倉吉 アザレアのまち音楽祭
ミニ・リサイタル・リレーコンサート
@ 11:00 重道博世・秋山ちひろピアノ・ジョイント・リサイタル
A 13:00 横山祥子フルート・リサイタル
B 15:00 小倉知子ソプラノ・リサイタル

2011年6月5日(日)11:00〜 倉吉交流プラザ 各コンサート700円


【1】11:00〜 重道博世・秋山ちひろピアノ・ジョイント・リサイタル
第一部 秋山ちひろ
@鏡より 道化師の朝の歌(ラヴェル作曲)
 組曲『鏡』(仏:Miroirs)はモーリス・ラヴェルが1905年、30歳のときに作曲した、5曲からなるピアノのための組曲。全曲で約30分である。各曲が単独で演奏されることもしばしば行われており、とりわけ「道化師の朝の歌」は演奏の機会が多い。

Aバラード 第2番 ロ短調(リスト作曲)
 リストはピアノ独奏のバラードを2曲書いているが、特に何かの物語について音楽にしたと言うわけではなく、詩的で劇的な叙情を盛り込んだ作品としている。リ ストの2曲のバラードの内、圧倒的に演奏される機会の多いこの第2番は、ロ短調ソナタが完成された1853年に書かれた充実した作品。
 曲は、大きく息の長い男性的な旋律と優美で可憐な女性的な旋律が対照的に現れ、半音階やオクターヴなどの様々な技巧に混じって、幻想的で激しく劇的に広がっていく。

第二部 重道博世
@ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35(ショパン作曲)
 フレデリック・ショパンのピアノソナタ第2番(変ロ短調 作品35)は、第3楽章に有名な葬送行進曲が用いられていることから「葬送」または「葬送行進曲つき」の副題でよく知られるピアノソナタである。
 全体に悲劇的かつ陰鬱で、葬送行進曲が用いられている(もちろん誰にも献呈されていない)ことなどから、当時のポーランドの 悲劇的状況を反映したものではないかとも言われるが、ショパンの真意は定かでない。このあとのソナタ作品は完全なピアノ独奏でなく室内楽を志向した構造に なっているので、事実上ピアニズムの精華といえるのは本作だけである。葬送行進曲を中心として構成された最高傑作という点に人間ショパンの一面が象徴され ている。


【2】13:00〜 横山祥子フルート・リサイタル Piano 稲毛麻紀
第一部
@ パルティータハ短調BWV997(J.S.バッハ作曲)

A戯れ(ソナチネ)(イベール作曲)
 ジャック・フランソワ・アントワーヌ・イベール(1890年8月15日 - 1962年2月5日)は、パリ生まれのフランスの作曲家。しばしばその作風は、軽妙、洒脱、新鮮、洗練などと言った言葉で評される。

第二部
@ジュ・トゥ・ヴ(サティ作曲/安田 芙充央編曲)
 『ジュ・トゥ・ヴー』(Je te veux)は、エリック・サティが1900年に作曲したシャンソン。歌詞はアンリ・パコーリによる。歌曲集『ワルツと喫茶店の音楽』のうちの1曲とされている。サティ自身によるピアノ独奏版もある。題名は日本語では『お前が欲しい』『あなたが大好き』など様々に訳されるが、原題のまま『ジュ・トゥ・ヴー』と呼ばれることも多い。“スロー・ワルツの女王”と呼ばれた人気シャンソン歌手ポーレット・ダルディのために書かれた。

Aシシリエンヌ(フォーレ作曲)
 『シシリエンヌ(シチリアーノ)』は、フォーレによる1898年作曲の室内楽曲。後に戯曲『ペレアスとメリザンド』の第5曲として転用された。

Bソナチネ (デュティーユ作曲)
 1942年(一説には1943年)に、デュティユーが当時フランス国立放送合唱団の指揮者に就任し、また作曲家としてまだデビューし始めた頃に作曲された小品で、母校のパリ音楽院の課題曲として作曲されたものである。
 全体は無調を基調としているが、柔軟なテンポを始めとする旋法(モード)の使用や、独特のリズムが散見されており、情感豊かに作られている。フルートの音域を多く活用したカデンツァも存在する。


