5/9 オープニングコンサート

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オープニング・コンサート

2010年5月9日(日)14:00 倉吉未来中心大ホール 700円

アザレア室内オーケストラコンサート】

ヴァイオリン/竹田 詩織

開会式典

式典音楽→ファンファーレ(ブレーメン)

アザレア賛歌独唱(小谷弘幸)

指揮(小谷敏彦)

 

アザレア室内オーケストラ演奏会

指揮/松岡 究   ヴァイオリン/竹田詩織

      

@メンデルスゾーン作曲/「真夏の夜の夢」序曲 ホ長調 Op.21

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2

テューバ1、ティンパニ1、弦五部。

『真夏の夜の夢』(Ein Sommernachtstraum)とはフェリックス・メンデルスゾーンが作曲した演奏会用序曲(作品21)および劇付随音楽(作品61)である。いずれもシェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』が元になっている。今回は、演奏会用序曲を演奏する。

「『夏の夜の夢』序曲 ホ長調 作品21」は1826年に作曲された。もとはメンデルスゾーンが姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲として書いたものであったが、すぐにこれをオーケストラに編曲した。この作品を完成したときメンデルスゾーンはわずか17歳であったが、作品は驚異的な完成度と豊かな創意を誇っている。ロマンティックで表情豊かな作品ながらも古典的なソナタ形式を踏まえた序曲として構成されている。神秘的な序奏に続いて、第1主題の跳ね回る妖精たちや第2主題群に聞こえるクラリネットによるロバのいななきの描写は有名である。さまざまな特徴的な音型やあらゆる楽器の音色効果を用いて、妖精たちや動物(獣人)の住む幻想的な世界を描写している。

Aメンデルスゾーン作曲/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64  ソリスト/竹田詩織

独奏ヴァイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2

トランペット2、ティンパニ、弦楽五部

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64は、1844年に作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲です。穏やかな情緒とバランスのとれた形式、そして何より美しい旋律で、メンデルスゾーンのみならずドイツ・ロマン派音楽を代表する名作であり、ベートーヴェン、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と並んで『3大ヴァイオリン協奏曲』と称される名曲なのです。メンデルスゾーンはこの作品の他にもう1曲ニ短調のヴァイオリン協奏曲を作曲していますが、こちらの作品は長い間紛失しており、1951年にヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインによって発見されるまで忘れられていた作品であり、その知名度はホ短調の作品とは比較するべくもないでしょう。さらにピアノ協奏曲や2台のピアノのための協奏曲、ピアノとヴァイオリンのための協奏曲など、メンデルスゾーンが作曲した協奏曲諸作をも知名度においてはるかに凌駕しており、単に「メンデスゾーンのコンチェルト(協奏曲)」と呼んで、他の協奏曲を指すことはほとんどないため、音楽愛好家はこれを短縮した、『メン・コン』の愛称で本作品を呼び習わしています。

1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート ホ短調

 第2楽章 アンダンテ ハ長調

 第3楽章 アレグレット・ノン・トロッポ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ  ホ短調〜ホ長調

Bベートーヴェン作曲/交響曲第3番変ホ長調『英雄』作品55

原題:Sinfonia eroica, composta per festeggiare il sovvenire d'un grand'uomo(伊語)英雄交響曲、(ある偉大なる人の思い出に捧ぐ)は、ベートーヴェンが作曲した3番目の交響曲である。1804年に完成された。「英雄」のほか、イタリア語の原題に由来する「エロイカ」の名で呼ばれることも多い。ベートーヴェンの最も重要な作品のひとつ。

編成

2管編成であるがHrのみが3管という変則的になっている。

 フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン3、トランペット2、ティンパニ、弦楽五部/ 弦楽5部

構成

1楽章の巨大な展開部と第二展開部に匹敵するコーダ。第2楽章には歌曲風の楽章の代わりに葬送行進曲、第3楽章にはメヌエットの代わりにスケルツォ、そして終楽章にはロンド風のフィナーレの代わりに変奏曲が配置される。

1楽章 Allegro con brio 変ホ長調 3/4拍子ソナタ形式

ベートーヴェン自身のそれ以前の作品と比較しても、格段に大規模であり、特に、コーダの部分が第2の展開部といえるほど充実していることが特徴的とされる。なお、かつては汎用スコアでの、コーダの655小節からの主題をトランペットが最後まで(662小節まで)吹き通す様にしたハンス・フォン・ビューローによる改変[3]を採用する指揮者が多かった。20世紀終盤からは本来のオリジナルの形での演奏も増えている。

