新田恵理子・新田裕里子ピアノデュオ・コンサート
2012年6月2日(土)19:30〜 琴浦町カウベルホール 700円
過去の演奏のご紹介
ピアノ 新田恵理子 (第29回アザレアのまち音楽祭2011コンサートより)
♪ 愛の夢 第3番(リスト作曲) (wmaファイル 1.4MB 3分)
第一部 ソロと連弾
@ 夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9-2 (ショパン作曲) 恵理子
ショパンの夜想曲の中でもっとも有名な曲である。特に1956年のアメリカ映画「愛情物語」に使われ、一躍人気を博した。だれでも、一度は聴いたことのある作品。
A バラード 第4番 ヘ短調 作品52(ショパン作曲) 裕里子
ショパンは祖国の詩人に憧れて祖国への想いを自由に音で表現したいと願い、4曲のバラードを書き残した。第4番は、彼の持つ作曲技法が余すところなく駆使され、最も演奏が難しい曲である。ショパンの作品の中でも最高傑作とも称されている。
B 夜想曲 第6番 変ニ長調 作品63 (フォーレ作曲) 恵理子
フォーレの最も充実 したピアノ作品とされる。かつての名ピアニスト「コルトー」は、「音楽的な豊かさ、表現の深さ、器楽的内容の質の 高さからして、あらゆる時代のピアノ音楽のうち、希有で最も高貴な記念碑的作品」だと言っている。
C ドリー組曲より(フォーレ作曲) 連弾
第1曲 子守歌
第6曲 スペイン舞曲
『ドリー』(Dolly)作品56は、ガブリエル・フォーレが作曲したピアノ連弾のための6曲からなる組曲。フォーレが妻のマリーを通じて親しくなった銀行家の娘エンマ・バルダックの娘で、1892年に生まれたエレーヌの誕生日祝いに書かれた曲を中心に編まれた。タイトルの「ドリー」というのはエレーヌの愛称であり、フォーレはこの曲集をエレーヌに献呈している。
第二部 2台ピアノ
@ カンタータ第208番より「羊たちは安らかに草を食み」(J.Sバッハ作曲)
バッハが領主に献呈するために作曲した音楽。「羊は安らかに草を食み」とは、「よい為政者の下では領民たちは安心して暮らすことが出来る」という意味であり、領主の素晴らしい人柄をバッハが称えたものだという。
A 2台のピアノのためのソナタ k.448ニ長調 第1楽章(モーツァルト作曲)
モーツァルトが25歳の時にウィーンで作曲、1781年11月に完成した。第1楽章 はAllegro con spirito 、ニ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。クラシック音楽をテーマとした二ノ宮知子の漫画作品『のだめカンタービレ』で主人公の千秋真一と野田恵(のだめ)が演奏する場面に登場した曲でもある。
B 2台ピアノのための組曲第2番作品17−3 「ロマンス」(ラフマニノフ作曲)
セルゲイ・ラフマニノフのピアノ・デュオ曲。4曲からなる組曲の第3曲、ラフマニノフならではの詩情溢れるロマンティックな作品。アンダンティーノ、変イ長調、8分の6拍子。
C スカラムーシュ(ミヨー作曲)
第1次世界大戦後のフランスの音楽界で活躍したダリウス・ミヨー(1892〜1974)の作品。全部で3曲からなり、第1曲「ヴィフ(輝かしく、活発に)」は、冒頭から軽快なリズムに乗って華やかなメロディーを奏でる。主旋律が2台のピアノをめまぐるしく行き交うところが聴きどころ。続く第2曲「モデレ(中庸の速度で)」は、第1ピアノの旋律を第2ピアノが応答しながら穏やかに曲が進む。第3曲は「ブラジルの女」と題された陽気なフィナーレ。サンバの特徴的なリズムによるグルーヴ感が楽しい。
プロフィール
新田恵理子
(にった えりこ)Piano
武蔵野音楽大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業 倉吉市在住。ピアノを故西岡光夫、長井充、徳川愛子、福井直敬、西川秀人の各氏に師事する。ソロリサイタル、室内楽、声楽・器楽の伴奏など、各地で幅広い演奏活動を行なっている。内外のオーケストラとの共演も数多く、そのうち、ザルツブルク室内オーケストラ、下北山弦楽オーケストラとのライブ録音が、カウベルホールよりCDリリースされている。後進の育成にも力を注ぎ、各地で門下出身の若手ピアニストが活躍している。全日本ピアノ指導者協会正会員、同鳥取県支部事務局、鳥取オペラ協会ピアニスト。ハーモニッシェの会主宰。
新田裕里子
(にった ゆりこ)Piano
倉吉市出身。都立芸術高等学校を経てフェリス女学院大学卒業、現在同大学院音楽研究科演奏専攻1年在学中。高校在学中、東京文化会館小ホールにて、学内オーディション合格者による発表演奏会に出演。また大学在学中には学内ソロ・コンサートに出演。2000年カウベルピアノコンクール長岡敏夫賞受賞。第7回日本演奏家コンクール高校生部門特別賞受賞。
2006年オーストリア国際室内楽フェスティバルを受講、同コンクールソロ部門入賞、演奏会に出演し、オーストリア国営ラジオ放送で放送される。ピアノを西川秀人、山口幸子、田村安佐子、橘高昌男の各氏に師事。
ご案内
アザレアのまち音楽祭に琴浦町のNPO法人花本文化振興会が参加されて以来、カウベルホールを会場とするコンサートでは、新田恵理子氏のピアノが続いています。昨年は、東京芸大講師の西川秀人氏とデュオのコンサートで、大変レベルの高い演奏を聴かせていただきました。今年は、満を持しての親子によるコンサートです。
新田裕里子さんは、高校時代から東京で音楽を学び、フェリス女学院大学大学院の1年に在学中です。私が知っている演奏は、一昔も前のカウベルピアノコンクールで長岡賞を受賞した時と、学生時代にオーストリア国際室内楽フェスティバルでの演奏CDであり、若くて意気盛んな力強い打弦が印象に残っています。直近では2009年のアザレアのまち音楽祭のミニ・リサイタル・リレー・コンサートで聴いたショパンとブラームスが思い出されます。新田恵理子氏の娘さんですが、その音楽性はかなり違っているような印象を持っています。
今回のコンサートは、二人それぞれのソロに、連弾、2台ピアノと多彩なプログラムが組まれています。母娘で取り組む音楽を、どうぞお楽しみください。