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アザレア室内合奏団演奏会

音楽監督/辺見康孝
ソリスト/稲田真司Fl
     松村多嘉代Hp
     小椋順二Hr

2022年5月8日(日)13:45〜 倉吉未来中心大ホール 700円


 過去の演奏のご紹介

アイネ・クライネ・ナハト・ムジークより/モーツァルト作曲
(mp3ファイル 3.89MB 4分14秒)


第一部
□エルガー
弦楽合奏のための「愛のあいさつ」

□チャイコフスキー
弦楽セレナード ハ長調 作品48
第1楽章 Pezzo in Forma di sonatina;
Andante non troppo - Allegro Moderato
第2楽章 Waltz; Moderato (Tempo di valse)
第3楽章 Elegie; Larghetto elegiac
第4楽章 Finale (Tema russo); Andante - Allegro con spirit

 
第2部
□モーツァルト
フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K. 299 (297c)
Solo Fl 稲田真司、Hp 松村多嘉代

第1楽章 Allegro ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。
第2楽章 Andantinoヘ長調、4分の3拍子、展開部を欠いたソナタ形式。
第3楽章 Rondo:Allegro ハ長調、2分の2拍子、ロンド形式。

□モーツァルト作曲
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
Solo Hr 小椋順二

第1楽章Allegro Maestoso、変ホ長調、4分の4拍子
第2楽章Romance:Andante Cantabile、変ロ長調、4分の3拍子
第3楽章Rondo:Allegro vivace、変ホ長調、8分の6拍子

 






ご案内

 オープニング・コンサートのオーケストラが、アマオケからプロの演奏家に代わって、今年は4年目を迎えます。アザレア室内合奏団というバロックスタイルのオーケストラは、優れた弦楽器奏者が揃い秀でた演奏を披露しています。アザレア音楽祭では、辺見康孝氏という地域に根差しながら海外でも活躍するプロのヴァイオリニストを音楽監督に迎え、質の高い音楽を提供してきました。
今年は、その弦楽合奏の魅力を十二分に楽しんでいただくために、一部に弦楽合奏曲2曲を用意しています。まず、音楽愛好家ならだれでもご存知のエルガーの「愛のあいさつ」です。この曲は音楽のメッセージが直截に伝え得る曲であり、透き通る弦楽の響きでお聴きいただきます。そして、弦楽合奏曲の名曲として世界中で愛されるチャイコフスキー作曲の「弦楽セレナード」は、重厚なハーモニーでお聴きいただきます。弦楽合奏の魅力を十二分に楽しむためには、プロ奏者による充実した弦の響きが必要です。アザレア弦楽合奏団というプロ集団であればこそ、倉吉未来中心の豊かな響きの中で、薫り高い音楽を楽しんでいただけるのです。
後半のプログラムは、たびたびアザレア音楽祭に登場するソリストを迎え、モーツァルトの協奏曲二曲をお聴きいただきます。県内切っての名フルーティスト「稲田真司氏」とハープの「松村多嘉代氏」をソリストに迎えた「フルートとハープのための協奏曲」、そして昨年のアザレア音楽賞を受賞されたホルンの「小椋順二氏」にホルン協奏曲第4番を演奏して頂きます。これまで、モーツァルトのホルン協奏曲を1番から順次演奏して頂き、今回はその集大成になる第4番となります。オリジナル・オーケストレーションのため、今回は弦楽合奏にオーボエとホルンを二人ずつ加えた編成になります。何ものにも代えがたい極上の音楽を、どうぞお楽しみください。

■音楽監督・プロフィール

【音楽監督・1stVn.】

辺見康孝
(へんみ やすたか)

日本をはじめヨーロッパ諸国、オーストラリア、アメリカ合衆国、メキシコ、南アフリカ共和国、韓国、香港で演奏活動を行っており、様々な国際音楽祭に招待されている。ベルギーの現代音楽アンサンブルChamp d'Actionの元ヴァイオリニスト。2012年には日本人初のジョン・ケージ『フリーマン・エチュード』全32曲リサイタルを日本現代音楽協会主催で行い話題となった。
■ソリスト・プロフィール

