中野隆尺八演奏会
箏 山路みほ
2012年5月27日(日)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円
過去の演奏のご紹介
尺八 中野隆 (第29回アザレアのまち音楽祭2011コンサートより)
♪ 春の海 (宮城道雄作曲) (wmaファイル 1.4MB 3分)
第一部
@ プロローグ(山路みほ作曲)
物語のはじまりを思わせるような、壮大でドラマチックな曲。
A 春の訪れ(宮城道雄作曲)
耳に聴こえるうららかな春の訪れを、どうぞお楽しみください。
B 春の海(宮城道雄作曲)
1929年に発表した「春の海」は、日米仏でレコード発売されるなど、世界的な評価を受けた。
曲のモチーフは、宮城が8歳で失明する前に祖父母に育てられて住んでいた瀬戸内の景勝地、福山市の鞆の浦の美しい風景が目に焼きついたのをイメージして描いたものである。
第二部
@ 古典本曲
古伝巣籠(巣鶴)
古来、鶴は日本で霊鳥といわれてきた。ヒナを守る親鳥の情愛の深さから、転じて大滋大悲の佛力に帰依する心で作られ伝承されて来たと考えられる。"古伝"とあえて附記されていることからも、この調べが各地に伝承されている「鶴の巣籠」の原形に近いものではないかと推察されている。
A 古典本曲
鶴の巣籠り(奥州伝)
本曲とはその楽器のために作られた曲という意味で、今日「古典本曲」と呼ばれるものは主として江戸時代に虚無僧が吹いたとされている曲のこと。「鶴の巣籠」は全国各地に同名異曲が多数あり、今回は奥州に伝わった曲をお聴きいただく。
B 上弦の曲(沢井忠夫作曲)
1979年作曲。古き時代の人々が月を仰ぎ見、それぞれの想いを月に託し、祈ったであろうことを思って書かれた曲であるという。日本の伝統楽曲の雰囲気を濃厚に持った作品。
プロフィール
中野 隆
(なかの たかし)尺八
1970年から尺八を始める。 上田流を田中薫堂、谷泉山の各氏に師事する。 琴古流を古屋輝夫氏に師事する。 古典から現代曲まで演奏する。 古典は主に虚無僧の吹いていた曲(海童道祖、横山勝也の流れの古典本曲)を演奏、研究している。 2003年度より、鳥取県文化振興財団芸術宅配便事業に邦楽部門で参加し、小中学校で演奏している。 芸術宅配便事業では主に学習教材の「春の海」・「鹿の遠音」を演奏しています。
山路 みほ
(やまじ みほ)箏
東京芸術大学音楽学部卒業、NHK邦楽技能者育成会42期終了。文化庁芸術インターンシップ国内研修員として沢井一恵氏に師事。 全国邦楽コンクール全部門総合第1位。国際芸術連盟音楽コンクール邦楽部門第1位。賢順記念箏曲コンクール奨励賞受賞。 倉敷市文化連盟奨励賞受賞。岡山芸術文化賞準グランプリ受賞。福武文化奨励賞受賞。
オーストリア・フィリピン・イギリス・アメリカ・韓国・ロシアなど海外でも数多く演奏。2011年にはモスクワ音楽院にて演奏と教授活動を行う。また2度のオーストラリアツアー(25ヵ所)公演、2008年には日本国内で全国ツアー(全18ヶ所)を行い好評を博した。新宿コマ劇場での「吉幾三ショー」、NHK教育テレビ「芸能花舞台」、NHK−FMラジオ「邦楽のひととき」などメディアにも度々出演。洋楽器はもちろん、オーケストラ、合唱、ブラスバンド、創作ダンスなど様々なジャンルの楽器ともセッションを行う。
現在までにCDを5枚リリース。箏の楽譜「六甲おろし」や歌集「山路壽子歌集」、自らの人生を振り返った初のエッセイ「みっぽりん通信総喝っ!編」も出版。
国内外にて演奏活動を行う傍ら、作曲・編曲だけでなく、源氏物語の語りや落語、舞台、ミュージカル、人形劇などの音楽も手がける。 現在、岡山大学非常勤講師。
山路みほ公式ホームページ
http://yamajimiho.com/
ご案内
中野隆氏の尺八は、どんどん進化しています。演奏活動がスキルを高める一番の練習だと言われますが、近年、この1年間にこなす演奏会の回数が増しています。そして、練習も充実しています。小さなコンサートのチャンスにも、いとわず参加される姿勢は見上げたものです。「山路みほ氏」というプロの箏曲演奏家を招聘してのコンサートには、何とも言えない絶妙な音楽の精霊が宿ることを感じさせます。中野氏の尺八一本では成し遂げられない音楽の高みに、軽々と持ち上げてしまう凄さがあります。県内で活躍する尺八奏者が到達しえなかった世界に足を踏み入れているように感じます。そんな中で独奏曲への影響も大いにあり、音楽作りのスタイルが熟成しているのが見られます。中野氏の現在は「尺八の音作り」ではないかと感じています。それは鍛錬に次ぐ鍛錬が要求されるのです。既に気力、表現意欲は万全です。一音に込められた「音像」という豊かなフォルムを追求する永遠のテーマに立ち向かう愚直な姿が、中野氏の魅力なのです。どうぞ、お楽しみください。