アンケート・コメント08 ライラック旬間

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アザレアのまち音楽祭2008 アンケート・コメント

 回収されたアンケート用紙に、コメントされていたものをご紹介します。
 満足度は、回収されたアンケートによって集計したものです。

ライラック旬間(5公演)

6/14(土)【高旗健次ヴァイオリン・コンサート】
6/15(日)【平野弘子ソプラノ・コンサート】
6/17(火)【山城裕子ピアノ・コンサート】
6/18(水)【光長真理恵ソプラノ・コンサート】 →【スペシャル・コンサート】
6/20(金)【アザレア・ミュージックファクトリー演奏会】

6/20 アザレア・ミュージック・ファクトリー・コンサート
満足度 大変満足 75% 満足 25%  普通 0%  不満 0% とても不満 0%

○本日もすばらしい演奏を聴かせていただき有難うございました。このみささ美術館の絵画と名曲が巧みに交響し合って、心の襞にひびき、心が浮き立つのをおぼえた次第です。関係者の皆様のご努力に敬意を表します。本当に有難うございました。(湯梨浜町/男性/70歳代以上)

○第1楽章で拍手する人、多く居て(まさか4楽章までやるとは)アンサンブルにとまどいぬ。モーツァルトの弦楽には無理なようだ。(ピアノと管楽器主体では)「アルルの女」なら、合うかもしれない。正面のガラスケースによる反響が妙に気になった。(三朝町/男性/60歳代)

○美術館での演奏も、とても良い!!ファンタスティック!! (湯梨浜町/男性/50歳代)

○本物の演奏を間近で聴かせて頂き、堪能致しました。馴染み深い曲を選曲して下さり、とても楽しい時を過せました。真に有難うございました。(倉吉市/女性/50歳代)

○選曲も、私の好きな曲ばかりで満足でした。もっと長い時間、聴いていたかったですが、汗をかきながら力いっぱい演奏しておられる姿に感激しました。みささ美術館へは、初めて来ましたが音響がよく、とても良いホールだと思いました。ありがとうございました。(湯梨浜町/女性/40歳代)

○なじみのある曲が多く、楽しめました。とてもよかった。(三朝町/女性/60歳代)

○親しみやすい名曲を聴き、感動しました。(三朝町/男性/50歳代)

ディレクターの回答
 みささ美術館は、サロン・コンサートにとって素晴らしい会場です。聴衆の皆様には、豊かな響きを楽しんでいただけたと思います。湯梨浜町からお出でいただいた、常連のお客さまには、感謝いたします。大雨洪水注意報が出ている中、熱心にお聴きいただいたことに感動を覚えるものです。私たちスタッフは、このようなロイヤリティの高い顧客のために、更なる努力をしたいと心に命じるものです。それに反して、施設を運営する側の対応にモチベーションの低さを感じ、がっかりさせられました。しかしながら、話してみると理解が早く、直ぐに素早い対応に変わり、ほっとしました。協力体制のしっかりしている倉吉市や北栄町の職員の皆様方には及ばないとしても、地方公務員の地域貢献とは何かを、じっくりお考えいただきたいものと強く願うものです。

6/18 スペシャル・コンサート
光長真理恵ソプラノ・コンサートがキャンセルになった為の特別コンサート
満足度 大変満足 91% 満足 9%  普通 0%  不満 0%  とても不満 0%

ディレクターの回答
 今回の光長真理恵ソプラノ・コンサートが、キャンセルになったのは、当日の午前10時にお父様が亡くなられた為です。ご本人は直前までコンサートの準備をされていたそうですが、このような事態となったため止む無くキャンセルされました。
 アザレアのまち音楽祭としては、いかにキャンセルであろうとコンサートに穴をあけるわけには行かず、急遽常連演奏家の皆様に声をかけさせていただき、ご協力いただきました。駆けつけていただきましたのは世話役を果たしてくださった新田恵理子氏(ピアノ)、西岡千秋氏(バリトン)、寺内智子氏(ソプラノ)、佐々木まゆみ氏(ソプラノ)、そして辺見康孝氏(ヴァイオリン)です。そしてコンサートを仕切っていただくために西岡恵子氏にも応援を仰ぎ、光長真理恵氏をお目当てにおいでになった方にご満足いただけるよう企画させていただきました。お出でいただいた皆様のご理解を得て、素晴らしいコンサートになったと喜んでいます。そして、快く協力して下さいました演奏者の皆様に、最高のブラボーを捧げます。

