー
Soprano 小倉知子/尾前加寿子/佐々木まゆみ
Alto 米澤幸/銭亀睦美
Tenor 北村保史・藤光洋志
Bass  富堅全希・魚住保幸


【出演者プロフィール 韓国江原道】

演出/龍 善重
(ヨン・ソンジュン)

 1999年2月にソウル芸術大学演劇科を卒業。1991年から「春川マイムフェスティバル」、「全国演劇祭」、「平壌牡丹峰(ピョンヤン・モランボン)巧芸団 」の照明監督として活躍し、様々な演劇(壅固執傳、ワーニャ伯父さん、童謡お出かけ等)の脚色及び演出家として活動している。現在は翰林聖心大学校への出講の他、劇団アトの常任演出を務めている。

閔 恩泓
(ミン・ウンホン) … バスティエンヌ役(Sop)

 ローマ・サンタ・チェチーリア国立音楽院首席入学、1位早期卒業。同音楽院教授法履修。ローマA.I.D.M アカデミー修了。江原大学校音楽科卒業(同窓会理事)。東亜音楽新聞社主催全国学校音楽コンクール大賞。イタリア国際声楽コンクール入賞(Festival Note d'Estate a CampolietoとArtein Canto)。江原道青年芸術賞受賞。2014年の年間100回協演及び公演。PBC平和放送ラジオ番組「共に聖歌を」3年間120回出演・約500回放送。現江原大学校外来教授。仙和藝術中学校・音楽重点鳳儀高等学校出講。現江原道音楽協会監事。春川市音楽協会理事。

呉 成龍
(オ・ソンリョン) … バスティアン役(Ten)

 江原大学校卒業。オーストリア・グラーツ国立音楽大学オペラ科卒業。オーストリア・グラーツ・オペラ劇場専属団員歴任。オペラ「ラ・トラヴィアータ」、「 ラ・ボエム」、「リゴレット」、「コウモリ」、「メリー・ウィドウ」などの主役。シューベルト歌曲集「美しき水車小屋の娘」などリサイタル10回以上。日韓オペラ交流公演など日本・中国招聘公演。江原大学校・春川教育大学校・江原芸術高等学校の講師歴任。現鳳儀芸術重点高等学校声楽実技教師。江原道音楽協会監事。春川市音楽協会副会長。江原湖畔オペラ団代表。ハンウルリム合唱団指揮者。

沈 基福
(シム・ギボク) … コーラス役(Bass)

 江原道師範大学校音楽教育科卒業。モノーポリ国立音楽院卒業(伊)。カーリ劇場所属アカデミー最高演奏者課程卒業(伊)。キジアーナ・アカデミー最高演奏者課程卒業(伊)。フレスコバルディ音楽院声楽・合唱指揮卒業(伊)。カーリ市立アカデミー合唱指揮卒業(伊)。「マリオ・デル・モナコ」、「ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴェッルーティ」、「カステルフィダルド」国際コンクール優勝。オペラ「リゴレット」、「ラ・ボエム」、「マクベス」、「ラ・トラヴィアータ」、「マノン・レスコー」、「モーセ」、「コウモリ」、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「ジャンニ・スキッキ」など、多数主役出演。ベルディ逝去100周年祈念「ベルディ・レクイエム」イタリア巡回。「ベートーヴェン交響曲第9番」、「モーツァルト・レクイエム」、「ロッシーニのスターバト・マーテル」など多数ソロ出演。イタリア・フランス・ドイツ・ニューヨーク、フィンランド、スイスなど欧米とアジアでオーケストラ協演。現江原大学校音楽科・生涯教育院出講。ソウル・オペラアンサンブル団員。

全 相泳
(チョン・サンヨン) … ピアノ

 イタリア・ブルーノ・マデルナ国立音楽院最高点ディプロマと同音楽院ビエンニョ課程最高点卒業。第11回「LUIGI ZANUCCOLI」国際音楽コンクールのピアノ部門1位。「CITTA DI RICCIONE」国際ピアノコンクール優勝。イタリア・ボンチ劇場でリゴレット「セビリアの理髪師」など10編以上の音楽コーチ及びチェンバリスト歴任。現ペクリョンアート・トリオウィズのメンバー。江原湖畔オペラ団音楽コーチ。KB青少年音楽大学講師。江原大学校文化芸術大学出講。

