アンケート集計・ディレクター総括

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アザレアのまち音楽祭2006総括

□入場者数
総入場者数        3,280人
大ホールコンサート     869人 (平均 435人)
小ホールコンサート     621人 (平均 311人)
サロンコンサート     1,790人 (平均  90人)
□ディレクターの考察
【T】大ホール公演は、当初想定観客動員を600人としていましたが、大きく下回りました。その要因は、レベルの高いコンサートであれば、聴衆は集まるとの安易な思い込みがあったためだと思います。つまり、単純に実行委員会の集客力の無さが証明されたとの認識が必要であります。また、方法としては知っていた観客動員のノウハウを堅実に実行しなかったため、必然的な結果であったとの認識が必要と痛感しています。

反省点
○まず、集客というコンサート開催の原点を甘く見ていた言う反省があります。

☆今後の取り組み
実行委員会の委員ではある認識を持って、集客は自分の仕事であると考えて行動したいと思います。集客こそが文化活動者の責務だと考え、「集客力とは組織力」として実行委員の実力を高めます。
集客を成功させるために、次のような努力をします。
▽実行委員の集客力向上の取り組み
1)集客は余分な仕事ではなく、一番大切な仕事として取り組みます。
2)コンサートの集客は、委員それぞれが多くの協力者作り、集客の初期段階から協力者との信頼関係を作ります。
3)チケット販売の状況は、事務局に逐一「報告・連絡・相談」し、協力者にも随時報告をします。チケットを買っていただいたかたやチケット申込みをしていただいた顧客にも協力依頼するなどし、集客への情熱を拡大発信させ続けます。
4)実行委員としての活動に誇りを持っていただくために、想定したチケットの完売を、一週間前には達成させます。
▽実行委員の集客力向上のテクニック
1)集客計画を作ります。
@チケット発売予定日より月割り、週割り、日割りの集客目標を決め、実績との誤差を毎日チェックします。
Aコンサート開催日の一週間前には、集客目標を達成できる計画を作ります。
2)コンサートの素晴らしさをアピールするマニュアルを作成します。
該当コンサートの魅力を、実行委員がまず理解し、顧客を説得できるまでの情報理解をします。具体的には、そのコンサートが、顧客にとって「積極的な豊かな時間」となることを説得しなければなりません。そのためには、各実行委員が説得するために必要な情報をまとめておき、チケット販売する人や、協力者により分かりやすく興味をそそらなければなりません。そして、公演の出演者のことや、公演される内容について可能な限り具体的に把握して実行委員各自のお勧めプランを作ります。
3)チケット販売の開始を早めます。
4)公演の宣伝活動を多様化します。
@アザレアのまち音楽祭のホームページを一年中更新し続け、新しい情報を発信し続けます。
A協力者のリストを作り、それらの方の口コミを「メルマガやブログ」等で拡大していただきます。
Bチラシ・パンフレットの配布先を拡大します。
 人の集まる場所に、パンフレットを置かせていただく努力をします。(銀行・病院・美容室・理髪店・レストラン・喫茶店・ホテル・公共施設等)
C有料の広告宣伝(新聞掲載を試みます)を、市内企業のご協力で実現できるよう努力します。
D無料のパブリシティ(マスコミ、ミニコミ、官公庁)などの協力を取り付けて、広報の多様化を図ります。
5)熱意ある告知をします。
アザレアのまち音楽祭の集客効果を考えるについて、各実行委員自身がアザレアのまち音楽祭がどれだけすごいかと言う事を熟知していただき、コンサート勧誘に自信と情熱を持って取り組みます。

