【ディレクターの回答】
　合唱の伴奏ピアノの位置は、それぞれの合唱団が一番良いと思われる位置を限定して決めています。合唱と良くアンサンブルするための位置設定であり、見た目の選択ではありません。小学生たちの合唱は、ＮＨＫ合唱コンクールの録音用の位置になれるために、ピアノを舞台下手においていましたが、これがベストとは思いませんが、出演される合唱団の意図が反映しているのです。

【ディレクターの回答】
　尾前氏のソプラノは、とても伸びやかで美しい響きの声で、聴いていて快感が得られました。声量は豊かて圧倒的な表現力を感じさせました。そして何よりもフレーズの作り方が壺にはまっており、聴く者を気持ち良くしてくれます。「フィガロの結婚」の伯爵夫人を聴いてみたいと夢見ています。
　合唱は、どの団体もレベルを上げています。合唱団こさじのルネッサンス音楽は、良く仕上がっていますが、かつてのような新鮮な驚きが影を潜めています。その理由は、技術的に進化が止まっているからだと思います。基本的にはノンビブラートで、響きの豊かな声で(声の響きだけで)歌うべきであり、本格的な声作りが待たれます。もっと透明感のある純正調の響きを工夫してほしいものです。単音楽のバランスについては、よく研究されるのが良いと思います。それにしてもすごい合唱団です。こんなレベルに達すると、更に高い山が見えて来るものです。

【ディレクターの回答】
　オープニング・コンサートの二部のピアノ五重奏曲「鱒」のピアノに新田さんが登場しています。また来年度もオープニング・コンサートでバッハのピアノ協奏曲を演奏して頂く予定です。

【ディレクターの回答】
　山城氏のピアノ演奏の秘密は、音が明確に弾かれていることです。ピアニストは誰だって、明確に弾いているはずですが、コンサートで聴くと音像が崩れたりぼやけたりするものです。その理由の大半は、指のバランスが悪かったりペダルの不用意な踏み過ぎであるものです。今回、公演前に山城氏のゲネプロを聴かせていただきましたが、びっくりしてしまいました。それは、初めにペダルを一切使わずに引きながら、確実な音像を作っているのです。ミスタッチのチェック、指のバランス・チェックをした後で、ぺダルを使った音楽表現の確認を行っていたのです。ここまで、徹底するピアニストはそうざらに居るものではありません。そこまで練り上げているからこそ、聴衆の心を捉えて離さないのだと思います。

【ディレクターの回答】
　松田さんの進化は凄まじいスピードです。デビューしたての頃の線の細さは、すっかり姿を消して、強靭なソプラノになっています。それにもまして、表現力の素晴らしさは言うことなしです。それにもまして、ピアノの森さんの音楽づくりが光っていました。それにしても毎回のステージドレスの凄い事には驚きです。松田さんのお父さん(実父)の手作りとのことですが、本職ですから当然かもしれません。松田さんの為だけのお抱えデザイナーが存在するのは、他のソリストにとっては羨望の的です。