○ 突然のご不幸な事でしたが、中止されず、当日準備で、よくコンサートが出来ました事、感謝いたします。出演者の方のチームワークと協力精神に感動しました。演奏内容も不備なく、さすがにプロに近いレベルの方ばかりのコンサートでした。オールキャストを見せて頂いた様で、大変感激致しました。成功に終わりました事、関係者の方々の苦労をねぎらいたく思います。本日は大変ありがとうございました。(倉吉市/男性/60歳代)

ディレクターの回答
 本日10時過ぎから長電話をしておりました。11時前になって光長氏からの着信に気がつきました。光長真理恵氏からは、事前にお父様の様態が悪く、当日もしもの事があったらキャンセルさせてほしいとのことを聞いていましたので、運悪くお亡くなりになったのかとお悔やみを申し上げました。
 しかし、音楽祭に穴をあけることは、社会的に無責任なことであり、何とかその穴埋めをしなければと奔走したわけです。そして何よりもまずピアニストを確保せねばと、とっさの時のフィガロ頼みとして「新田恵理子氏」に電話したわけです。勘の良い新田氏は、すぐさま引き受けていただき、プランをあれこれと提示していただきました。そして、今回のメンバーで光長真理恵氏の代役を務めていただくことになったわけです。

○今夜は大変ラッキーでした。素晴らしいメンバーで、とてもピンチヒッターとは思えない方々の演奏に大満足でした。良かった!アンコールも良かったですヨ。来週の「電話」(オペラ)も楽しみにしています。(倉吉市/女性/60歳代)

○プログラム変更でおどろきましたが、楽しい演奏会でした。出演された皆さんにブラボー!!前半、初めの方(名前が思い出せない、失礼ですが/注:寺内智子さんです)の子守唄は、きれいな歌声でした。 (北栄町/男性/20歳代)

ディレクターの回答
 今回のメンバー選択は、アザレアのまち音楽祭にこれから登場願う方を、プリミエ公演にしようとの意図がありました。そんな訳で6/21の辺見康孝氏、6/24の佐々木まゆみ氏、6/25のオペラ「電話」の寺内智子氏、西岡千秋氏を選ばせていただきました。そして、何よりも名司会者として定評の西岡恵子氏に取り仕切っていただいたわけです。普段では、これだけのメンバーでサロン・コンサートをすることは考えられません。そんな意味でも、今回のコンサートは、素晴らしかったと私も感じています。

○光長さんの歌が聴けなかったのは残念ですが、思いがけず、素晴らしいメンバーの演奏、歌を聴く事が出来とてもラッキーでした。若い人、ポピュラー、もっと門戸を開いてはどうですか、毎年1回くらいは。出演者の公募での演奏会、楽しみです。(倉吉市/女性/50歳代)

ディレクターの回答
 「若い人、ポピュラー、もっと門戸を開いてはどうですか」とのことですが、門戸を閉じている訳ではありません。ホームページに掲載している企画書には、中部地区にお住まいの方であれば、ご希望されれば、どなたでも参加いただけると明記しています。ですから、もっと手を上げていただければと思います。しかし、ポピュラーについては、秋にある「打吹天女音楽祭」と企画がバッティングしないよう、アザレアのまち音楽祭ではクラシック音楽に限定しています。しかし、例外はこれまでもこれからもありますので、ご希望の方は、ご相談下さい。

○これこそプロの妙技を聴かせていただきました。 (三朝町/女性/70歳代以上)

