倉吉 アザレアのまち音楽祭
杉山清香クラリネット・コンサート

Piano 稲毛麻紀
2012年6月13日(木)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円


 過去の演奏のご紹介
クラリネット 杉山清香 (第30回アザレアのまち音楽祭2012コンサートより)
♪ クラリネットソナタ Op.67(グヴィ作曲) (wmaファイル 1.41MB 3分程度)


第一部

@2重奏曲 変ホ長調/N.ブルグミュラー
ブルグミュラーの若き憧れに満ちた作品です。大変魅力的な旋律の作品。

Aクラリネットとピアノのためのソナチネ/D.ミヨー
 第1楽章 Tres rude
 第2楽章 Lent
 第3楽章 Tres rude
ダリウス・ミヨーは、1892年生まれのフランス人の作曲家。ピアニストや指揮者としても活躍し、自作の録音を残している。フランス6人組の一人。彼は自分の芸術に対する見解を「美的な法則、哲学、理論といったようなものはまったくありません。」などと言っている。いかにもミヨーらしい逸話です。


第二部

@マドリガル/A.シモネッティ
イタリア出身のイギリスのヴァイオリニスト。作曲家としても多くのヴァイオリンのための小品を世に送り出した。 代表作として知られるこの曲は甘く流麗な旋律が美しい。イタリアの通俗歌曲を連想させる。

A「クラリネット協奏曲第3番」より第2楽章/C.シュターミッツ

B「クラリネットソナタ」より第2楽章/F.プーランク
プーランクの晩年1962年にベニー・グッドマンの求めに応じて作曲された。特にこの第2楽章は友人オネゲルへの追悼の意図もあるといわれている。プーランク自身も翌年急逝し、初演はカーネギーホールでバーンスタインのピアノ、ベニー・グッドマンのクラリネットで行われた。

C嘆きのセレナーデ/E.トセリ
作曲者トセリ(1883〜1926)はイタリアのフィレンツェに生まれ、若い頃はピアニストとして華々しい活躍をしました。 23歳の時ハプスブルグ家の娘で元ザクセン皇太子妃だったルイーザと結婚して話題になりましたが、その後は生地に戻って後進の指導と作曲活動に専念しました。現在ではこの「嘆きのセレナーデ」(原曲は歌曲)のみによってその名を留めています。

D華麗なる大円舞曲/F.ショパン

E椿姫のファンタジー/ヴェルディ
イタリア・ロマン派最大の歌劇作曲家ヴェルディ(1813〜1901)が1853年に発表した歌劇「椿姫」の中のアリア「ああ、そは彼の人か」を素材にした作品。原曲となったアリアは歌劇の第1幕で歌われるコロラトゥーラ・ソプラノのための曲。


プロフィール

杉山清香

(すぎやま きよか) Clarinet
 米子東高等学校普通科を経て島根大学教育学部特音課程(管弦打楽器専攻)を卒業。クラリネットを手塚実、村瀬二郎、浜中浩一の各氏に師事。今までにミンクス室内オーケストラとモーツァルト作曲「クラリネット協奏曲」、澤カルテットとモーツァルト作曲「クラリネット五重奏曲」で共演し好評を得る。2009年にはフィルハーモニックウィンズ大阪と共にアメリカ演奏旅行(WASBE世界吹奏楽大会にアジア代表としてシンシナティでコンサートに出演)に参加。現在は、同楽員として関西を中心に活動すると共に各地への演奏旅行やCD収録にも参加している。また、「山陰の名手たちコンサート」、浜中浩一氏門下生による「音楽の愉しみコンサート」(大阪)等、多数出演。また、2012年1月には「ヴァンガードブラス鳥取」公演にてウェーバー作曲「クラリネット小協奏曲」を独奏した。その他、自身がライフワークとしている「音楽空間コンサート」は第40回を数えるほか、依頼コンサートなど県内外で精力的に演奏活動を行っている。現在、ヤマハミュージックスクール(パルス米子楽器社)講師、NHK文化センター講師、杉山清香音楽教室主宰。フィルハーモニックウィンズ大阪楽員。

稲毛麻紀

(いなげ まき)Piano
 武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業後、お茶の水女子大大学院ピアノ演奏学講座修了。ピアノを新田恵理子、堺康馬、A.ウェーバージンケの各氏に師事。これまでアザレアのまち音楽祭のサロンコンサートやオープニング・コンサートのピアノ・コンチェルト等に出演。現在、合唱団のピアニスト、移動わらべ館童謡唱歌推進員、鳥取短期大学非常勤講師を務める。鳥取オペラ協会ピアニスト。


ご案内

 杉山さんはアザレアのまち音楽祭の常連音楽家として、久しく聴き続けています。吹奏楽では最も数の多い楽器であり、演奏体験者は多いのですが、ソリストとして聴衆の支持を得る演奏家はなかなか存在しません。杉山さんのクラリネットは、技術的には行くところまで到達しております。後は音楽を聴衆にどう届けるかが問題とされるプロフェッショナルの悩みを、個性的にどう創造するかが課題のようです。言葉で言うは易しく行うは至難の業です。そんな中で、近年の変貌ぶりは目を見張るものがあります。特にフレーズのふくらませ方には、自然でわざとらしさもなく、音の減衰曲線が美しいのです。美しいクラリネットの響きは言うに及ばず、リードの振動音を感じさせない音楽づくりは感動ものです。杉山氏の清らかで香り立つ音楽の飛翔をどうぞお楽しみください。