2007年6月12日(火) プレゼンター:三朝町総合文化ホール
山城裕子ピアノ・コンサート
会場:三朝町総合文化ホール
午後7:30 700円
【プログラム】
第一部
@ノクターンより抜粋(ショパン作曲)
A革命のエチュード Op.10-12 (ショパン作曲)
B英雄ポロネーズ Op.53 (ショパン作曲)
第二部
C展覧会の絵 全曲(ムソルグスキー作曲)
BILDER EINER AUSSTELLUNG (MOUSSORGSKY)
プロムナード……T.こびと
プロムナード……U.古城
プロムナード……V.テュイルリー
W.ビドロ
プロムナード……X.殻をつけたひな鳥のバレエ
Y.サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ
Z.リモージュの市場
[.カタコンブ
\.バーバ・ヤガの小屋
].キエフの大門
【プロフィール】
山城裕子
米子市出身。武蔵野音楽大学卒業。細田紀美子、八十嶋洋子、宮崎幸夫、ヤーノシュ・ツェグレディーの各氏に師事。1999年渡独、エヴァ・アンダー(ベルリン・ハンスアイスラー国立音大)、ローベルト・シュロット(ベルリン芸術大学)、浮ヶ谷孝夫(フランクフルト国立管弦楽団常任指揮者)の各氏に師事。2002年国際音楽コンクール(パリ)第3位、2003年マリーシェラン国際ピアノコンクール(コートダジュール)プロフェッショナル・ヴィルトウゾ部門第1位。2004年帰国し、東京・米子で帰国記念リサイタルを開催。2005年、フランクフルト国立管弦楽団の日本公演ツアー米子公演でショパンのピアノ協奏曲を共演。現在、鳥取大学非常勤講師。
【ご案内】
山城裕子さんほど、鳥取県のピアニストとしてセンセーショナルにデビューした人はいないでしょう。数少ない外来オーケストラの、日本ツアーのピアニストとして米子市で開催された「フランクフルト国立管弦楽団」のソリストとしての登場は、社会現象にまで発展し、あの2000人収容のビッグシップを満席にしたのは記憶に新しいものです。その年、アザレアのまち音楽祭に初登場し、その片鱗を見せていただきました。山城氏は、活動の拠点を米子市に置きながらも、毎年ドイツでの公演もローテーション化し、様々なアンサンブルにも参加したりしています。今年の二月には、バイロイトのワーグナー歌手「カールステン・メーヴェス氏」とのアンサンブルに取り組み、シューベルトの「冬の旅」を、斬新な解釈とバリトンとの絶妙なやり取りの魅力を見せ、新たな可能性を示してくれました。
今回のコンサートのメインは、あの有名なムソルグスキー作曲「展覧会の絵」全曲の演奏です。この曲は、昨年の10月開催されたリサイタルでも演奏されましたが、その場に居合わせた私には、とても新鮮でさわやかな水彩画の淡い色調を感じたものです。その時ふと、かつて聴いた中村紘子氏演奏の同曲が脳裏をかすめたのを感じました。とてもよく似た解釈でありながら、中村紘子氏の脂ぎったディテールがすっかり淡白になり、オーケストラ版の影響がすっきりと消されていたのです。これは、山城裕子氏の新しい挑戦かも知れないと期待しています。
この「展覧会の絵」のオーケストラ版には「ラベル編」をはじめ、フンテク編、ストコフスキー編、カイエ編など沢山ありますが、近年ではアシュケナージ編まで登場しています。オリジナルと呼ばれ現代にまで残っている楽譜には、1931年にウィーンで出された原点版と1975年に自筆譜からコピーされたものが、全音からも出版されたりしています。その流れの中で、1984年に「ウィーン原典版」が出され、今日演奏されるスタンダートになっているようです。
今回のコンサートの前半にはショパンの名曲「革命のエチュード」「英雄ポロネーズ」などが予定されています。望みうる最高に贅沢なピアノ・コンサートを、お楽しみ下さい。