○今日のコンサート、本当に素晴らしく、「圧巻」の一語に尽きます。いずれも鳥取県人の誇り、逸材ぞろいで、とてもステキなコンサートでした。これだけの人数で聴くのは勿体ないような演奏会でした。ありがとうございました。(倉吉市/女性/60歳代)

○とてもすばらしかったです。 (30歳代)

○何とステキなコンサートでしょう。最高のアーティストの良いとこ取りの様な、ぜいたくなひとときでした。(倉吉市/女性30歳代)

○突然のコンサートとはいえ、素晴らしい演奏会でした。 (倉吉市/女性/60歳代)

ディレクターの回答
 突然の代替コンサートであったにもかかわらず、聴衆の皆様から篤いご支持を頂き、深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

○光長真理恵さんの御父上様のご冥福を心より御祈り申し上げます。
 災い転じて福と成すのことわざ通り、光長さんのソプラノを楽しみにしていた私でしたが、でも、代わりに何が、どなたがお出になられるだろうかとの密かな期待に賭けて友と約束どおり出かけて来ましたが、期待以上のメンバー…。もう、ただただうれしく、この様なチャンスを下さった天に感謝いたします。アザレアのまち音楽祭が始まって二十六年、ここで育れました皆様の強い絆の様なものを感じ取る事が出来、演奏もさる事ながら、とても心温まる素晴らしい一時に出合えて大感激でした。出掛けて来て本当に良かった。スタッフの皆様方々、並々ならぬ御苦労もあっての今夜の一時、これからも益々の音楽祭が続きますことを念じて、皆様に感謝感謝、有難うございました。(北栄町/女性/60歳代)

6/17 山城裕子ピアノ・コンサート
満足度 大変満足 60% 満足 40%  普通 0%  不満 0% とても不満 0%

○いつもながら、じっくり腰を割って音楽をつむぎ出す山城さんのスタイル。もう少し指が回ったらと思うところがあったり、パワーに余裕があれば、表現の幅が広がるのにと思ったりするが、技術的な器用さより音楽の表現、情感を大事にする山城さんの良さが出ていたと思う。特にブラームスの叙情的な楽章は美しかった。 (安来市/男性/50歳代)

○とても感動しました!!(米子市/女性/30歳代)

○演奏を始める前に、まず名前をおっしゃって挨拶され、そのようなパターンのコンサートはあまり経験がなかったので驚きましたが、とても新鮮に感じました。ふっと和んだ状態で、肩に力を入れることなく、ピアソラの世界の一部に触れたという印象です。高音の透明感のある繊細な響きに魅了されました。演奏中に、携帯の着信音、鈴の音など、関係者の方が色々ご尽力されている事を重々承知しているのですが、やはり演奏中の着信音は残念でした。少しずつ観客のマナーも向上するといいですね。(北栄町/女性/40歳代)

ディレクターの回答
 まずは皆様方にお詫びを申し上げねばなりません。会場で携帯を鳴らせてしまったのは、ディレクター本人であり、お詫びのしようもありません。今後は、持参しない事と致しますのでどうぞお許しをいただきたいとお願い申し上げます。どう考えても、今回の大失敗は、気のゆるみだと深く反省しています。また今回の失態は、全くお客様には関係ないものであり、コンサートの責任者であるディレクターの不注意によるものです。北栄町のお客様のマナーは素晴らしいものであり、素晴らしいコンサートを作っていただけたと、ただただ感謝申し上げます。

○大変感動しました。又、来年の音楽祭に出演をお願いしたらいかがでしょうか。(大山町/男性/60歳代)

○始めて聴きましたが、とても良い音色でした。(境港市/男性/50歳代)

○山城さんの話もあったが、マイクがなく聞けなかった。伴奏(左手)も見たかった。天上(天井)に鏡があったら良い。舞台が殺風景だった…花があれば。身近な映画、学校で聞いた名曲が聞きたかった。(北栄町/女性/40歳代)