【3】15:00〜 小倉知子ソプラノ・リサイタル Piano 富士原広美
第一部
 歌曲集『リーダークライスO.p.39』より(シューマン作曲)
 リーダークライス(Liederkreis)作品39は、ドイツの作曲家ロベルト・シューマンが1840年に作曲した歌曲集。ドイツ・ロマン派の詩人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による全12曲からなる。
1異郷にて
 嬰ヘ短調 4分の4拍子
ハープを模したようなアルペッジョがピアノ伴奏の全曲に貫かれ、その上に故郷を離れ、異郷をさすらう者の心情が歌われる。このリーダークライスの第1曲は当初別の曲が置かれていたが、シューマンがこれと置き換えた。
2森の語らい
ホ長調 4分の3拍子
この曲はドイツに古くから伝わるローレライ伝説を下敷きにしている。夜、深い森で魔女ローレライに出会ったものは、その森から二度と出られないのである。
曲は狩人の若者と魔女ローレライとの対話の形式で書かれ、若者は狩の角笛(Waldhorn)であらわされ、ローレライはなまめかしい分散和音で示される。
3黄昏
4森で
5春の夜

『ソプラノのための4つの歌曲集』より(トランク作曲)
 不明
1そりすべり
2約束
3メヌエット
4花嫁探し

第二部
(ア) カンタータ「私の心は血の海を漂う」BWV199. より(バッハ作曲)
 「わが心は血の海に漂う」と言うのは、何とも凄まじい標題です。これ は、罪の重荷に押しひしがれるを表しているわけで、非常に深刻な嘆きのレシ タティーヴォから始まります。
 曲はソプラノの独唱で、シタティーヴォとアリ アの組み合わせが5回繰り返される形(ただし1回はアリアではなく独唱コラール)をとっています。
  Nr.7 私はこの傷に身を横たえる
  Nr.8 私の魂はなんと喜ばしいことか

(イ) オペレッタ『こうもり』より(シュトラウスU作曲)
 『こうもり序曲』は、1874年に初演された全三幕のオペレッタ(喜歌劇)「こうもり」で用いられる序曲。作曲はヨハン・シュトラウス2世。
 タイトルの「こうもり」とは、オペレッタに登場するフォルケ博士に付けられた不名誉なあだ名のこと。ある仮面舞踏会にこうもりの仮装で出かけたフォルケ博士は、さんざん飲んで酔いつぶれ、帰り道の広場で寝込んでしまった。翌日明るくなって、こうもりの仮装のまま寝込んでいるフォルケ博士の周りにはたくさんの人だかり。近所の子供達がつけたあだ名が「こうもり博士」というわけだ。
  1、アデーレのクプレ 侯爵様、あなたのようなお方ならば

(ウ) オペレッタ『メリー・ウィドウ』より(レハール作曲)
 『メリー・ウィドウ』(原題(ドイツ語):Die lustige Witwe, 英語:The Merry Widow)は、レハールが作曲した3幕からなるオペレッタ。日本ではもっぱら英語の題名で呼ばれるが、「メリー・ウィドウ」は日本語に訳すと「陽気な未亡人」という意味である。
  1、ハンナのアリア「ヴィリャの歌」

(エ) オラトリオ『天地創造』より(ハイドン作曲)
 『天地創造』(てんちそうぞう、Die Schopfung )Hob.XXI-2は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲したオラトリオ。『四季』とともにハイドンの最も有名なオラトリオのひとつである。全体は3つの部分に分けられ、第1部で天地創造の第1日から第4日までが、第2部では第5日、第6日が語られ、第3部では第2部で創造された人間の男女、アダムとエヴァの姿が語られる。第2部の第5日 第14曲と15曲を演奏する。
  1、ガブリエルのレチタティフとアリア
  Nr.14 また神はのたもうた
  Nr.15 力強い翼で



プロフィール

秋山ちひろ

(あきやまちひろ)Piano
 倉吉東高等学校卒業。現在、愛知県立芸術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻3年在学中。2000年カウベルピアノコンクール小学生部門最優秀賞。2003年2004年D級、2005年E級ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会入選。2008年(高校生の部)2010年(大学生の部)日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。これまでに三好芳子氏(ソルフェージュ)、尾坂俊恵氏、西川秀人氏に師事。

