アンケート集計・ディレクター総括08

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アザレアのまち音楽祭2008総括

■ディレクター総括
赤字決済の認識をすべきです
 アザレアのまち音楽祭の新しい四半世紀に向けてのスタートとなりましたが、経営的には成功とはいえない状況です。当初より、プレゼンター数を30と設定しましたが、結果的には20件に止まりまず50万円のマイナスがあります。協賛金に付いても150口と設定していましたが、126口に止まり、12万円のマイナスになりました。
 チケット販売は予定額を超えましたが、マイナス額を補填するに至っていません。この原因は、明らかな歳入不足を放置した事に責任があります。
 NPO法人アザレア文化フォーラムとしての最終的な決算では問題ないと思いますが、独立した音楽祭としての会計を黒字化しなければ、音楽祭経理は崩壊すると肝に銘じるべきです。
入場者数
 入場者数の総計では、昨年を下回りましたが、大ホール公演の減少(オペラがサロンに移行したため)したことに起因するもので、通年のレベルは維持しています。昨年度も問題になりましたが、定量評価と定性評価とも、かなりのばらつきがあり、問題点の解決を早急に図る必要があります。
 音楽祭の受付業務など、コンサートの運営は昨年同様に大変好評でありました。今年度は、アザレアのまち音楽祭の接客の良さは当然のものとして定着した感がありました。
 しかし、「アザレアのまち音楽祭のミッションを達成するためのマーケティング論」を役員全員にお読み頂き、共通理解を得るはずでしたが、ほとんどの皆さんには、読破していただけていないようです。来年度に向けての取り組みは、まず、マーケティング論を学習する事から始めなければ、確固たる運営は出来ないものと思います。NPO法人化した意味は、組織が一般の会社と同等であり、その仕組みを熟知しなければ、経営は出来ない事を再認識していただきたい。
□入場者数
総入場者数 3,296人(パープルタウンでの2公演は除く)
【昨年度の総入場者数4205人(無料公演及びオペラ公演含)】
大ホール平均 579人【昨年度平均528人】
小ホール平均 190人【昨年度平均177人】
サロン平均   79人【昨年度平均76人】
ディレクターの考察
【T】大ホールの場合
 毎年、大ホールの想定観客動員数を600人に設定していますが、今年はよく健闘し、579人と、あと21名とどきませんでした。倉吉未来中心大ホールのキャパの事を考えれば、更に多くの観客動員を図るための取り組みが必要です。

【U】小ホールの場合
 未来中心小ホールと大栄農村環境改善センターをその範疇として統計を出しています。これも、わずかではありますが増加傾向にあります。大栄農村環境改善センターでの2回のコンサートは、北栄町の取り組みが安定してきたようですが、更なる攻めの姿勢で取り組まなければ素晴らしい結果を生み続けることは、困難になるでしょう。来年度が正念場となるでしょう。

【V】サロンの場合
三朝総合文化ホールで開催した「野津美和子ソプラノ・コンサート」については、大失敗であったと思います。まず、観客動員がまったく図られていないため、観客数が最低記録を更新してしまいました。準備不足ではなく、何も行動が成されなかったためです。来年度に向かって、三朝町内の運営組織を作ることが急務です。
今年のサロン・コンサートも、概ね良好な状況でした。今年も幾度か、補助席を出しましたが、大半のサロンは想定した定員を少しオーバーする程度に収まり、コンサートの雰囲気が壊れるような事はありませんでした。コンサートの内容を中心に考えれば、今年の観客数も、サロンとしては最適だったといえると思います。しかし、演奏会の質的レベルでのむらがあった事は事実であり、その辺りの問題点を再考すべきだと思います。今年も経済尺度が低い位置に固定されてしまい、理想の追求であるミッション尺度に偏った運営になってしまったことは否めない。

【W】総括
 今年も、ミッション尺度を縦軸とし、経済尺度を横軸とする音楽祭経営マトリクスで、今回の全てのコンサートをディレクター分析しました。
その結果、ミッション軸の「理想的ゾーン」に入るものが18公演ありました。ミッションに沿いながら、経済的にもハイレベルな成果を上げたコンサートが少なかったという事です。事業展開の花形と位置されたのは、新田恵理子、大西瑞香、西岡千秋、眞家利恵、平野弘子、山城裕子、辺見康孝の各氏のコンサートです。
 しかし、あとの大半のコンサートでは、ミッションの達成度は高いが、経済尺度では均衡が取れていないという結果が出ています。この問題の責任は、ディレクターのプラン監修に対する判断ミスです。どのようなミスであったかの分析は、実行委員会でじっくりと話し合いたいと思います。しかし、事業コストの管理という問題では、無料公演での経費の削減と、アマチュアイズムでの放漫経営を許してしまったこと、大ホール公演での集客努力の不足と言う事が一番大きな問題です。現状の維持と広がりを担保するためには、常に危機感を持たなければなりません。
 今年も成功した北栄町との協働は、来年度が一番しんぱいです。北栄町とボランティア参加された方々の実績が、今後どのように生かされるかが問われる事になります。
 「アザレアのまち音楽祭」のメイン劇場として、倉吉交流プラザ視聴覚ホールは、素晴らしい佇まいになってきました。それは、サロンとして上質な音楽空間に変貌させてきた事です。美しい響きを持った空間へと、更なる改善が必要かも知れません。最高のサロン・コンサート会場として成長させ続けたいものです。
 倉吉信用金庫ホールのもんだいは、ますます使いにくい状況になっているようです。もっと信金を使ってくれと言いながら、制限が加えられていくのが現状のようです。借用できる期間が限定される事と、いつ信金の都合で借用許諾をキャンセルされるか分らないという不確実さは、公のホールとしてはあるまじき事ですが、ホールとして自立していない信金の集会場であり、信金自体の利用が優先されることを第一義にしているためです。従って、倉吉信用金庫がメセナとしての意識を持ち、地域貢献を本当に望んでいなければ、来年度は利用する必要はないと思います。
 サロン・コンサート会場である博物館等での照明は、今年も三朝の鈴木氏にお世話になりました。音楽祭組織として照明器具を将来的には所持する必要がありそうです。要は、予算次第です。
以上です。