ディレクターの回答
 クラシック・コンサートでは基本的にマイクは使いませんので、当日もご本人からその旨の申し入れがありました。しかし、最後列から聞いていましたがお話の内容はよく分かったように思いますが、お聞きになった位置が悪かったのかもしれません。また、音楽の演奏を見るのも楽しみのひとつですが、どちらかといえば見ることより聴く事の方が、楽しみが大きいかも知れません。ウィーンのムジークフェライン(世界最高といわれるコンサートホール)には、全くステージが見られない座席が存在します。音楽は見るんじゃなく聴くものだと割り切った発想なのでしょう。天井に鏡がついたコンサートは聞いたことがありませんし、鏡をつける意味もないと思います。又、コンサートのステージに花を飾るのは、特別な場合だけで、通常のコンサートでは、花をステージに持ち込まないものです。アザレアのまち音楽祭では、ステージ上での花束の贈呈もやめています。純粋に音楽だけを楽しんでいただこうと言うわけです。音楽の中には、様々な想像力をかきたてる要素が満載です。音楽を聴きながら、ステージいっぱいに空想の花を咲かせることはご自由ですが、人によって描くイメージは異なります。ですから、ステージに何もないのがシンプルで尚且つ空想力を翼を羽ばたかせるには好都合だと思います。曲目に付いては、おっしゃるような名曲を綴るコンサートも今後は企画したいと思いますので、来年にご期待ください。

 ○とてもすばらしいコンサートでした。普段、なかなか聞けないような、とても心に残るピアノの音色でした。(北栄町/女性/50歳代)

○スタインウエイのピアノからながれ、いや転がりいずる音色。この音の中へ引き込まれ、やわらかく、そして力強く、美しい響きが心に染み入りました。2005年のオープニング・コンサートで演奏されましたが、シューマンのピアノ協奏曲を、山城裕子氏のピアノで聴きたく思います。(北栄町/男性/70歳代以上)

アザレアのまち音楽祭2008内部評価委員のコメント
感想(O.M氏評)vs言い訳と反省ディレクター
6/17 山城裕子ピアノ・コンサート

姿勢⇒北栄町役場前には、「アザレアのまち音楽祭」の大きなポスターが県道に面して立てられている。取り組み姿勢として評価したい。今夜は松本町長の挨拶で始まる。

言い訳と反省⇒北栄町長のごあいさつは、倉吉との連携する音楽祭に感謝の意を述べられ、文化に対する思いが伝わり、感激です。先回は文化芸術に造詣の深い副町長にごあいさついただきましたが、行政のトップが、このような音楽会に来場していただく事は、とても素晴らしい事です。

会場⇒この会場の夏場の最大の欠点は空調であり、その運転音である。幸い今夜は比較的涼しく、演奏中は空調を切ることがかろうじてできた。しかし、演奏者には暑くて不快であったかも知れない。

言い訳と反省⇒もともとこの会場は会議用に設えられているため、コンサート会場としては不備があるのは仕方ない事だと考えています。しかしながら、竹下内閣時代の一億創生事業で、このホールにスタインウエイのピアノを設置し、ステージに音響反射板を取り付けられた見識には頭が下がるものがあります。今にして思えば、空調も設置時にコンサート用のダクトを使用しておけば良かったのでしょうが、あとの祭です。しかし、昨年不備であったPAは改善されていますし、徐々にホール環境改善されることでしょう。照明も空調もオンとオフの切り替えしか出来ない構造になっているようですから、徐々に直されていく事を期待しています。今回は、始まる前までは空調をオンにし、演奏が始まればオフに、休憩になればオンにというような次第でした。