このコーダの主題については、オリジナルではトランペットが657小節3拍目から主題を外れ、低い変ロ音を奏する。当時のトランペットでは、主題を通して演奏出来なかったためと言われているが、実際には当時使用していたトランペットの自然倍音列でも658小節の高い変ロ音までは演奏することは可能である(659小節から662小節までは主題を吹くことはできない)。このため、ベートーヴェンはトランペットの「沈黙」によって何らかの意志を示そうとしたという考え方も存在しており、第2楽章が「葬送行進曲」となっていることとの関連を指摘する者もいる[4]。ちなみに、ベーレンライター版では、ブライトコプフ旧全集では八分音符の刻みだった658小節の低い変ロ音が、浄書スコアを基に付点二分音符に替わっており、658小節までは1オクターヴ下げて主題を吹くことになる。このため、657小節から658小節にかけての高い変ロ音を避けたのはトランペットの高音の甲高い音色を避けるためだったのではないか、という見解もある[4]。

2楽章 Marcia funebre: Adagio assai 葬送行進曲 ハ短調 2/4拍子 小ロンド形式

1中間部の冒頭にMaggiore(長調の意。ここでハ長調に転調する)、第2主部の冒頭にMinore(短調。ハ短調に戻る)と記されている。

3楽章 Scherzo: Allegro vivace スケルツォ変ホ長調 3/4拍子 複合三部形式

トリオ(中間部)に、ホルン三重奏が見られる。

4楽章 Finale: Allegro molto 変ホ長調 2/4拍子 自由な変奏曲の形式

主題と10の変奏による。ただし、第IV、第VII変奏については、ソナタ形式における展開部の様相を示すため、変奏に入れず、変奏と変奏の間の間奏のような形でとらえることもある。第X変奏も、コーダの様相を示すため、変奏に入れないことがある。なお、第4楽章の主題は、バレエ音楽『プロメテウスの創造物』の終曲のものと同じであるばかりでなく、ベートーヴェンの他の作品(代表作は「ピアノのための創作主題による変奏曲(通称:エロイカ変奏曲)」)でも使われているが、この曲以降ベートーヴェンはこの主題を入れた曲を書いていない。

指揮者プロフィール

松岡 究(まつおか はかる)

 1987年、東京オペラ・プロデュース公演「ビバ!ラ・マンマ」(ドニゼッティ作曲)を指揮しデビュー。その後、文化庁優秀舞台奨励公演で「蝶々夫人」(プッチーニ作曲)、「オテロ」(ロッシーニ作曲)を指揮。その他「ヘンゼルとグレーテル」「婚約手形」「カルメン」「椿姫」「ドン・ジョヴァンニ」「ハムレット」等の作品も高く評価されている。

 新国立劇場には「恋は御法度」(ワグナー作曲)や「ハムレット」(トマ作曲)で既に登場しているオペラ指揮のベテラン。

 鳥取県に於いてはミンクス室内オーケストラ結成以来継続して、すべてのコンサートに登場している。そして、これまで6回の第九公演、第九合唱団との共演によるモーツァルトのレクイエム、フォーレのレクイエム、バッハの「ミサ曲ロ短調」、ヴィヴァルディのグローリア、ヘンデルのメサイア等を手がけている。更に、鳥取オペラ協会設立の1999年以来、「フィガロの結婚」及びその再演、「魔笛」、国民文化祭オペラ公演の新作オペラ「ポラーノの広場」の初演、「ドン・ジョヴァンニ」と続き2004年には「ポラーノの広場」の再演も手がけている。一昨年の11月には鳥取オペラ協会公演のオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」を手がけるなど、県内のトップ公演を担っている。なお、2005年からローム・ミュージック・ファンデーションによる特別在外研修として、ベルリンで3年間研修し昨年末、完全帰国した。

ソリスト・プロフィール

竹田詩織 (たけだ しおり)Violin

四歳よりヴァイオリンを始める。20032004年鳥取県高校総合文化祭ソロ部門弦楽器の部最優秀賞。2004年全日本学生音楽コンクール大阪大会第二位。20042005年日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。2005年京都芸術祭「世界に翔く若き音楽家の集い」京都市長賞。これまでにヴァイオリンを、永見信久、田渕洋子、澤和樹、原田幸一郎、漆原朝子の各氏に、室内楽を、岡山潔、山崎信子、山口裕之、永島義男の各氏に師事。

