倉吉 アザレアのまち音楽祭
アザレアのまち音楽祭2011 ディレクター総括資料(2011.7.15現在)
@ 入に対する支出の問題
  昨年度 総収入 3,168,206円    総支出 3,293,980円  収支額  −125,774円
  今年度 総収入 2,955,841円    総支出 3,014,991円  収支額   −59,150円
○収入の問題点
  昨年度 プレゼンター数を30と設定⇒22件であった。
  今年度
 スポンサー数を毎年30件と目標にしているが、今年は公演数を、3公演縮小し24公演としたため、何とか22件で賄えた。次年度は30周年事業とし、行政との共催を目指したい。
 協賛件数は毎年150件を目標にし、予約段階では150件を超えていたが、実際に協賛金が入ったのは127件に留まった。これは、昨年度より減少したこととなり、次年度は確約件数を増やすことが急務である。
 チケット売上は昨年度をやや下回った。
 基本財源助成金⇒やらいや中部(10万円)+エネルギア(10万円)+ごうぎん(10万円)+倉吉市(72,500円)
 総額372,500円と10万円増額した。
 基本財源スポンサー⇒5万円22件、 総額950,000円
 基本財源協賛金⇒5千円127件、 総額665,000円
 基本財源入場料収入金⇒700円券832枚、2,000円券163枚 総額908,400円

 補助金
 助成金に付いては、当初30万円を想定していましたが、中部広域連合からの10万円に留まりました。来年度は見込みなし。
ただし、今年はごうぎんとエネルギアからの助成金があり、助かりました。

 チケット
総入場者数4085人  2531人(2424人)(無料公演・協賛公演・スタッフを除く)
    招待券入場  968人(870人)
    パスカード   324人(276人)
チケット入場者数 一回券 674人(1,177人) 回数券 523人(83人)  単独券 306人
チケット入場の想定額を960,000円としていましたから889,600円の実績。