【U】小ホールコンサートは、当初想定観客動員を200人としていましたが、大きく上回りました。その要因は、出演関係者のチケット販売促進活動が大きく貢献したためです。チケット販売に、パンフレット掲載の推薦文を十全に利用し、顧客を開拓しながらの販売活動がありました。また、ダイレクトメールで、直接来場を促す活動も成果が上がったと思います。大ホール公演においても、見習うべき事が多々あるものと考えています。
今年の小ホールコンサートの成功は、単に組織としての実行委員会の集客力に安住せず、独自の方法で観客動員を図ったことが、その堅実な実行力がもたらした必然的な結果であったと認識しています。
反省点
○実行委員の集客活動を組織化する必要があります。油断すれば次回はどうなるか分からないとの自覚を持ち続けたいと言う反省があります。
☆今後の取り組み
 小ホールでの催し物事に、小委員会を設定し、観客動員計画を立案し実践します。
【V】サロンコンサートは、当初想定観客動員を60〜70人としていましたが、平均90人と昨年に続き上回りました。その要因は、常連客の定着化と新しいコンサートの試みが原因です。新しい試みとしてポップスを導入しましたが、サロンにもかかわらず207人という想定観客数の約三倍の動員があったためです。しかし、ポップスを外しても平均83人と、サロンとしてのベストコンディションを維持できました。
 問題点は、むしろ想定数以上の聴衆が集まり、毎回補助席を出す事になったことです。サロンに100名以上入れば、コンサート環境は劣化(聴衆に響が吸われるため)します。その対応策として、毎回多くの観客動員が固定化されている演奏会については、小ホール公演に切り替えています。しかし、未来中心を使うについては、問題があります。使用料が高くなることです。サロンとして使っている会場は、現在倉吉市や倉吉信用金庫のご好意で無料です。そのため、安い入場料設定で成り立っています。しかし、未来中心を使うに際して、県の助成を得るためには、毎年目新しい取り組みを要求されます。アザレアのまち音楽祭は、毎年新しい取り組みをするイベント事業ではありません。言うなれば偉大なるマンネリ、地域在住の芸術家を慈しみ続けることがアザレアのまち音楽祭のミッションだと考えています。現在は何とか助成を得るために四苦八苦して条件を満たしているのが現状であり、これ以上の利用には限界があります。
☆今後の取り組み
 サロン運営を根本的に見直して指定席制度とし、想定席以上のチケット販売をしない予約コンサートシステムの導入を図るか、これまで通りの方法を続けるか、さらに検討したいと考えています。
 

アンケート集約とコメント

 今年度の音楽祭は、概ね好評でありました。しかし、定性的評価は高いものの、定量評価で明暗が出ました。定性評価の詳細につきましては、アザレアのまち音楽祭ホームページに掲載していますので、ご参照ください。定量評価につきましては、ホール・コンサートの観客動員に不振がありした。想定観客数を600名としていましたが、オープニングではかろうじてクリアしましたが、ファイナルは大きく落ち込みました。そうは言うもののサロン・コンサートが好調で、想定観客数を下回った催しは一つだけでした。その他に21回開催されたサロン・コンサートは、補助席を出して対応するほどの入りを記録し、今後の課題が示唆されるものとなりました。
 観客動向を知るためにアンケート調査を行っていますが、回答者は入場者に対して平均4.5%と低調です。常連客に面談コメントを求めると、「アンケート自体が煩わしく、鑑賞の妨げになるばかりか、鑑賞後のコンサート余韻の楽しみを奪う」とお叱りを受けてしまいました。今後は、ルーティン的なアンケートとしないで、改善の必要を感じました。
□アンケート・データーの集約 (  )内は昨年度数値
[1]アンケート回収数  回答者 293(243)

[2]回答者の性別  男 28%(34) 女 72%(66)

[3]回答者の職業  会社員 32%(22) 自営業 15%(13) 学生17%(20) その他 36%(45)

[4]回答者の年齢  20歳未満  10%(17) 20歳代 14%(7) 30歳代 7%(9) 40歳代  15%(17)
 50歳代 25%(18) 60歳代 16%(18) 70歳代以上 13%(14)

[5]回答者の居住地  倉吉市 51%(54)  三朝町 4%(4)  琴浦町  5%(5)  北栄町  9%(6) 湯梨浜町 9%(6)  中部外 18%(!9)  県外  4%(2)  中部合計 78%

[6]コンサート情報の取得  チラシ 14%(13)  ポスター 12%(7)  看板 3%(2)  市報 10%(8) ホームページ 8%(9)  アルテ 6%(4) 友人・知人・報道 37%(46)  その他 10%(11)

[7]満足度の総計  大変満足 70%(64) 満足  28%(30)  普通  2%(5) やや不満  0%(1)  とても不満 0%(2)

