光長真理恵ソプラノ・コンサート
Piano 面谷真理子
2012年5月15日(火)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円
過去の演奏のご紹介
ソプラノ 光長真理恵 (第29回アザレアのまち音楽祭2011コンサートより)
♪ 乙女の願い(ショパン作曲) (wmaファイル 892KB 1分51秒)
第一部
@ アザレアの歌(山下清三作詞/山本喜三作曲)
情緒とロマンあふれる、アザレアのまち音楽祭賛歌。
A 三日月(はらみちを作詞/よねやまみちお作曲)
B 流しびな(はらみちを作詞/よねやまみちお作曲)
C 六月の雨(はらみちを作詞/よねやまみちお作曲)
母や子、自然をテーマにした暖かな絵や詩の制作を得意とするはらみちをの詩に、島根を代表する作曲家・よねやまみちおの曲を載せた作品より3曲。
D あなたとわたし(堀内幸枝作詞/中田喜直作曲)
E 霧と話した(鎌田忠良作詞/中田喜直作曲)
ちいさい秋みつけた』や『めだかの学校』『夏の思い出』など、今日も小中学校の音楽の時間で歌い継がれている数々の楽曲を作曲した、日本における20世紀を代表する作曲家の一人である中田喜直の作品より。少し屈折した恋の気持ちを歌った「あなたとわたし」、儚く終わった恋を歌う「霧と話した」と、どちらも恋を歌っている。
F 春の紙風船(宮田滋子作詞/磯部俶作曲)
第二部
@ オブリヴィオン(忘却)(A.ピアソラ作曲)
1984年の映画『エンリコ4世』の映画音楽としてアストル・ピアソラの作編曲で創られた曲。そのメロディーの美しさから、ジャンルを問わず多くの演奏家に愛されている。
A 忘れる木(A.ヒナステラ作曲)
アルゼンチンの作曲家アルベルト・ヒナステラによる歌曲。甘く美しい旋律の中に哀愁が漂う。
B 私のお気に入り(R.ロジャース作曲)
ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の中の有名な一曲。
C シェルブールの雨傘(M.ルグラン作曲)
1964年のフランス映画「シェルブールの雨傘」の主題歌。映画の内容をなぞるように、時代によって引き裂かれようとする愛を嘆いている。
D 忘れな草(D.クルティス作曲)
恋人が去って行ってしまったことを嘆き、そして「私のことを忘れないで」と甘美な旋律で歌い上げる。
E ベッラ ノッテ(美しい夜)(S.バーク作曲)
ディズニー映画『わんわん物語』より。メロウでドリーミーな曲調と、ロマンティックなその歌詞は多くの音楽家からも愛されている。
F 踊り明かそう(F.ロー作曲)
ミュージカル・映画『マイ・フェア・レディ』より。教授の教えにより上流階級の言葉づかいをマスターした花売り娘イライザが、喜びのあまり歌う曲。
プロフィール
光長真理恵
(みつなが まりえ) Soprano
同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業。声楽を森山俊雄、今城淳行、内藤千津子の各氏に師事。京都音楽家クラブ新人演奏会、同大学頌啓会コンサート、鳥取県の音楽家たちコンサートに出演。アザレアのまち音楽祭、境港シンフォニーガーデン等には毎年出演し、日本歌曲、フランス歌曲、シャンソン等、幅広いレパートリーで好評を得ている。中浜コーラス、思ひ出を歌う会、福生西ドレミファサークルを指導。女声合唱団・沙羅に所属。西部演奏家クラブ会員。
面谷真理子
(おもたに まりこ)Piano
神戸女学院大学音楽学部(ピアノ専攻)卒業。大阪フィルのメンバーとモーツァルト・ピアノ協奏曲を共演。その他数回のジョイント・リサイタル、高垣純作品発表リサイタル等にて演奏。ザルツブルグ国際アカデミーに参加。境港市に在住し、後進の指導に当たっている。ピアノの会「クレス」代表。
ご案内
ふた昔も前のこと、境港市のシンフォニーガーデンで、プロのシャンソン歌手を聴いたことがあります。鳥取県所縁の方でしたが、大変ショックを受けたものです。プロと自認するだけの技術的なスキルは高いのですが、演奏される音楽がまるで空っぽで歌(訴え)が何もないのです。いくらプロだと言ったって、聴衆に媚びる姿勢だけでは聴いていられないものでした。
そんな体験をした後、境港の敬愛する友人「角本望氏」から電話があり、「素晴らしいシャンソンが聴けるからお出でよ」との誘いに「海とくらしの史料館」に出かけました。そこで初めて「光長真理恵氏」の歌声に出会ったのです。その時の新鮮な衝撃は、今も鮮明に残像しています。そこには音楽の静謐な佇まいがあり、シャンソンに人生の真摯さがにじみ出ていたのです。つまり、シャンソンと言う音楽に潜むドラマツルギーを理解し、再構築して歌唱するからこその凄さが、光長真理恵氏にはあったのです。プロが歌ったシャンソンには、会話する相手の姿が見えないのです。それはドラマの本質的な条件が分からないせいなのです。音楽の世界ではポピュラーでもなんでも同じことですが、オペラの世界では当然の表現法であります。光長さんの歌唱には、駆け出しの歌手では到底表現できない音楽の裏側がしっかり存在しているのです。歌は、言葉の意味を飾るだけのものではないのです。言葉を越えて、言葉では伝えられない何かを、聴衆の心に直接送り届けるものなのです。そんな光長真理恵氏の歌を、どうぞお楽しみください。