第1部⇒もともとタンゴのピアソラの三つのプレリュード。バンドネオンの入ったピアソラのCDは持っているが、この曲は初めて。加古隆あるいはキース・ジャレットの類のジャズ・ピアノみたいである。そもそもピアソラの曲を、しかもピアノで、というのは田舎ならずとも聴くチャンスは少ないだろうし、並みのピアノコンサートを期待してきた向きには、意外あるいは理解し難い曲だったのかもしれない。しかし、その迫力ある演奏に圧倒された感があった。 三つとも根底にはタンゴあるいはミロンガが流れていたにしても、新鮮なリズムのピアノ曲として愉しめた。 発見したことが一つあり、それは、これらの曲の「楽節(?)」の終わりにピアノの弦の微妙な響きが残っており、それがその「楽節」の微妙な和音(?)として響板のところで共鳴していたことである。 次のブラームスには感じられなかったので、ピアソラ固有のものかと思われる。ピアノの弦が醸し出す微妙なハーモニー。発見でした。それにしても昨年は「展覧会の絵」、今年は「ピアソラ」と選曲に感謝したい。

第2部⇒ブラームスの「ソナタ第3番」。開始のコールがあっても山城氏がなかなか出てこない。舞台裏で近くをJRの快速か特急か通過列車の音が聞こえた。そして始まった。主催者の配慮であれば、凄い。有名な曲であるにしても、約40分を要するこの曲を演奏会で聴く機会もそうそうないと思う。それが今夜は「アザレア」で聴くことができたのである。山城氏はほぼマイペースで、あるいは何かを想いながら弾いているように思えた。曲そのものが情熱的でもあるのだが、それ以上に彼女の想いが、何かは知らないが伝わってきて熱くなる(空調の所為ではない…演奏者は暑そうであったが)。会場の聴衆も圧倒された感じがある。何かを想って弾いている。聴衆に対し全然媚びる風がない。 アンコールに友人へ捧げたノクターンがあったが、その演奏でも、彼女の演奏には何かしら想いが乗り移っているようだ。お蔭さまで、会場での細々したこと(いびつな反射板とか、扉のキイ音とか)が横に置かれてしまった。

言い訳と反省⇒ブラームスのソナタを演奏会に乗せるのは、県内で初めてではないかと思います。やはりこのピアニストは巧いなあと感心しています。構成力が堅牢で、ダイナミックレンジも広くピアニシモの美しさもかなりのものです。

演奏中⇒なにかどこかで小さくゴトゴトと音がするのでなんだろうと思えば、どうもペダルの音らしい。あんなに音がするものですかねえ。それと、タイミングのよすぎる「咳」、着メロ。これを除けば演奏は最高でした。 衣装も結構。昔は、女性がスカートの裾から靴を見せるだけで「下品」「挑発的」と言われたらしいが、脚が透けて見えても若ければいいじゃん!

言い訳と反省⇒着メロ音は、不覚にもディレクターのものでした。申し訳ないと言い訳してもどうしようもなく、穴があったら入りたい心境でした。もう、偉そうにマナーだ何だと言えなくなりました。大いに反省しております。お許しいただきたいと思います。

6/15 平野弘子ソプラノ・コンサート
満足度 大変満足 50% 満足 50%  普通 0%  不満 0% とても不満 0%

○待ちに待ったコンサート。年に一度の至福のひととき。ほんとうにありがとうございました。どこからあんなに豊かな美しいお声がと、不思議です。全く益々若返られるようですネ。やはり日頃のお心遣い勝るものはないと…。又、来年もおめもじ出来る事を待っております。(倉吉市/女性/70歳代以上)

ディレクターの回答
 本日のサロン・コンサートは、定員70席に102人もの方がお出掛け下さいました。まずは、篤く御礼申し上げます。花の命は短くて…と申しますが、平野先生のコンサートを聴いていると、何か命がいつまでも続きそうな錯覚にとらわれます。日頃の鍛錬は言うまでもないことですが、夢を失わず、目標を持ち続ける強靭なマインドを平野先生の生き様に見る思いです。よわいを重ねるとモチベーションが低下し、一気につるべ落としの肉体的な破綻が訪れるものです。また、意欲だけがあっても、努力を重ねるための、具体的なトレーニングの指針が、見つけられない方も多いものです。そんな中で、平野先生の実績は、誰がなんと言おうと高く評価しなければなりません。また、音楽を志す者にとって、お手本となる生き方だとも思います。
 アザレアのまち音楽祭では、継続出演依頼演奏家として設定していますので、ご本人がお断りにならない限り、継続してご出演願うことになっています。どうぞ、今後も皆様方の御支持とご支援をお願いいたします。