□アンケートデーターの集約
【アンケート回収率12.6%】
○記名回答者/224    回答率53.9%

性別 男/101(24.2%) 女/317(75.8%) 合計418

職業 会社員/71(27.0%)  自営業/39(14.8%) その他/153(58.2%) 合計263

年齢 18歳未満(小/15(3.9%)中/7(1.8%)高/2(0.6%)  専/1 (0.3%)大/1(0.3%) ) 
20歳代/34(8.9%)    30歳代/26 (6.8%)
40歳代/42(11.1%)  50歳代/96(25.3%)
60歳代/85(22.4%)  70歳代以上/70 (18.4%) 合計379

住居 倉吉市/180(49.1%)  三朝町/19(5.2%)  北栄町/40(10.9%) 琴浦町/16(4.4%)  湯梨浜町/46(12.5%)  鳥取市/36(9.8%)
米子市/13(3.5%)
その他県外/17(4.6%) 合計367

情報 友人・知人/186(35.6%) 新聞・テレビ/32(6.1%)
チラシ/70(13.4%) ポスター/66(12.6%)
立看板/21(4.0%) 情報誌/84(16.1%)
ダイレクトメール/25(4.9%)
ホームページ/38(7.3%) 合計522

満足 大変満足/246(63.4%)   満足/135(34.8%)
普通/7(1.8%) 合計388

公演 時間 1時間/250(77.9%) 40分/6(1.9%)
1時間半/65(20.2%) 合計321

開演
 夜  19:30〜/197(68.2%)
  19:00〜/65(22.5%)
  18:30〜/26(8.9%)
  その他/1(0.3%)  合計289
 昼 11:00〜/8(3.5%)
  12:00〜/4(1.7%)
  13:00〜/51(22.0%)
  14:00〜/161(69.4%)
  15:00〜/7(3.0%)
  その他/1(0.4%)  合計232

出演希望 
○門脇大輔7   ○門脇志保Mb6  ○門脇大樹2 ○米原真吾Mb2  ○チェロ2
○兼田恵理子P2  ○平野弘子Sp2  ○辺見康孝Vn2  ○クラックス2
○小椋順二Hr2  ○佐々木まゆみ2 
○小谷弘幸Tn   ○村治Gt   ○安部可菜子P ○エレクトーン  ○西本智美Cond
○神尾真由子Vn ○パイプオルガン ○荘村Gt     ○新田恵理子P ○関本昌平P
○大代恵Og    ○小谷郁美P ○鶴崎千春Sp   ○眞家利恵Vn ○山本耕平Tn
○クラシックギター ○井上志保Vn ○名和英子Sp  ○室内楽   ○鷲見恵理子Vn
○マリンバ    ○山城裕子  ◎ピアノとバレエ  ○相生真紀 ○吉田明雄Vn
○中野隆尺八

■ディレクターの考察
 アンケートの回収率が、昨年に比べ僅かに上がっています。昨年は10%、今年度は12.6%です。
 回答者の居住地は倉吉市とその周辺で昨年通り82%であり、中部地区の音楽祭として確実に育っていると考えられます。その中でも湯梨浜町が12.5%と高くなっています。
 ところで、出演者のご希望で、招聘が到底、不可能なものが沢山あります。再度、音楽祭のミッションとその意義を確認させていただきます。
 この音楽祭の理念として「地域に芸術家が遍在する幸せを求めること」としています。そのミッションとして次の三点を掲げています。
@「アザレアのまち音楽祭」によるまちづくり
A観客によって音楽祭を成長させる
Bアザレアのまち音楽祭を音楽創造活動の拠点とする

 この理念からすれば、中央で活躍するプロ演奏家をアザレアのまち音楽祭に招聘するのは筋違いとなります。しかし、そうは言っても、演奏家達の研鑽や聴衆の要望もありますので、経済的な問題さえ解決すれば、将来的には可能にしたいと思います。経済的には全く招聘不可能なものは、他の団体が主催されるものでお楽しみいただきたいと思います。この問題については、新年度の企画実行委員会で詳細に検討したいと思います。
 以上です。