【Flute】

稲田真司
(いなだ しんじ)

 国立音楽大学音楽学部器楽科(フルート)卒業。大学時代より現在にわたってソロ、室内楽、オーケストラ他、クラシックからポピュラーにわたり演奏活動をつづけている。
 これまでアザレアのまち音楽祭にソリストおよび室内楽グループミュージックファクトリー主催者として出演。山陰の名手たちコンサートに出演。ミンクス室内オーケストラとモーツァルト,米子管弦楽団でイベール、アンサンブルオルニス、倉吉室内合奏団とヴィヴァルディのフルート協奏曲などを共演。澤カルテットとモーツァルトのフルート四重奏を共演。山陰フルート協会事務局員。米子東高等学校教諭。小谷幸久、高橋安治、大友太郎他諸氏に師事。

【Harp】

松村多嘉代
(まつむら たかよ)

 大阪生まれ。相愛大学音楽学部ピアノ専攻卒業後にハープを始める。妹・松村衣里とのハープデュオ・ファルファーレ(イタリア語で蝶々)でフランス・アルル国際ハープフェスティバル、NHK FM「名曲リサイタル」をはじめ数多くのコンサートに出演。 2017年京都市交響楽団(指揮・下野竜也)とマレッキ作曲「2台のハープのためのコンチェルティーノ」を協演。ヴァイオリ二スト・辺見康孝とのデュオX[iksa]ではオーストラリア、カナダ、南アフリカなど海外公演を含めこれまでに400回を超える公演を行なっている。オーケストラ奏者としても活動し京都フィルハーモニー室内合奏団イタリアツアー、京都市交響楽団ヨーロッパツアーに参加。2017年、武生アンサンブルのメンバーとしてヴェネツィア・ビエンナーレ、スロベニアでのコンサートに出演。ファルファーレとX[iksa]で6枚のCDをリリースするほか多数の録音に参加している。ハープデュオ・ファルファーレ http://gold.ap.teacup.com/farfalle/
【Horn】

小椋順二
(おぐら じゅんじ)

 鳥取県倉吉市出身。1996年大阪音楽大学卒業。2000年ドイツ国立ケルン音楽大学アーヘン校卒業。在学中、アーヘン室内オーケストラ、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーに在籍。大阪シンフォニカー、仙台フィルハーモニー管弦楽団を経て現在、京都市交響楽団ホルン奏者。相愛大学、大阪音楽大学、夕陽丘高校音楽科の非常勤講師。ホルンを三宅知次、D.ブライアント、R.アルメイダ、H.ツィーグラーの各氏に師事。シンフォニア・ホルニステン、京都 ラ ビッシュ アンサンブル、リバスト・ブラスクインテットのメンバー。


■オーケストラ・プロフィール
アザレア室内合奏団

 ヴァイオリンの名手として人気の高いヴァイオリニスト「辺見康孝氏」を音楽監督とし結成したバロック・オーケストラの4度目の登場です。メンバーは主に西日本でプロとしてソロ活動をしている弦楽器奏者が結集しており、これまでにないハイレベルのアンサンブルを実現させたオーケストラです。ことしは、オーボエ2奏者とホルン2奏者が加わり、オリジナル編成でモーツァルトのコンチェルトを演奏いたします。オペラ・オーケストラとしても高く評価された今回の弦楽パートは、緻密さと力強さを聴かせてくれる実力派のアンサンブルです。


■演奏者プロフィール

【ヴァイオリン】

辺見康孝   1stVn.
(へんみ やすたか)