○支出の問題点
 予算額をオーバーしたものは看板代と記録費のみであり、当初予算より526,520円の縮小化が可能となった。予算収入の想定より652,294円の縮減があったことと相殺すれば、赤字幅はかなり低いものとなる。
 今年度の入場者数について
 入場者数の総計では、昨年を下回りました(昨年=4,125人/今年=4085人)が、入場料収入増となりました。今年度はお徳用の回数券利用が大幅に伸びてチケット収入が僅かだが伸びた。
 マトリックス評価による定性評価と定量評価とも、全体的には良い傾向です。いずれも「理想的ゾーン」「理想追求型ゾーン」に位置し、「利益追求型ゾーンと最悪ゾーン」に組み入れられるコンサートは一件あったのみです。
 音楽祭の受付業務など、コンサートの運営については近年好評ですが、油断は禁物だと感じています。
 毎年指摘しましたが、「アザレアのまち音楽祭のミッションを達成するためのマーケティング論」を共通理解することが必須となります。
□入場者数
 総入場者数   4,015人 (10) 4,085人  (09)4,125人 (08)3,146人
 大ホール平均   533人    496人    593人    579人 (07) 528人
 小ホール平均   255人    248人    247人    190人    177人
 サロン平均     82人     77人     78人     79人     76人
 パープルタウン  296人(流動聴衆のため今年度のみ報告)
□ディレクターの考察
【T】大ホールの場合
 大ホールの想定観客動員数を700に設定していますが、今年は、オープニングは627人でよく健闘しました。しかし、ファイナルが441人と減少し、どちらかといえば惨敗です。小ホール公演は、三朝と琴浦が伸びている。サロンは、平均で70人を超えれば、サロンとしての特性が崩れ、好ましくない状態になります。指定席制度の再検討が必要かもしれません。大ホールは2007年当時に戻りましたが、2009年当時の回復が実現されていません。次年度に向けて大きな問題として積み残した感があります。やはり、実行委員、協力委員、協力団体の努力が足りなかったことは確実です。次年度はプロモーションを確実に行い、顧客増強に努めましょう。
【U】小ホールの場合
 小ホール設定は三朝総合文化ホールと大栄農村環境改善センター、カウベルホールを指します。三朝と琴浦は好調でしたが、今年も北栄町の失速が目立ちました。これまでの優等生的運営が、続いてきましたが昨年の失速がまだ回復していないようです。三朝町と琴浦町の頑張りが、今年度も維持できましたが、演奏家の知名度と支援組織が貢献できているだけとの見方があります。集客力の強い催しを優先的に派遣してきましたが、顧客確保のシステム化を図る必要がありそうです。まずは、組織の改善必要なようです。琴浦町の場合は、町との共催を模索し、ホール使用料の免除を取り付けなければ、将来的に赤字態勢に陥ります。ボランティア活動の意義を解しない組織では、建設的な企画実践は難しいでしょう。また、各地域の実行委員会の出席率の悪さがあるとすれば、事業展開するにモチベーションの低さを表わすものだと判断しなくてはならない。やるべきことを全てやって、その後にくる結果がどうこう言わないまでも、懸命な努力がなければ、結果は期待できないはずです。
【V】サロンの場合
サロン・コンサートは安定した観客動員が図られていますが、観客数が総定数を割ったものが8件ありました。総定数を10人以上オーバーしたコンサートが7件あり、今後に課題を残しました。特に定数の二倍以上の観客が入ったサロンがあり、会場は立錐の余地もないほどの混雑であり、サロンのスタンスを超えてしまいました。しかし、いずれの場合も、定性評価の高いコンサートであり、平均すると良好なものであったと言えます。サロンは、定着したとの認識が出来ます。
【W】総括
今年も、ミッション尺度を縦軸とし、経済尺度を横軸とする音楽祭経営マトリクスで、今回の全てのコンサートを実行委員及びディレクターで分析しました。
その結果、ミッション軸の「理想的ゾーン」に入るものが24公演(昨年20/一昨年18公演)あり、大いに向上しています。つまり、経済的にもハイレベルな成果を上げたコンサートが増えたという事です。事業展開の理想として位置された評価点G以上は、オープニング、西岡千秋、光長真理恵、中野隆、小椋順二、アザレア弦楽四重奏団、ブレーメン、新田恵理子、吉田明雄、伊賀奈ゆり、杉山清香、小倉知子、山城裕子、鶴崎千晴、眞家利恵、山内利一、辺見康孝、の各コンサートです。
今年も成功した琴浦町と三朝町との協働は、来年度以降も継続できる仕組み作りが急がれます。昨年大失敗した北栄町は、その轍が踏まれていなかったようです。音楽祭運営は、ハウツーだけで取り組んでも、継続的な成功は見込めないでしょう。
 「アザレアのまち音楽祭」のメイン劇場として、倉吉交流プラザ視聴覚ホールは、最高のサロン・コンサート会場として完全に定着しました。サロン・コンサート会場である博物館での照明は、これまでずっと三朝の鈴木氏にお世話になっています。音楽祭組織として照明器具を将来的に予算措置を取りたいものです。

□アンケートデーターの集約
 【アンケート回収率は14.9%  2010年17% 2009年12%   2008年 12.6%】
○記名回答者/600人/回答率
性別男/22.8% H21 94(23%)/H20 101(24.2%)  女/77.2% H21 261(65%) H20 317(75.8%)
年齢18歳未満 5.5%/20歳代 2.1%/30歳代 7.3%/40歳代 7.1%/50歳代21.8%/60歳代28.2%/70歳代以上27.9%
住居倉吉市46.1% 三朝町3.1% 北栄町13.9% 琴浦町7.0% 湯梨浜町9.9% 鳥取市8.3% 米子市3.9% その他の県内5.9&  県外2.0%
満足大変満足/306(59.9%) H22 347(57%) H21 222(55%)/H20 246(63.4%)
満 足/188(36.8%) H22 153(25%) H21 92(23%)/ H20 135(34.8%)
普 通/16(3.1%) H22 17(3%) H21 15(4%)/ H20 7(1.8%)
不 満/0  H22 0 H21 6(1%)/ H20 0(0%)
その他に付いては別表「アンケート集計をご覧下さい。」
□ディレクター反省
 収支が−59,150円で決済していますが、黒字が見込める琴浦との協同決済やチケット未収が残っているため、今年度は赤字を出さずに済みそうです。今回は、公演を減らした分だけ支出減になったためであり、従来の規模では昨年同様になったものと思われます。次年度は、30公演を想定していますので、これまでにないほどのスポンサー依頼をしなければなりません。周年事業として成功させなければなりませんので、組織を引き締めて取り組みたいと思います。皆様のご支援ご協力をお願いいたします。

アザレアのまち音楽祭ディレクター 計羽孝之