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プレゼンター:社会福祉法人みのり福祉会

前野佑実クラリネット・コンサート

ピアノ/桝田美和 ゲスト/ヴィオラ・生原幸太

2009年5月29日(金)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円

プログラム                                             

第一部

@ワルツ op.39(ブラームス作曲)
Aダンスプレリュード(ルトスワフスキ作曲)
B夢(ドビュッシー作曲)
Cヴェニスの謝肉祭(ジャンペリ作曲)

第二部

@クラリネット三重奏曲K..498「ケーゲルシュタット」(モーツアルト作曲)

 ゲスト/生原幸太

ソリスト・プロフィール                                       

前野佑実(まえの ゆみ)Cl

同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生修了。
鳥取県高等学校総合文化祭ソロの部優秀賞、第8回KOBE国際学生音楽コンクール管楽器部門奨励賞受賞。第4回よんよんコンサート、第16回京都芸術際デビューコンサート等に出演。2005年、ケッヘル音楽院夏期講習会に参加、オーストリア・クレムス市の東西音楽祭に出演。2006年、プラハサマーアカデミーに参加しプラハ芸術音楽大学にてディプロマを取得、ファイナルコンサートに出演。これまでにクラリネットを杉山清香、武田忠義、村瀬二郎、山川すみ男の各氏に師事。ミシェル・アリニョン、ハラルド・ハーズリンガー、ステファン・コートニック(クラリネット)、リヒャルト・フランク、ミヒャエル・ヴェルバ(室内楽)各氏のレッスンを受講。Ensemble  pocoメンバー。リスト協会スイス日本、京都音楽家クラブ各会員。  

桝田美和(ますだ みわ)Piano

同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生修了。
橋本純子、S.Protichの両氏に師事。

生原幸太(いくはら こうた)Vio

北栄町出身。倉吉東高校卒業。5歳よりヴァイオリンを始め、19歳でヴィオラに転向する。 2005年愛知県立芸術大学音楽学部器楽ヴィオラ専攻を卒業。
これまでにヴィオラを須藤三千代、百武由紀の各氏に師事。
現在はフリーのヴィオラ奏者として、演奏活動に加えて後進の育成にも力を入れている。
「シュトラーレン」メンバー。

ご案内                                               

 昨年に引き続いての登場です。昨年は、初めてのソロ・コンサートであり、傍目にも緊張した様子が見て取れ、ガンバレと声援を送ったものです。

クラリネットという楽器は、一見易しく見えますが、本来は中々音楽になりにくい楽器でもあります。中学生たちが、初めてクラリネットに触れて、一週間もすると簡単な曲は直ぐに吹けるようになってしまいます。しかし、楽器でメロディーが吹けることと、音楽を作り出すことは別の次元の問題であり、中々厄介なものです。ピアノであれば、出した音のピッチが悪かったり、和音がにごったりするのは、奏者の責任ではなく、楽器を調整する調律師の責任です。しかし、作音楽器であるクラリネットは、そのすべてが奏者の力量として判断されてしまう怖さがあります。「音は金成り」といった時代もありましたが、やはり、音に対するイメージの豊かさが決定的な資質になるのが吹奏楽器であり、クラリネットがその最たるものなのです。

 メロディーの始まりは意志を伝達する言葉として生まれたと言われますが、具体的な言葉を持たない器楽曲のメロディーにも、実は言葉が宿っているのです。それをいかに楽器に伝えていくかがアーティキュレーションと呼ばれるものであり、演奏の善し悪しは、ほとんどそれが決定的となります。しかし、口腔内で言葉を話す形を作り上げるアーティキュレーションは、バロック・リコーダーで一旦終息し、より大きな音を目指したクラリネットでは簡単なタンギング(舌使い)と、スラー奏法で音楽を作らねばなりません。しかし、ジャック・ランスローのような、大雑把に見えて細かな表現技術を駆使した演奏を聴かされると、クラリネットの可能性が飛躍的に感じられます。

 前野さんのクラリネットは発展途上であり、今後、コンサート活動という修羅場を潜り抜けることによって「タミーノ」(オペラ「魔笛」の主人公)が得た栄光を手にすることができるのです。

 今回のコンサートでは、第2部にビオラの生原幸太氏をゲストに向かえ、モーツァルトのクラリネット三重奏曲を演奏してくれます。アンサンブル上手の生原氏が加わる事で、コンサートの楽しみは倍加することでしょう。どうぞ皆様のご声援をお願いします。