 日本をはじめヨーロッパ諸国、オーストラリア、アメリカ合衆国、メキシコ、南アフリカ共和国、韓国、香港で演奏活動を行っており、様々な国際音楽祭に招待されている。ベルギーの現代音楽アンサンブルChamp d'Actionの元ヴァイオリニスト。2012年には日本人初のジョン・ケージ『フリーマン・エチュード』全32曲リサイタルを日本現代音楽協会主催で行い話題となった。

三島文佳   1ndVn.
(みしま ふみか)

 松江市出身。愛媛大学教育学部芸術文化課程(ヴァイオリン専攻)を卒業。今岡康代、三上徹、大野裕司の各氏に師事。松江市で3度のソロリサイタルを開催。山陰フィルハーモニー管弦楽団のゲストコンサートミストレスを務める。山陰フィルジュニアオーケストラ、しまねシンフォネット弦楽キャンプの指導に携わるほか、ソロや室内楽、県内外のオーケストラにおいて幅広く演奏活動を行う。

田春花   1stVn.
(たかた はるか)

 札幌市出身。北星女子高等学校音楽科を経て京都市立芸術大学卒業。2010年 全日本学生音楽コンクール北海道大会課題曲コース高校の部 第2位(1位該当者なし)。2016年 日本クラシック音楽コンクール全国大会大学の部 第5位。2016年 札幌市民芸術祭新人音楽学会にて大賞を受賞。記念演奏会を行う。2017?19年 小澤征爾音楽塾にオーケストラメンバーとして参加。現在兵庫芸術文化センター管弦楽団(通称PAC)にフォアシュピーラーとして在団中。同団が行なっている兵庫県内の中学生を対象としたオーケストラ教室ではコンサートミストレスを務める。これまでに豊嶋泰嗣氏に師事。

柳楽毬乃   2ndVn.
(なぎら まりの)

 島根県出身。6歳よりヴァイオリンを始める。京都市立芸術大学を経て、同大学院音楽研究科修士課程器楽(弦楽)を首席で修了。第8回松江プラバ音楽コンクール第1位及びコンクール大賞受賞。第16回KOBE国際音楽コンクール優秀賞受賞。第59回西日本国際音楽コンクール入賞。東京国際芸術協会より受講費全額助成を受け、ウィーン国立音大マスタークラス派遣。2016年、なかうみ交響楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を共演。「佐渡裕とスーパーキッズ・オーケストラ」に3年間在籍。サントリー一万人の第九をはじめ国内外の演奏会に参加する。現在、スーパーストリングスコーべ、また、STAND UP! ORCHESTRA メンバー。これまでに、井川晶子、芦原充、玉井洋子、玉井菜採、豊嶋泰嗣、田村安祐美、ヴィオラを小峰航一、室内楽を上森祥平、Albert Lottoの各氏に師事する。

吾藤早桜   2stVn.
(ごとう さくら)

 山口県山口市出身。3歳よりヴァイオリンを始める。京都市立京都堀川音楽高等学校、京都市立芸術大学を経て現在関西を中心にフリーで演奏活動を行っている。これまでにヴァイオリンを石井志都子、木村和代、泉原隆志の各氏に師事。

山森温菜   2ndVn.
(やまもり はるな)

 5歳よりヴァイオリンを始める。第25回KOBE国際音楽コンクール弦楽器C部門最優秀賞及び兵庫県教育委員会賞受賞。3rd lnternational Tadeusz Wroński Violin Course in Nałęczówにてディプロマを取得。これまでに小ア恵理子、大谷玲子各氏に師事。京都市立芸術大学弦楽専攻卒業、卒業演奏会に出演。今福音楽堂レジデントアーティスト。現在、関西を中心に演奏活動をしている。

【ヴィオラ】

坪之内裕太  Va.
(つぼのうち ゆうた)