アザレアのまち音楽祭2008内部評価委員のコメント
感想(O.M氏評)V.S言い訳と反省(ディレクター)
6/15 平野弘子ソプラノコンサート

 『アザレアのまち音楽祭』のパンフレットによれば、鳥取県声楽界の重鎮である。お弟子さんも多い。
第1部⇒シューベルトとR.シュトラウスの歌曲、第2部日本の歌曲という構成。当然ながら非の打ち所なし。観客はお弟子さんたちも含めて満員。「ケチ」をつければ「解説」が丁寧すぎたことぐらいか。しかし、『アザレアのまち音楽祭』のパンフレットの「ご案内」に「声楽の命は、演奏家自身の肉体ですので、年を取れば徐々に衰退するものです。ところが、平野先生の声は何時までも若々しく、特に近年は、ちょっと前に比べて、若さが感じられる歌声に若返っています。(中略)50歳代を過ぎると、音域のバランスや音質のバランスを崩してしまう方が多い中で、…(後略)」とある。確かに素人とは違い「50歳代云々」はなかった。また、そんなレベルでもなかった。しかし、特に第1部のドイツ歌曲のばあい、音楽的なものは問題ないとして、その声に艶が剥がれていたところが垣間見られたように感じた。それを多分テクニック等で補って居られたのだろう。なるべく、目を瞑って「音」を聴くようにしたのだが、気のせいか、時折「見えた」ように思う。年齢のハンディを考慮するのはむしろ失礼であろうから、あえて記したのだが、第2部の日本の歌曲のばあいはほとんど感じられなかっただけに、である。

言い訳と反省⇒今回の演奏は、三月のリサイタルの余勢を駆っての公演であったように感じました。第1曲目がシューベルト「至福」、そして「楽によす」「ます」などが歌われたためです。そのせいか私にはとても快調な滑り出しであり、楽しめました。おっしゃっている「艶が剥がれていたところが垣間見られた」とのことですが、多分時々見られた低音域での響きの喪失や地声が出てしまった箇所の事ではないかと思います。あれはどちらかといえば演奏の事故です。完璧な演奏など有り得ないことを考慮すれば、許容範囲だと私は考えています。ただ事故の回数が頻繁であれば、問題外ですが、平野先生の場合は二・三回止まりですので、全く問題ないと思います。最近の傾向として、往年の名歌手達が相次いでリサイタルやCDを出版したりしていますが、どなたも見事なものです。それは、ご自分の声にあわせた選曲がなされており、自分にとってのマイナス要因を逆手にとって、その声でこそ聴衆に深く感動を与える曲が選ばれているものです。そんな意味から、平野氏の本当の魅力は、これからではないかと考えています。今後の活躍にどうぞご期待ください。

伴奏⇒ほぼ完璧にちかいのではありませんか。笑顔もよく、プロですね。視聴覚ホール、後ろの座席だと空調ダクトの音が気になります。判っております、贅沢です。それと、終了時、司会者はアンコールの後、速やかに登場しないと、連絡事項の伝達のタイミングを逸し、かつ聴衆も再アンコールしていいものやらどうやら判らないと思います。

言い訳と反省⇒伴奏はおっしゃる通りです。まさにプロの仕事です。ピアニストのレベルを計るには、ピアニシモがどの程度弾けるかということだと考えています。そして、美しいフォルテを、美しい衝撃音を出せる事です。今回演奏された幸 野氏は、素晴らしいピアニシモの出せる方であり、歌を包み込むように響きを上昇させるものでした。こんなピアニストを相棒に得れば、歌手は歌い易いだろうなと感じました。とにかく素晴らしいピアニストでした。
 空調の問題は、エクスキューズしなければなりません。もともと、会議室用に設計されたものであり、音楽会にも使う事は想定していても、担当者がコンサートホールのノウハウに疎く、特別な注文が成されぬまま施工されたためです。近年、ダクト音が気になるようなホールは皆無ですが、今から改造工事を行えば、膨大な経費が掛かりますので、予算が逼迫している倉吉市には、無い物ねだりするのと同じですので、どうぞご勘弁ください。
 司会者の件は、おっしゃる通りです。今回は、予定していた方が、急遽入院された事で、ピンチヒッターの方にお願いしたため、タイミングがずれてしまったようです。この問題は、重々承知していますので、次回以降対応したいと思います。

