杉山清香クラリネット・コンサート
Piano 稲毛麻紀
2012年6月14日(木)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円
第一部
@ クラリネットソナタ Op.67(グヴィ作曲)
ルイ・テオドール・グヴィ(Louis Theodore Gouvy, 1819年7月3日 - 1898年4月21日)は、19世紀フランスの作曲家。いくつかの宗教曲の大作のほか、数多くの器楽曲を遺している。この曲は1875年に作曲された。美しく叙情的な旋律が魅力の作品。この作品は出版社の関係で長らく廃盤扱いで、楽譜が入手困難であったが、最近再版されたらしい。
第一楽章 アレグロ・モデラート
第二楽章 アンダンテ・カンタービレ
第三楽章 ロンド、アレグロ・ノン・トロッポ
第二部
A ヘ長調のメロディ(A.G.ルビンシテイン作曲)
アントン・グリゴリエヴィチ・ルビンシテイン(1829年-1894年)はロシアの作曲家、ピアニスト、指揮者である。現在のモルドバ共和国に属するポドリスク地方ヴィフヴァチネツ、 現ルブニツァ 近郊に生まれ、ペテルブルク近郊のペテルゴフに没した。姓は日本ではドイツ風に“ルービンシュタイン”と表記されることも多い。ロシア人としては初めて世界的な名声を得たピアニストであり、また大きな功績としてロシアに初の本格的な音楽教育機関である、サンクトペテルブルク音楽院を創設したことがあげられる。作曲家としては多岐に渡る作品を残したが、今ではほぼ「へ調のメロディ」と呼ばれる小品のみが知られている。
B セーヌ河岸(朝川朋之作曲)
朝川 朋之(1960年 - )は、日本の作曲家、編曲家、ハープ奏者である。東京都生まれ。フェイス音楽出版所属。日本作編曲家協会(JCAA)理事。JASRACメンバー。東京藝術大学作曲科卒業、東京藝術大学音楽学部別科オルガン専修を首席卒業。1980年から1985年までオフィス・ドラゴンに所属、宇崎竜童のもとで映画、ドラマ、CMの音楽を作曲・編曲する。1985年-1987年まで田中太郎の芸名で竜童組に参加。1995年より服部克久の東京ポップスオーケストラのハーピストとなる。この曲はクラリネット・ナンバーのひとつ。
C クラリネット・オン・ザ・タウン(R.ハーマン作曲)
Ralph Hermann(1914-1994)は、アメリカの作曲家。ミルウォーキーにある音楽学校で学び、作編曲家・指揮者として活躍。主な吹奏楽作品としては、Arlinton Overture , Kiddie Ballet , Belmont Overture , North Sea Overture , Prelide and Caprice 等。また多くのサキソフォーンやクラリネットと吹奏楽のコンチェルトも書いている。
D 日本の歌
*初恋(越谷達之助作曲)
初恋の胸の痛みやうずきが、砂粒が肌に触れる感触にたとえられた、みずみずしい歌。
*花の街(團伊久磨作曲)
戦後の東京がまだ荒廃していた昭和22年、NHKラジオ番組「婦人の時間」の委嘱で作られた。作詞者の江間章子は、「今に東京も花咲く街になってほしい」という願いを込めて歌詞を書いたという。
E ロング・ロング・アゴー変奏曲(T.H.ベイリー作曲)
誰もがどこかで聴いたことのある曲の一つ。
プロフィール
杉山清香
(すぎやま きよか)クラリネット
米子東高等学校普通科を経て島根大学教育学部特音課程(管弦打楽器専攻)を卒業。クラリネットを手塚実、村瀬二郎、浜中浩一の各氏に師事。今までにミンクス室内オーケストラとモーツァルト作曲「クラリネット協奏曲」、澤カルテットとモーツァルト作曲「クラリネット五重奏曲」で共演し好評を得る。2009年にはフィルハーモニックウィンズ大阪と共にアメリカ演奏旅行(WASBE世界吹奏楽大会にアジア代表としてシンシナティでコンサートに出演)に参加。現在は、同楽員として関西を中心に活動すると共に各地への演奏旅行やCD収録に参加している。また、「山陰の名手たちコンサート」、浜中浩一氏門下生による「音楽の愉しみコンサート」(大阪)他多数出演。また、今年1月には「ヴァンガードブラス鳥取」公演にてウェーバー作曲「クラリネット小協奏曲」を独奏した。その他、自身がライフワークとしている「音楽空間コンサート」は第32回を数えるなど県内外で演奏活動を行っている。現在、ヤマハミュージックスクール(パルス米子楽器社)講師、NHK文化センター講師、杉山清香音楽教室主宰。フィルハーモニックウィンズ大阪楽員。米子市在住。
稲毛麻紀
(いなげ まき)Piano
武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業後、お茶の水女子大大学院ピアノ演奏学講座修了。ピアノを新田恵理子、堺康馬、A.ウェーバージンケの各氏に師事。これまでアザレアのまち音楽祭のサロンコンサートやオープニング・コンサートのピアノ・コンチェルト等に出演。現在、合唱団のピアニスト、移動わらべ館童謡唱歌推進員、鳥取短期大学非常勤講師を務める。鳥取オペラ協会ピアニスト。
ご案内
杉山清香氏は、山陰で最もレベルの高いクラリネット奏者だと思っています。美しい音色は言うまでもなく、メロディの歌わせ方が群を抜いた巧さを持っています。2007年に、アザレアのまち音楽祭に初登場して以来、常連演奏家のお一人です。既に沢山のファンを獲得しておられますが、毎回新しい感動を演出するブログラミングの巧さが光ります。今回も一部で、現代ほとんど知られていないグヴィの作品を取り上げていますが、私にとっては未知の曲ですので興味津々です。新しい出会いが待っているコンサートほどワクワクするものはありません。グヴィは7曲もの交響曲を作曲していますが、未だに無視されたままです。かろうじて「レクイエム」が17〜18年前に脚光を浴びたのを思い出しますが、そんな作曲家の作品を聴いてみるのも楽しみの一つです。後半は、歌謡性の高い曲ばかりでプログラムを組み、聴衆の心に強く訴えかけるコンサートになるでしょう。特に、表現内容が具体的な言葉として歌われる歌曲を、クラリネットと言うボカリーズで訴える(うたう)妙味を存分にお楽しみいただきたいと思います。