プレゼンター:野口内科医院
2006年5月19日(金)
会場:倉吉信用金庫ホール
午後7:30 700円
ピアノ/森康子
プログラム
第一部
@私は心に感じる/スカルラッティ作曲
Aたとえつれなくとも/カルダーら作曲
Bああ私の心であるひとよ/ヘンデル作曲
C音楽に寄せて/シューベルト作曲
D冬の旅より「鴉」/シューベルト作曲
E白鳥の歌より「すみか」/シューベルト作曲
F歌劇「タンホイザー」より「夕星の歌」/ワグナー作曲
第二部
G三好達治の詩による三つの歌/香月修作曲
1.甃のうへ 2.乳母車 3.パン
Hうたうだけ/谷川俊太郎作詞・武満徹作曲
I○と△の歌/武満徹作詞・作曲
J昨日のしみ/谷川俊太郎作詞・武満 徹作曲
K死んだ男の残したものは/谷川俊太郎作詞・武満徹作曲
L小さな空/武満 徹作詞・作曲
【プロフィール】
西岡千秋(にしおか ちあき)
武蔵野音楽大学声楽科卒業。同大学院声楽専攻修了。市田キヨ子、疋田生次郎の各氏に師事。数々のオペラ出演の他、リサイタルをはじめとする演奏活動を行っている。また、県内に於いては第九公演のソリストを務めたり、アザレアのまち音楽祭、鳥取県の音楽家たちコンサートなど常連演奏家として活躍。県内公演のオペラでは、これまで「電話」「コシ・ファン・トゥッテ」「フィガロの結婚」「魔笛」「ポラーノの広場」「ドン・ジョヴァンニ」「アマールと夜の訪問者」等に出演。
鳥取オペラ協会公演すべてのプロデューサーとして活躍し、国文祭公演成功の礎を築いた。現在、鳥取大学地域学部付属芸術文化センター助教授。こーらす萌の会、ブレヴィス・レディース・アンサンブル、合唱団しかの等の指揮者を務める。鳥取オペラ協会副会長・演奏部長。
【ご紹介】
西岡千秋氏は、鳥取大学の先生です。私たちオペラ仲間は「千秋さん」と親しみを持って呼ばせていただいていますが、鳥取県の楽壇の歴史に燦然と輝く偉大な実績を残してこられました。なんといっても皆さんに知っていただきたいのは、鳥取オペラの全ての公演をプロデュースしていただいた能力の高さと、率先垂範して具体的に様々な可能性を見せ、同人を導き実践躬行された志の尊さです。日本で最も小さな県で、広島市の人口よりも少ない県民の鳥取県の地で、オペラの華を咲かせられたことは、私たちの誇りであり畏敬の念を持って皆様に紹介せねばなりません。近頃ブームになっている「のだめカンタービレ」(音楽大学を舞台とするマンガ単行本)の主人公、指揮者の「千秋」と同名であり、なんとも嬉しく「千秋さん」と親愛の情をますます感じています。
バリトン西岡氏の魅力は、凛とした歌唱のスタイルを持っていることです。言葉の明瞭さ、そして言葉の持つイメージを明確に表現する能力が十全に身についていることです。ですから、日本歌曲でも、オペラでも安心して聴いていられます。ついうっかり言葉を聴き逃しても、メロディーの表情が全てを感じさせてくれるのです。これは中々体験できないヴェリズモ(言葉のひとつひとつに意味を持たせる強い表現のこと)のスタイルであり、県内で唯一表現できる人でないかと感じています。当たり前のように表現することの難しさは、音楽を一度でも志した人なら体験済みだと思います。そんな意味で、西岡千秋氏の歌唱は本当の意味でのプロなのです。
今年のコンサートでは、武満徹(世界的な作曲家)の歌曲を演奏していただく事になっています。どうぞお楽しみください。