鶴崎千晴メゾソプラノ・コンサート
Piano 兼田恵理子
2013年5月21日(火)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円
第一部
@ 薔薇の花に心をこめて(大木惇夫作詞 山田耕筰作曲)
A 野薔薇(三木露風作詞 山田耕筰作曲)
B 鐘が鳴ります(北原白秋作詞 山田耕筰作曲)
C 母のこえ(大木惇夫作詞 山田耕筰作曲)
山田耕筰の歌曲が特に秀でている理由は、日本語のイントネーションやアクセントがそのままメロディに生かされている点にある。歌曲において日本がヨーロッパ近代音楽を取り入れようとした時の最大の問題が、このヨーロッパの歌曲風のメロディと日本語をどのように結び付けるかであった。言葉のアクセントをメロディと融合させることによって名曲の数々を世に送り出していった。
D 啄木短歌集より(石川啄木作詞 高田三郎作曲)
T,やわらかに
U,頬につとう
V,いのちなき
W,病のごと
X,不来方の
Y,ふるさとを
Z,はずれまで
[,あめつちに
第二部
@金太郎(石原和三郎作詞 田村虎蔵作曲)
A青葉の笛(大和田建樹作詞 田村虎蔵作曲)
B一寸法師(岩谷小波作詞 田村虎蔵作曲)
C大黒様(石原和三郎作詞 田村虎蔵作曲)
D序の歌(北山冬一郎作詞,団伊玖磨作曲)
E孤独とは(北山冬一郎作詞,団伊玖磨作曲)
Fひぐらし(北山冬一郎作詞,団伊玖磨作曲)
G舟歌(片恋)(北原白秋作詞,団伊玖磨作曲)
H「へびとりのうた」より(東 君平作詞 木下牧子作曲)
T,
U,
V,
W,
プロフィール
鶴崎千晴
(つるさき ちはる)M.Soprano
武蔵野音楽大学声楽科卒業。声楽を森原紀美子,故藤田みどり,佐伯真弥子,平野弘子の各氏に師事。ジョイント・コンサート,ソロリサイタルほか,鳥取オペラ協会公演「フィガロの結婚」(伯爵夫人・マルチェリーナ)、「アマールと夜の訪問者」(母親),ラクゴペラ「ドン・ジョヴァンニ」(ドンナ・エルヴィラ)、イソップオペラ(よいきこり)、新作オペラ「窓」(母親)に出演。山陰の名手たちコンサート出演。アザレアのまち音楽祭参加。県民による第九2010、2012年米子第九合唱団ニューイヤーコンサートにてヴィヴァルディ作曲グローリアでアルトソロ。コールやまびこ指導者。鳥取オペラ協会理事。
兼田恵理子
(かねだ えりこ)Piano
武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。新田恵理子、コッホ・幸子の各氏に師事。アザレアのまち音楽祭においては、アザレア室内オーケストラと共演の他、ソロリサイタル等で参加している。現在,後進の指導にあたるとともに、声楽、器楽の伴奏者として各地で演奏活動を行っている。倉吉市在住。鳥取オペラ協会ピアニスト。
ご案内
近年、日本歌曲に新境地を見せている鶴崎氏が、今年は日本歌曲の源流から、現代に至る音楽を聴かせてくれます。西洋音楽の黎明期に作られた田村寅蔵の童謡、シューベルトの語法を日本語に置き換えた山田耕筰の歌曲、現代日本の歌曲を席巻した団伊玖磨、高田三郎、そして今、最も人気のある作曲家として愛聴されている木下牧子の歌曲を並べるプログラミングは、見事なものです。歌曲と言う言葉を持った音楽は、言葉の持つ音楽とメロディが持つ言葉のせめぎ合いがその芸術を作り上げていきます。鶴崎氏の歌曲は、音の響きの中にメロディを超えたイメージを広がらせ、歌わんとする歌の情景を垣間見せる力を持っているものです。特に深い響きの中に、歌手が夢見るのであろう「形のない形象」を感じさせる、不思議な唄を持っているのです。
ところで、今年の12月8日には、リサイタルシリーズLとして登場することになっている。どうぞ、皆様にお聴きいただき、歌の持つ深い洞察を感じていただきたいと思います。