 4歳からヴァイオリンを始める。2002年熊楠の里音楽コンクール第1位。2009年に明石ジュニアオーケストラのコンサートマスターを勤める。このオーケストラの経験により、ヴィオラの音色に魅せられヴィオラを始める。2014年に樫本大進プロデュース「ル・ポン国際音楽祭2014」のプレコンサートにヴィオラで出演。小樽ヴィオラマスタークラスで今井信子氏に師事。ヴァイオリンを菊池佳奈子、ヴィオラを杉山雄一、山本由美子、小峰航一各氏に師事。三田学園高校卒業。京都市立芸術大学ヴィオラ専攻卒業。

木田奏帆   Va.
(きだ かなほ)

 10歳よりヴァイオリンを始め、また15歳よりヴィオラも始める。第31回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員賞、第五回みおつくし音楽コンクール第2位及び大阪市長賞、第27回日本クラシック音楽コンクール第5位等多数受賞。 ソロの他室内楽でも積極的に活動しており、大阪市ユースオーケストラ準指導員を務める。 これまでに、永ノ尾文江、池川章子、西尾恵子、四方恭子、深山尚久、泉原隆志の各氏に師事。京都市立京都堀川音楽高校卒業、現在京都市立芸術大学在籍。

【チェロ】

大西泰徳  Vc.
(おおにし やすのり)

 京都市立芸術大学音楽学部卒業。 Ensemble-Akademie Freiburg2006にてensemble rechercheに室内楽を師事。next mushroom promotionのメンバーとして第16回テグ国際現代音楽際(韓国)、第42回セルバンティーノ国際芸術祭(メキシコ)、あいちトリエンナーレ2016に参加。 現在フリーランスの奏者として室内楽やソロ、オーケストラで演奏する傍ら、 現代音楽の演奏に取り組む他、演劇や舞踊との共演やレコーディングなどで活動している。 神戸女学院大学オーケストラ要員。 へんみ弦楽四重奏団チェロ奏者。

大熊勇希  Vc.
(おおくま ゆうき)

 10歳より才能教育にてチェロを始める。京都市立芸術大学卒業後、 チューリッヒ芸術大学に留学し大学院課程を修了。鈴木秀美氏マスタークラス受講。 第2回いかるが音楽コンクール音大生の部1位。 大阪国際コンクール入選。樫本大進プロデュース「ル・ポン音楽祭」のプレコンサートに出演、スイス・ビエンヌ国際夏季音楽アカデミーで、 ウェン=シン・ヤン氏(ミュンヘン音楽大学教授)のマスタークラスを受講。ZHdK Stringsメンバーとしてイタリア、アイスランドで演奏会を行う。 これまでに、故杉山實、佐野有紀、林口眞也、上村昇、上森祥平に師事。チューリッヒ芸術大学にて、Martina Schucan 、バロックチェロをMartin Zellerの各氏に師事。現在は関西を中心にオーケストラの客演や演奏活動をしている傍ら指導も行なっている。国際楽器チェロ講師。

【コントラバス】

永瀬未希  Cb.
(ながせ みき)

 島根県雲南市出身。2007年エリザベト音楽大学卒業。2011年東京藝術大学音楽学部別科修了。これまでにコントラバスを齋藤賢一、山本修、永島義男の各氏に師事。第41回エリザベト音楽大学卒業演奏会に出演。ソリストとして、2006年に山陰フィルハーモニー管弦楽団(指揮:今岡正治氏)と、2017年にSAN-IN弦楽アンサンブルとディッタースドルフの協奏曲を協演。2009年から2015年まで若手育成オーケストラ「洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団」(2期生)に所属。2018年、イタリア・サロ市でのコンサート「Omaggio a Gasparo da Salo(ガスパロ・ダ・サロに捧ぐ)」にて、日本人で初めてサロ市からGasparo da Saloの名器「Il Biondo(1590年頃製)」を特別貸与され、ピアニストG.Chimini氏と共演。現在、山陰両県を中心にソロ、室内楽、オーケストラ等、幅広く演奏活動を行う傍ら、後進の指導にもあたっている。出雲芸術アカデミー音楽院講師。エリザベト音楽大学非常勤助手、副手。