6/14 高旗健次ヴァイオリン・コンサート
満足度 大変満足 100% 満足 0%  普通 0%  不満 0%  とても不満 0%

○高旗さんのヴァイオリンは、昨年のアザレアのまち音楽祭の小冊子で、ご拝見し、大変ご立派な学歴と共に、その実力の程がご賢察され、本日初めてご拝聴させていただきました。少しお疲れの様子がうかがわれましたが、二ヶ月の病であった旨、申しておられましたが、ヴァイオリンの音質、音色、音量はとてもすばらしいものと感銘いたしました。ヴァイオリンは全ての芸術も同様に心身の疲労、命を削る日々の維持向上が求められるだけに、体調不良や、健康管理はとても重要な事であると痛感致しました。ピアノの長谷さまの伴奏も、とても波長が合うと共に、とても気品のあるお美しいピアノ演奏でした。スケートの真央ちゃんのように明るく福ふくしい美顔、容姿共に兼ねられた素晴らしい人の演奏でした。今夜は、日々のくたくたに疲れきった公私にわたる生活から離れ、安息の一時をありがとうございました。(三朝町/男性/40歳代)

○楽しい一時を過させていただきました。 (岡山県/男性/40歳代)

○高旗さんのヴァイオリンは、自然の音楽の流れを感じます。どの曲もすんなり心に入ってくる様でした。フランクのソナタ、特に第3、第4楽章、すばらしかったで。Pianoの調律が素晴らしいと思いました。ホールに合った、ソロ楽器に合った調整がなされていました。(倉吉市/)

○高度なテクニックが必要とされる曲も、澄んだ音色で演奏されていました。素晴らしいです。演奏解釈に、お人柄のわかる様な上品さを感じました。(岡山県玉野市/女性/40歳代)

ディレクターの回答
 やっと山陰に、本格的なヴァイオリニストが在住する事になったと喜んでいたのですが、高旗氏は今年の四月より広島市に移られました。広島大学に移籍されたためです。やっと倉吉のまちにも馴染んでいただけたと思っていましたので、とても残念です。しかし、広島はそんなに遠い距離ではありませんので、末長い御付合いをさせていただきたいものだと考えています。今回も、素晴らしい演奏を聴かせて頂けたと喜んでいます。
 ところで、アンケートに調律が素晴らしいとお褒めの言葉をいただきましたが、アンケートを始めて以来、初めてのことです。確かにピアノ調整は巧くいっていますが、調律の仕事は裏方であり、巧くいって当たり前の世界です。ですから、調律を褒めていただく事に深く感謝申し上げねばなりません。しかし、なんと言ってもピアノの長谷氏の力量の高さ、そして音楽作りの巧さ、ハイレベルでのアンサンブル能力の高さが光っていました。

アザレアのまち音楽祭2008内部評価委員のコメント
感想(M.R氏評)V.S言い訳と反省(ディレクター)
6/14 高旗健次ヴァイオリン・コンサート

服装→今回で3回目となるという。6/14のいでたちは黒ずくめ、黒いズボンに、細い身体に合う黒のスタンドカラーのシャツ、その裾を上に出してラフに、しかしそのシャツがスタンドカラーであることによってある程度威儀は正して、といった風、さりげなくおしゃれ。広い額が知的な面持ち。かなりレベルの高い方と聞く。