2009年現在東京芸術大学音楽部器楽科ヴァイオリン専攻四年在学中。鳥取市出身。

オーケストラ・プロフィール

アザレア室内オーケストラ

 泊村在住の医師「吉田明雄氏」が主宰するプロ・アマ混成の極めてハイレベルな室内オーケストラです。設立

アザレア室内オーケストラ・メンバー
1st,Vn:吉田明雄、曽田千鶴、野村知則、井上志保、荒井ゆうき、井久保樹子/ 2nd,Vn:永江佳代、益尾恵美、、藤原才知、、佐倉伸一、北山三枝子/ Va:足立淳、長田直樹、松永佳子、山梨豪彦/ Vc: 原田友一郎、須々木竜紀、中野俊也、川元明子、井上拓也/ DB:生田祥子、渡辺琢也、大津敬一/Ob:古川雅彦、上代美樹/Fl:稲田真司、古瀬由美子/ Cl:杉山清香、山田祐司/Fg:木村恵理、橋本美紀子/Hr:小椋智恵子、畑智子、山根和成 Tp:大場明夫、玉崎勝守/ Timp:照沼滋/

ディレクターのコンサート案内

【アザレア室内オーケストラコンサート】ヴァイオリン/竹田 詩織

 近年のアザレア室内オーケストラの成長振りには、目を見張るものがあります。一流好みといわれるブランド志向の聴衆の耳にも、アマとしての限界を超えつつある現実は見えてしまうものでしょう。昨年度リリースした「アザレアのまち音楽祭はこんなに凄い!〜オーケストラ編〜」は、多くの音楽愛好家から絶賛されました。その真偽のほどを偵察に来たマニアと自認する方々が、一様に素晴らしいと連発し、ホールの空気感がプロオケと一味違うと、目に見えないがそこに感じる空気の香りと広がりを感じたとのことでした。これは、会場である倉吉未来中心大ホールに、オーケストラの音をいかに自然に鳴らせるかということなのでしょうか。そういえば、当日やってきて、ゲネプロ・本番と息つく暇も無く演奏して巡るN響も大フィルも、海外からのオーケストラも、会場の空間に音楽をどう響かせるかは、手探りの1回かぎりの本番ですから、無理なのでしょう。かつて豊かな残響を気にし過ぎたN響は、コントロールを誤って生き生きした響きを失いました。また、必要以上に音の圧力をかけ過ぎた大フィルは、ただ元気なナンバのチャンプの活気は得たが、ホール内の空気と空間を意識した音を出すことは、かなわなかった過去があります。

 アマチュア・オケの弱点は、特に弦楽器における弓の速度を柔軟にコントロールし、音色の幅を引き出すことが苦手であると言われます。と言うよりも、技術的に克服できない現実が先にあるのかもしれません。だから、音楽の表情を作るために、やたらとダイナミックスとビブラートに頼った演奏をしてしまい、楽器を自然体で鳴らすことが出来ないのでしょう。

アザレア室内オーケストラのコンマスである吉田明雄氏は、バロック・ヴァイオリンを研究していた時期がありました。強い圧力でビュンビュン弾くスタイルではなく、弓の重さだけで鳴らすような演奏を試みていたようですが、何と言うか、音の中に空気をたっぷり含んだ豊かな響きと表情を見せたりしたことがあります。そのスタイルがオーケストラに見られ始めたのが、2003年ベートーヴェンの第1番交響曲を、倉吉未来中心大ホールの響きに慣れて演奏した時からでしょうか。豊かな響きを持つホール特性から考えて、フル編成のオーケストラよりも室内オーケストラの軽い響きが結果的に良かったのでしょうか。ホールの響きに慣れてしまったアザレア室内オーケストラだからこそ、気張らない軽いボーイング(弓を動かすこと)で演奏する弦楽器の透明感と、ホールの空間が持つ空気の縞模様が共鳴し合い、その響きが広がっていく様子がリアルにわかるようになったのです。最弱音の響きが、ホール全体の空気を動かすのです。アザレア室内オーケストラの演奏には、この空気感が充満しているのです。しかし、曲によっては、強い圧力をかけた気波動が、響きを伸ばさないことも多々あります。今後の課題は、演奏者自身が、楽器自体が自然に鳴りきった状態を作り出し、やわらかく伸びやかな音色が聴き取れる『空気』を、たっぷり含んだ響きを作り出すことが課題でしょう。しかし、アザレア室内オーケストラが倉吉未来中心で演奏する響きは、未だかつてないほど豊かな音楽を紡ぎ出していることに間違いはないと信じています。