【オーボエ】

辨天芳枝  Ob.
(べんてん よしえ)

 相愛音楽教室にてオーボエを始める。相愛音楽教室を経て、相愛大学音楽学部と音楽専攻科を卒業。同大学卒業演奏会に出演。YAMAHA管楽器新人演奏会、関西新人演奏会 等多数出演。相愛大学オーケストラ定期公演にて、コンチェルトのソリストとして出演する。イタリア、フィエーゾレ音楽院にイタリアンユースオーケストラ特別奨学生として在籍。リッカルド・ムーティなど有名指揮者らと共演する。ディプロマ取得。ドイツ、デトモルト音楽大学NRW州オーケストラ科卒業。ミュンヒナー放送交響楽団主催カール・オルフアカデミー、マーラー室内管弦楽団アカデミー、フォクトランドフィルハーモニー、ワイマール国立歌劇場にて契約団員。2015年6月より帰国、関西を中心に活動中。

中村 希  Ob.
(なかむら のぞむ)

 大阪音楽大学音楽学部卒業。2008年軽井沢夏期国際音楽祭に参加し、パヴェル・ソコロフ氏のマスタークラス修了。また、カレフ・クリユス氏、イングリッシュホルンでマルティン・フィルティガー氏のマスタークラスを受講。第30回大韓民国国際音楽祭に参加。これまでにオーボエを岩永健三、橋本徹雄の各氏に、室内楽を宮本謙二氏に師事。現在、大阪音楽大学演奏員。

【ホルン】

中橋慶子  Hr.
(なかはし けいこ)

 佐賀県出身。おかやま山陽高校音楽コース卒業。くらしき作陽大学音楽学部音楽学科卒業。同大学卒業演奏会に出演。第17回佐賀県ソロコンテストにて優秀賞受賞。2009年ラドヴァン・ヴラトコヴィチとベートーヴェンホルン・ソナタで共演。同年、サラ・ウィリスのマスタークラスを受講。ホルンを池田重一、金星眞の各師に師事。元 北九州市消防音楽隊 ホルン奏者。現在、関西中心に各地のオーケストラに客演。

小坂智美  Hr.
(こさか ちえみ)

 西宮市出身。同志社女子大学音楽学科卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生修了。2015年に、大阪モーツァルトアンサンブルとモーツァルト作曲ホルン協奏曲第1番、第2番を共演。これまでにホルンを小山亮、小椋順二の両氏に師事、チェコにてO.ヴラベッツ氏、P.ヴォイタ両氏に師事。ブラスアンサンブル匠メンバー、西宮音楽協会会員。


曲目解説


エルガーのこと
 エドワード・ウィリアム・エルガーは、イングランドの作曲家、指揮者。もとは音楽教師でありヴァイオリニストでもあった。エルガーが遺した楽曲の多くは母国イギリスのみならず、世界中の演奏会で取り上げられている。中でも最もよく知られるのは『エニグマ変奏曲』や行進曲『威風堂々』、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、2曲の交響曲などである。

「愛のあいさつ」のこと
 『愛の挨拶作品12』は、エルガーが作曲した楽曲で最も知られた楽曲の一つである。1888年にキャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に贈った曲だと言われている。元々エルガーのピアノの生徒であったアリスは8歳年長(当時39歳)であり、宗教の違い(エルガーはカトリック、アリスはプロテスタント)や、当時はまだ無名の作曲家と陸軍少将の娘という身分格差から、アリスの親族は2人の仲を認めなかったため、反対を押し切っての結婚であった。
 エルガーはピアノ独奏用、ピアノとヴァイオリン用、小編成の管弦楽などいくつかの版を残した。他にも各種の編曲がなされ、エルガーの作品の中では行進曲『威風堂々』第1番や第4番に並んで有名であり、優美な曲想が幅広い支持を集めている。ホ長調、4分の2拍子のシンコペーションで緩やかに始まり、有名な旋律が現れる。中間部はト長調の簡明な展開。すぐにホ長調主題が再現し、コーダで多少高揚があって終結する。
 

