【ディレクターの回答】
　質の高い商品はおのずと売れるものだと言われますが、その良さを消費者に如何に知らせるかが鍵だと言われます。コンサートと言うマネジメントも同様だと、今回のコンサートで思い知らされました。吉田氏のドイツリートの素晴らしさは、贔屓目に見なくともアザレアのまち音楽祭の中でも最右翼に位置する素晴らしいものです。その素晴らしさをどのように啓発するかが音楽祭を実施する私たちの責務だと思います。いかにクラシカル音楽はマイナーだと言っても、人間の生き様を真摯に訴える芸術の存在がないがしろにされて良いはずはありません。…などと言っても、結局多くの聴衆に聴いていただけなければ、何にもなりません。世の中には数限りない名著が存在しますが、興味を持って読まれなければ、個人にも社会にも影響を与えることは出来ません。しかし、聴いていただけたからと言って、芸術の訴えが届くとは限りません。音楽の「池上彰氏」が必要な時かもしれません。易しく、分かりやすいドイツリートの世界を何とか提示したいものだと考えています。2018.12.9(日)には、アザレアのまち音楽祭のリサイタルシリーズ�Pで、吉田氏の定番であるシューベルトの｢冬の旅｣全曲を演奏して頂くことになっています。様々な仕掛けを工夫しています。皆様に想い出に浸っていただき、悔悟の念を思い起こして涙し、青春の蹉跌に号泣され、やがて静謐な音楽の流れに身を任せる癒しの風を楽しまれることでしょう。クラシカル音楽の、最も深いところにご案内する「冬の旅」へお出かけください。

【ディレクターの回答】
　病み上がりと思えない元気な演奏だったようです。体力的に、まだ不安が残るものの、椅子に座っての演奏は良い判断だったと思います。演奏する姿勢が安定し、音楽に力がみなぎっていました。素晴らしい、との一言です。今回のコンサートは、おしゃべりの時間が長く、退屈されるのではないかと心配していましたが、病との付き合いと克服に至る過程が、面白おかしく、時には感涙を誘い、心の襞を震わすものがあり、その雄弁さに驚いたりしました。クラリネットのオリジナル曲は、近現代の作品でも沢山あります。あまりポピュラーな曲に頼らず、クラシカル音楽の素晴らしさを聴かせて欲しいものです。曲の持っている素晴らしさを越えて、演奏される音楽の凄さを聴きたいものです。

【ディレクターの回答】
　マチネー(昼間公演)が喜ばれるのは重々知っておりますが、ウィークデイのマチネーは、聴衆を限定しすぎると言う事でやっていませんが、今後何らかの工夫を凝らした催し物を検討したいと思います。700円と言う料金設定が、きつくなっているのは否めませんが、何とか維持したいものだと思います。音楽祭の運営は、皆様からの浄財によって支えられていますので、ご支援の程お願いするものです。

【ディレクターの回答】
　歌の巧さは、歌手の表情を見れば一発で分かります。豊かな表情は豊かな音楽を紡ぎだしますが、秋山さんの演奏は、まさに豊かな表情を見せていました。超一流どころのピアニストは、ほとんど顔を見ただけでどんな音楽を演奏しているのかが判明するほどです。山陰でも、一流どころのピアニストは皆さん豊かな表情を持っています。そんな中で、若いピアニストが表情豊かで、そのまま音楽に反映している演奏を見せるのは、近年稀に見るものだと感心しました。聴衆を魅了する要素の一つだとしみじみ思いました。

【ディレクターの回答】
　ブレーメンの活動は、県内におけるシティーバンドの最右翼に位置していると思います。アマチュアバンドの真骨頂は、演奏者自身が喜びを持って演奏し、その姿の真摯さを聴衆が聴きとって感動すると言うものです。まさにブレーメンの演奏は、聴衆も演奏者も共に喜びを分かち合うものだと感じます。聴衆は、一生懸命演奏する姿を見て、そして音楽を楽しみながら演奏する姿に心動かされるのです。
　吹奏楽の標準的な編成には極端にクラリネットが少なく、どちらかと言えばジャズバンドの大型化したもののように感じますが、そのいびつの編成を上手くまとめ上げる指導者の力量に感服しています。ポップスを中心とした曲目選定もピタリと決まっており、市民が楽しめる豊かな音楽性を示していました。

【ディレクターの回答】
　ますます磨きのかかった演奏で、聴衆を魅了したようです。12月にはオペラ「ヘンゼルとグレーテル」の公演が待っています。皆様方の応援をお願い致します。

【ディレクターの回答】
　現代の作曲家の作品を聴くと言うのは、地方ではそうそうチャンスがあるものではありません。そんな中で、毎年のように私たちと同じ時代を生きる作曲家の作品を聴かせていただけることの幸せを感謝しています。又、懇切丁寧な解説を入れながらの演奏は、音楽を喜びを持って聴く依り代となり、聴衆の心の襞にすんなり触れたのではないかと思います。小椋氏は、これまでモーツァルトのホルン協奏曲を、アザレア室内オーケストラで第1番、第2番、第3番、と手掛けていますが、来年は第4番をアザレア室内合奏団と共演する予定となっています。皆様からのご支援をお願い致します。

【ディレクターの回答】
　今回のコンサートは、聴衆にとって大変なごちそうだったと思います。ピアソラの洒脱な音楽に始まり、ドビュッシー、ストラビンスキーとくれば、超絶技巧の華やかな御馳走です。それに輪をかけて二部では、これまで聴きついでいた「カルメン組曲」ではなく、全く新しく編曲し直された流麗なファンタジーの魅力は、何物にも代えがたい喜びをもたらしました。カルメンの、ドン・ホセの表情が髣髴とする演奏であり、「素晴らしい」の言葉しか思い当りませんでした。最後に演奏された「ローエングリン・ファンタジー」は、初めて聴きましたが、そのダイナミズムが心を躍らせました。聴衆が少なかったのが残念ですが、コンサートのライブＣＤが音楽祭で紹介されていますので、皆様に是非聴いてほしいものです。