【アザレア弦楽四重奏団コンサート】
1st.Vn伊藤明、2nd.Vn野々内夏子、Va井川晶子、Vc原田友一郎
2010年6月5日(土)19:30 倉吉博物館 700円
第1部:
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番ト長調作品18ー2、
第1楽章
Allegro
第2楽章
Adagio cantabile - Allegro
第3楽章
Scherzo. Allegro
第4楽章
Allegro molto quasi presto
このト長調の弦楽四重奏曲は、「挨拶」というあだ名で呼ばれることがある(独:Komplimentierungsquartett)。これは、第1楽章の冒頭の第1主題が挨拶をするような感じであるからと言われている。作品18の6曲のうち最も優雅で、均整の取れた曲である。
第2部:
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」
第1楽章
Allegro ma non troppo
第2楽章
Lento
第3楽章
Molto vivace
第4楽章
Vivace ma non troppo
『アメリカ』は、1893年に作曲された弦楽四重奏曲。ドヴォルザークがアメリカ滞在中に作曲した作品で、彼の室内楽作品中最も親しまれている作品である。
プロフィール
アザレア弦楽四重奏団
1988年結成。松江を中心に各地でのコンサート・イベント・ウェディングなど通算約700ステージの演奏活動を展開する、山陰随一の弦楽四重奏団。1991年からアザレアのまち音楽祭に出演(20回目)。1991年全国育樹祭で皇太子殿下ご臨席のもとで演奏して称賛を博す。1995年ねんりんピック開会式出演。2002年日英グリーン同盟植樹式で記念演奏。2005年島根県立美術館「名曲で飾るロビーコンサート」出演。クラシックから映画音楽・ポップス全般、歌謡曲や日本のメロディまで幅広いレパートリーを縦横に組み合わせた楽しい選曲、そして4人という自由気軽なアンサンブルのスタイルがリスナーから支持されている。
ディレクターのコンサート案内
音楽祭の名称を冠にしている「アザレア弦楽四重奏団」は、これまで様々なメンバー変更を繰り返しながら今日に至っています。一貫してファースト・ヴァイオリンを担当しているのが、伊藤明さんです。伊藤さんの力量は素晴らしく、テクニックも音楽性もはるかに群を抜いていると評されています。この組織の最大の売りは、レパートリーの広さと量です。お客様のどんな注文にも対応できるマネジメントが可能なのです。
ところで近年、アザレアのまち音楽祭では、かつてのような高い評価が得られなくなっています。その要因は、ずばりアンサンブルメンバーの不慣れです。一昨年は、以前と比べて何か違うとの「声なき声」(アンケートには書かない感想が寄せられる)が聞こえていました。そして、昨年は新メンバーになって二年目、かなりアンサンブルが整ってきたなという感じでした。さて、今回はどれだけ充実したアンサンブルが帰ってくるか楽しみです。特に二部で演奏される「アメリカ」は、聴きなれたメロディーの宝庫であり、トップ・ヴァイオリンとチェロの力量が、即評価に反応する難しさを持っています。伊藤さんの艶やかでしなりを持ったヴァイオリンに、チェロがどう対峙して見せるかが楽しみです。倉吉博物館玄関ホールという硬い反射音をもった空間に、かつての悦楽のハーモニーを響かせるには、気負わないで、少し弛めた弓の感触で、ハーモニーを楽しむように演奏されることを期待しています。聴衆の期待レベルが、最も高いアザレア弦楽四重奏団だからこその注文かも知れません。