チャイコフスキーのこと

 ロシア、ウラル地方に生まれた。家族に職業音楽家はいないが、父がフルートを演奏し、母もピアノを弾くなど音楽的な素養があった。1859年から法務省の官吏になるが63年には辞職。このころ新設されたペテルブルク音楽院に所属し、院長のアントン・ルビンシュタインに管弦楽法を学んだ。卒業後、ピアニストのニコライ・ルビンシュタインの招きでモスクワ音楽院の講師となった。1870年代は結婚(1877年)の失敗から精神的に不安定となるなど危機的な状況も迎えた。しかし創作力は旺盛で1868年の「ロメオとジュリエット」に始まって、「ピアノ協奏曲第1番(1874-75)」、「交響曲第4番(1877)」などの傑作が生み出されて名声をもたらした。
弦楽セレナードハ長調のこと

 チャイコフスキーは1880年9月9日付の手紙の中で、交響曲か弦楽五重奏曲の形で新しい曲を書き始めたと記している。同月25日の手紙ではその曲が「弦楽合奏のための組曲になる」、そして10月10日付けの手紙では上述したように着手から1か月程度で完成したと記している。その中で組曲ではなく「セレナード」であると、この曲を説明していた。 初演は1881年10月18日にサンクトペテルブルクで、エドゥアルド・ナープラヴニークが指揮するロシア音楽協会のオーケストラで行われた。ナープラヴニークは初演について「好評で、満場一致の要求で二楽章のワルツをアンコールした」と述べている。

曲の構成
 ハ長調という最も単純明快な調性で書かれ、第2楽章がその属調であるト長調、第3楽章がそのさらに属調であるニ長調、第4楽章の序奏が再びト長調、主部でハ長調に戻るという、五度関係を用いたゆるやかなアーチ状の構成を成している。各楽章にはそれぞれの特徴を端的に表した章題がつけられている。
第1楽章
「ソナチネ形式の小品」と題されている通り、展開部を欠くソナタ形式である。チャイコフスキー本人は「モーツァルトへのオマージュで、彼の様式の模倣を意図しています」と書いているが、ハ長調でありながらイ短調の主和音で開始される重厚な序奏は、作曲者本人の個性が出たきわめてメランコリックで印象深い曲である。序奏の雰囲気を保ち、広々とした第一主題と、細かい音符による、軽やかな第二主題からなっている。提示部が終わると、リピートするように見せかけて、再現部を始めるというユニークな書法をとっている。コーダで序奏主題が再現される。

第2楽章
ロンド形式(A-B-A-C-A-B-A)のワルツ。ソナタや交響曲の楽章にワルツを用いることは、チャイコフスキーの常套手段であったが、この楽章も例外ではない。ワルツのリズムに乗って、第1ヴァイオリンが奏するメロディーは親しみやすく、有名である。

第3楽章
「エレジー(悲歌)」と題されているが全曲にわたって長調である。三部形式だが中間部はメイン主題の自由な変奏でかなり長く、また序奏も再現するという独特の形式である。 ホモフォニックで印象的な序奏に始まり、3連符のリズムに乗って、様々な声部で淡々とした歌が奏される。倍音を響かせた終止の和音から、直接第4楽章に繋がれる。

第4楽章
自由な変奏曲とロンド形式を組み合わせたような楽章。「ロシアの主題によるフィナーレ」とあるように、序奏もメイン主題もロシア民謡を基盤としている。 第3楽章から続いた和音によって開始され、そこから穏やかであるが、感動的で何かが起こりそうな序奏となる。主部のモティーフが示され、主部に流れ込む。終結部に第1楽章の序奏主題が再現され、堂々と全曲を閉じる。