□ディレクターの考察
 男性の動員数がまだまだ低いようですが、会場内の雰囲気的には徐々に増加しているように見えます。アンケートに署名していただける男性の中には、常連化して10回以上のコメントをお書きくださった方もあり、徐々に音楽祭のコンセプトが定着し始めているように感じています。
 観客の年齢層は、相変わらず50歳代以上が半数を占めています。
 観客の居住地については、中部地区以外(県外含)が22%と増大したのが新しい傾向です。兵庫県や島根県が増えています。そして観光旅行者にも、お出でいただけるようになり始めています。
 コンサート情報は、やはり口コミが圧倒的ですが、チラシ・ポスター効果が増加しています。そして、協賛していただいている倉吉市の市報が、これまでコンサート情報に乏しかった方々に、新しい情報提供の場になっています。また、県文化振興財団の情報誌「アルテ」も、かなり見られているようです。そして、アクセス数が伸びているのがホームページです。コンサートが終わると、その翌日にはアンケート・コメントを掲載しましたが、多くの皆様にお読み頂きました。また、ホームページの投稿欄には、貴重なご意見を書き込みしていただくなど、大変有効に機能したと思いました。
 満足度の詳細はホームページで全て公開しています。全体として見ると「大変満足」の回答が6ポイント上がって70%の大台に到達しています。そして「普通」との回答が3ポイント下がって2%まで減少しました。更に、「不満」や「とても不満」が昨年は4ポイントもありましたが、今年は皆無となりました。そして、コンサートに対するコメントも、好意的で満足度の高い感想になっています。
 しかし、大きな問題として、聴衆の皆様から出てきたのが、コンサート運営するスタッフの力量の問題です。私たちは、社会に対して奉仕しているんだと言う一種の驕りと誇りがあり、良い事をしているんだから社会は理解すべきだとの思い上がりがあったのかもしれません。そんな意味で、来年度以降の「アザレアのまち音楽祭の改革」は、必須のものとなるでしょう。
 回収されたアンケート用紙に、コメントされていたものをご紹介します。満足度は、回収されたアンケートによって集計したものです。
ディレクターの総括
@今年の音楽祭は、接客について色々と問題が噴出しました。これまでは、各団体のボランティアで成り立っている音楽祭であり、お世話願う団体の好意に甘えていて、コンサートを開催するという社会的なスタンスを忘れていたようです。観客の皆様からのアンケート・コメントで、注意を促していただき、やっと大切な事を忘れていたことに気がついたのです。ボランティアであろうと、本職であろうと、コンサートを開催するという社会的な意識が薄かったのではないかと反省しています。

Aコンサート・スタッフは、アマであれプロであれ、ボランティアであれアルバイトであれ、「サービス業」として徹底した従事者にならなければなりません。なぜなら、コンサートでの演奏を聴衆に堪能していただき、満足していただくのが本来のミッションなのですから。私たちは、コンサートの「主」は聴衆だと言う事を忘れていたかも知れません。技術的な専門性は不必要ですが、音楽について心から共感し、喜びを共有できるスタッフにならなくてはなりません。そのためには、私たちはコンサート顧客をもてなす接客マニュアルを学び、スタッフとしてプロに徹する時期に来ているのかもしれないのです。それと、もう一つ、重要な問題があります。

B誤解を恐れず単刀直入に申し上げれば、アザレアのまち音楽祭は、アマチュアの音楽愛好家の発表の場ではありません。ですから、音楽的なレベルの問題よりも、演奏参加する方々の芸術行動の質が大切になります。大げさに言えば、「演奏するという行為に社会的な目標を持ち、人の役に立つという実感」を持たなければなりません。芸術にとって、この大切な意識が希薄であったりすれば、顧客たる市民から「趣味の領域」で片付けられてしまう事になります。
 私たちは音楽芸術の真の意味や、人間にとって生きることと同義語である創造活動(演奏や鑑賞)の重要性を、人間の尊厳として社会的に認識しなければなりません。そして信念を持ち、社会に対して、説得力のあるプレイを、真摯な音楽を奏で続けなければなりません。生音のコンサートは、生身の人間同士が、信頼しあって作り上げなければ、到底成立しない世界なのです。コンサートでは、全くの他人同士が一つの音楽を通して、一つの空間の中で同化する奇跡を、待望し続ける時間なのです。私たちの「アザレアのまち音楽祭」は、今やっとその途上についたばかりかもしれません。