演奏→ところが1曲目の前半、なぜか響きが悪い、というか、こんな音かあ?と感じてしまった。こんなはずではない、と聴き進めいくと、クライスラーが3曲ならび、さすがというか清澄感のあるヴァイオリンの響きを堪能できた。5曲目はチャイコフスキーのワルツ。気のせいか、ウインナーワルツではないが、2,3拍目にタメのあるような弾き方のように思われ好ましかった。また、この曲に限らず最高音部の音が優しく響き渡り、これはソプラノのばあいもそうですが官能的ですらあります。ただですね、お風邪をめしていたせいか花粉症か、ブレス時に鼻を啜るような音が聞こえ、時折興ざめでした。

言い訳と反省⇒コンサートのスタートから100%の演奏が望ましいのですが、そこが難しいところです。本来は、ゲネプロでウォーミングアップは終わっており、プログラムの最初から本来の力量を発揮するのが望ましいのです。これは、言うは易く行ない難しなのです。オーケストラ・コンサートの演奏順のセオリーがあるとするならば、まず序曲なり、演奏時間の短い小品をやり、そしてソリストとの共演でコンチェルト、そして最後にメインの交響曲を演奏したりします。私の独断と偏見で申し上げれば、初めちょろちょろ中ぱっぱの序破急でコンサートを聴いていたりします。コンサートを聴く決断のプログラムに、最初に演奏される序曲はほとんど眼中にないものです。ですから、最初の曲から実力が十全に発揮されるとは期待しないで聴いていたようにも思います。今回の指摘で、すっかり潜在意識の慣れで聴いていたように反省しています。高旗氏もゲネでは、のびのびと素晴らしい音で弾いておられましたので、私の耳にはその印象の下敷きがあった為、ほとんど気になりませんでしたが、改めて記録を聴いて見ますと仰るとおりだと感じました。ゲネで温めたエンジンも、本番前の停止で、エンジンが冷めたのかもしれません。演奏家も、ハイブリット車のようであれば、スタートから美しいなめらかさで演奏できるのになあ…と思いました。
 ところで、演奏家のブレス音が大きすぎた事は否めませんが、音楽のフレーズを見事に演奏するブレスであり、音楽の真髄を感じさせてくれました。優れた演奏家は、たとえ弦楽器であってもあのようにブレスするものなのです。いかんせん、体調の問題があり、鼻で息をするブレス音が大きくなってしまったのです。特にサロンという小さな会場では、やはりあの音は邪魔になるでしょう。

第2部⇒C.フランクのソナタ イ長調。事前に曲名と曲とが一致していなかったものですから(この程度です)、聴き始めるとなんか聞いたことあるなぁ、と思いながら聞いていると最終楽章に入り、最近は余り聞く機会がないがNHK・FMのなんかの番組のテーマに使われていたことを思い出しました。CDで聴く音と違いのない音質(?)に満足しました。伴奏もステキでしたが、フォルテのときだけ音が響きすぎるように感じました。ホールなら大丈夫でしょうが、狭い視聴覚ホールで聴くには過ぎたように思いました。ついでにNHK・FM「名曲リサイタル」のホームペイジに録音される509スタジオの写真が出ていて、視聴覚ホールの会場と同じような規模(も少し広い)で椅子が並べられていて、ここでのサロンコンサートはちょうど「名曲リサイタル」と似たような雰囲気かなと思ったりしました。

言い訳と反省⇒実は、フランクのヴァイオリン・ソナタを生演奏で聴くのは初めての体験でした。この曲は、大変有名な曲ですし、日本人が一番好きなヴァイオリン・ソナタだとも言われています。ご多分に漏れず第四楽章のあのメロディーに、私たちはコロッと参ってしまう訳です。今回の演奏は、オーソドックスなものであり、安心して聴かせていただきました。最近のヴァイオリン界は、エキセントリックであったり、エゴセントリックになってしまっている演奏が多い中、高旗氏の演奏はいわば聴衆の勘所にピッタリとくるように感じました。しかし、今回の演奏が、高旗氏の本来の、と言うより、ご本人の弾きたいように弾けていたかという問題については、別問題だと感じています。更にベストコンディションでお聴きしたいものです。