曲目解説

□メノッティ作曲/オペラ「アマールと夜の訪問者」

 『アマールと夜の訪問者』(Amahl and the Night Visitors)は、ジャン=カルロ・メノッティ作曲の1幕のオペラです。メノッティ自身がオリジナルの台本も手がけています。訳題はいろいろありますが、一般的には今回の題名が使われています。1951年12月24日、クリスマス・イブにNBCテレビで放送され、一気に人気オペラとなりました。現在は、クリスマスものオペラの定番になっており、日本の各地で様々なスタイルで演奏されています。

物語
とき:紀元1世紀
ところ:ベツレヘム近郊
肢体不自由の少年アマールは愉快で優しい心根の子どもだったが、ほら話をするのが大好きという困った一面も持っていた。ある夜「お母さん! うちの窓をびっちり覆うくらい大きな星が出ているよ!」と言い出した彼の話を、母親は全く信じない。その夜遅く、ドアをノックする音に母は「出て行って誰だか見ておいで」とアマールに頼む。少年が戸口に見たものは、なんと立派な身なりの3人の王様(新約聖書に出て来る「東方の三博士」)。王たちがアマールと母に告げたのは「すばらしい子どもに貢ぎ物を捧げるため、もう長いこと旅を続けている。ここでしばらく休ませてもらえないか。」という話。母は村人たちの手を借り、一行に食べ物を施し座興を催す。
夜も更けて、母は我が子が乞食にならずに済むのならと、どこぞの子にやってしまうという黄金に手を伸ばし、王の従者に見とがめられる。「お母さんをぶたないで!」と母をかばうアマール。「母よ、これはあなたがとっておきなさい。私たちの聖なるみどりごは、神の国を作るために黄金など使う必要は無いのです。」とメルヒォール王は言う。母は「そのみどりごに何一つ贈り物を捧げる事ができない」と嘆いている。だが、「僕にはこの松葉杖がある。おかあさん、これをあげようよ!」とアマールが杖を差し出すと、少年の脚は癒えたのだった。アマールはその救い主に会うために、3人の王様とともに至福の旅へと出かけていく。

□モーツァルト作曲/オペラ「バスティアンとバスティエンヌ」

 ルソー啓蒙哲学の香り漂う牧歌劇をベースとし、天才モーツアルトが12歳で作曲したオペラです。小編成の室内オペラであり、そしてそのテーマも若い男女のラブコメディという楽しく身近な内容の作品なので、特に初めてのオペラ体験に最適です。「バスティアンとバスティエンヌ」は日本ではまだ上演機会の少ない作品ですが、ヨーロッパではザルツブルク音楽祭、ウィーン国立歌劇場の子どもオペラをはじめ、各地で繰り返し上演され続けており、最初期のモーツァルトのオペラとしてシンプルながらも上演価値の高い作品です。
 韓国江原道の公演では韓国語セリフを日本語訳字幕付にて上演しますので、内容を理解しながら舞台を楽しむことができます。どなたにも楽しめるオペラとしてご鑑賞下さい。

ご案内

 今回の日韓親善オペラ公演の先駆けは、2010年に県文連所属の鳥取オペラ協会が韓国江原道春川市春川文化芸術館において、メノッティ作曲オペラ「電話」を公演したことに始まります。その交流の鳥取県側公演が、2012年に倉吉未来中心において開催しました。鳥取オペラ協会公演のシュトラウス作曲オペラ「こうもり」にゲスト出演の形で参加して頂きました。そして、昨年(2015年)には、交流の仕組みが変わり、県文連舞台分野5団体の連合体として韓国江原道洪川郡洪川文化芸術会館において、メノッティ作曲「アマールと夜の訪問者」を演奏会形式で公演いたしました。その交流の鳥取県版を、今回県民の皆さんにご披露するものです。
 今回の鳥取県サイドのオペラ公演は、縮小編成のオーケストラをバックに演奏会形式で演奏します。ステージの反射板に、かつて本格上演し舞台写真をプロジェクター・マッピングし、オペラの醍醐味を感じていただこうと言う趣向です。江原道サイドは、簡易舞台を設定し、ピアノ伴奏によるオペラ公演が予定されています。演技の伴う素晴らしいオペラ空間が、演出家の手によって素敵な舞台に変容いたします。歌唱力の素晴らしさは言うに及ばず、モーツァルトの音楽が堪能できます。