モーツァルトのこと

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは1756年、ザルツブルクのゲトライデガッセ通りにある、現在は明るい黄色の建物(モーツァルトの生家)の3階で生まれた。彼の父親レオポルド・モーツァルトは、早くから息子の音楽的才能に気付き、彼の音楽の活動を奨励し、才能を開花させた。 ウィーンのドームガッセ通り5番地にある、現在モーツァルトハウス・ヴィエナとなっている建物は、モーツァルトが人生の中で、最も幸せで最も実り多き日々を過ごした場所と言われる。ザルツブルクの大司教との劇的な雇用契約解除を契機に、独立した音楽家となり、作曲家として帝都ウィーンでの音楽家としてのキャリアをスタートした。ウィーンにおけるモーツァルトは、尊敬を集める立派な音楽家、作曲家であり、音楽の先生でもあった。ウィーンこそ、歌劇「フィガロの結婚」や、数々の有名な交響曲、ピアノ、クラリネット、ホルン、ヴァイオリンのための協奏曲、弦楽四重奏曲、そして、最後の仕事となった未完の「レクイエム」を含む聖楽曲を作曲したところ。当時のモーツァルトの年収は、約5000フロリン銀貨(現在の価値に換算すると1800万円相当)だったといわれる。 モーツァルトは、人生の最後の10年間をウィーンで過ごしたが、この地で、彼は結婚し、子供が生まれ、亡くなり、そして埋葬された。モーツァルトの波乱万丈の人生は、数奇な運命を感じさせる。

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299 (297c) のこと

フランスの貴族からの依頼で作曲した作品。モーツァルトが家庭教師をしていた娘の父親から依頼されたものであり、因みに娘はハープそして父親はフルートの愛好家であったことから、この曲が作曲された。 本作はフルートとハープの2種の独奏楽器を起用していることから、協奏交響曲の一種である。フルートとハープという、音色のかけ離れた楽器の組み合わせは前例がない。この曲は、モーツァルト音楽の魅力だけでなく、その典雅な美しさをも感じさせ、とりわけ第2楽章「アンダンティーノ」は、単独でも演奏されるほど有名である。 第1楽章 アレグロ ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。 独奏楽器を加えたオーケストラのトゥッティがハ長調の分散和音による華やかな第1主題を奏して始まり、pとfを交替させつつ次第に盛り上がって行くという、当時の協奏曲によく用いられた手法で続けられる。 第2楽章 アンダンティーノ ヘ長調、4分の3拍子、展開部を欠いたソナタ形式。 オーボエとホルンを省き、弦だけに抑えた伴奏となって、独奏楽器のあでやかな音色がひときわ輝き、目立っている。10小節に引き伸ばされた優美な第1主題と2つの第2主題が順番に提示されると、ハープの流れる走句を挟んですぐに、すでに提示された3つの旋律が原調に戻って再現され、カデンツァから徐々に力を弱め、最後はppとなって消えてゆく。 第3楽章 ロンド:アレグロ ハ長調、2分の2拍子、ロンド形式。 前の2つの楽章にましてフランス的な感性が浸透している。それはガヴォット風にアウフタクトのリズムを持つロンド主題の形姿によくあらわれている。




ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495のこと

 一般には「第1番」〜「第4番」と番号付きで称されており、近年の研究では第2番、第4番、第3番、第1番の順で作曲されたと言われている。第4番では最高音でE♭5が要求され、高い音へと駆け上がる技巧的なフレーズが多用されている。これらの協奏曲はバルブのないナチュラルホルンのために作曲されたものであり、音階や半音階は、右手の操作でしか実現できないものが含まれている。右手の操作を伴うため音色のムラが生じるが、「右手の操作による音色のムラをも生かして作曲されている」と言われる。


第1楽章Allegro Maestoso、変ホ長調、4分の4拍子
第2楽章Romance:Andante Cantabile、変ロ長調、4分の3拍子
第3楽章Rondo:Allegro vivace、変ホ長調、8分の6拍子