重道 博世

(しげみち ひろよ)Piano
 倉吉西高等学校、武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。第16回カウベルピアノコンクール優秀賞。第28回ピティナ・ピアノコンペティションデュオ中級本選優良賞。第26回アジア国際音楽オーディション銅賞。これまでにピアノを尾坂俊恵、西川秀人、A.v.アルニム、J.ダムガード、丸山淑子の各氏に、また伴奏法を子安ゆかり氏に師事。現在武蔵野音楽大学大学院修士課程器楽学科ピアノ専攻2年次。

横山祥子

(よこやま しょうこ)Flute
 鳥取県立倉吉東高等学校を経て、国立音楽大学音楽学部器楽学科フルート専攻卒業。フルートを小谷幸久、故高橋安治、大友太郎の各氏に師事。

稲毛麻紀

(いなげ まき)Piano
 武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業後、お茶の水女子大大学院ピアノ演奏学講座修了。ピアノを新田恵理子、堺康馬、A.ウェーバージンケの各氏に師事。
 これまでアザレアのまち音楽祭のサロンコンサートやオープニング・コンサートのピアノ・コンチェルト等に出演。現在、合唱団のピアニスト、移動わらべ館童謡唱歌推進員、鳥取短期大学非常勤講師を務める。鳥取オペラ協会ピアニスト。

小倉知子

(おぐら ともこ)Soprano
 鳥取市出身。鳥取大学大学院地域学研究科地域創造専攻地域文化分野(声楽研究室)修士課程を修了。西岡千秋氏の元で研鑽を積む。大学院在学中より、様々な演奏会への出演の他、オペラでは、「リゴレット」(抜粋)の小姓役、「ヘンゼルとグレーテル」(抜粋)のグレーテル役、また「フィガロの結婚」(全幕)のバルバリーナ役は2度の出演を果たす。その他に、楽器奏者との共演や、コンテンポラリーダンスとのコラボレーション作品の創作など、積極的に活動を行っている。2010年、2011年にドイツへ短期留学し、声楽、リート解釈、教会音楽のレッスンを受講。最近は特に、カンタータやオラトリオ、ドイツリートなどの演奏研究に力を入れている。第16回KOBE国際音楽コンクール本選出場。声楽を生原幸枝、西岡千秋の各氏に師事。鳥取オペラ協会会員。日本音楽芸術マネジメント学会正会員。

富士原広美

(ふじはら ひろみ) Piano
 武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業。ピアノを故・木村正子、故・青山三郎、重松聡、熊井千恵美、西川妙子の各氏に師事。2010年、マティアス・グレフシェスターク氏のリート・室内楽マスタークラスを受講。現在、各種伴奏ソロ活動するかたわら後進の指導にあたる。鳥取市少年少女合唱団専属ピアニスト。カノンの会、鳥取シンセオーケストラ会員。


ご案内

 ミニ・リサイタル・リレーは、今年が三年目です。このシリーズには、アザレアのまち音楽祭にご出演いただいていなかった方に、気安く出ていただけるように設定したものです。そして、ピアノは学生さんを、器楽と声楽は新人の発掘用の企画として考えています。
 今年度のピアノは、重道博世さんと秋山ちひろさんです。お二人とも、かつてカウベル・ピアノ・コンクールで賞を取ってきた方々であり、現在音大に在学中の学生さんです。
 フルートの横山祥子さんは、国立の音大でフルートを専攻した本格的なフルーティストですが、つい最近まで倉吉在住の音楽家としての認識がありませんでした。ところが倉吉市役所に勤務され、市民参画課の職員としてアザレアのまち音楽祭にかかわっていただき、初めて私の知るところとなったのです。そしてさっそく、倉吉市勤労青少年ホームで開催している「リフレ・ミニコンサート」に出演していただき、その力量の高さを目の当たりにし、今回のミニ・リサイタルへの出演をお願いしたわけです。
 ソプラノの小倉さんは、三朝町出身で鳥取大学に在学中の学生さんです。鳥取オペラ協会の公演にもコーラスとして参加しておられましたが、一昨年の「フィガロの結婚」公演で、いきなり「バルバリーナ役」挑戦し、引き続き昨年度も鳥取公演に参加するなど、目覚ましい活躍ぶりです。そして、リフレ・ミニコンサートでは、その表情豊かな歌いっぷりにすっかの心を奪われたわけです。今年の夏には留学が予定されているようで、大きく成長する前のダイビングボード・リサイタルの様相を呈しています。どうぞ、応援方よろしくお願いいたします。