第39回 アザレア音楽祭2022
ごあいさつ
令和4年2月

アザレア音楽祭から教えられたこと

アザレア音楽祭実行委員会 会長 計羽孝之


 アザレア音楽祭の一番大きな目標は、地域に芸術家を遍在させ、鳥取県民の皆様に優れた芸術体験を提供することを掲げていることです。音楽が流れる同じ時間と空間を共有し、その場に居合わせる幸せを求めています。そんなアザレア音楽祭を40年来運営する中で、教えられたことがあります。

 第二に、コンサートに出かけるという行動が、私たちの心を晴れやかにするのです。音楽たちは求める想いに反応して、新しい世界を見せてくれるのです。

 第三は、音楽すれば私たちの感受性に刺激を与え続け、敏感な感性を作り出してくれるのです。そして、ハーモニーという他人の思いと自分の感情を響き合わせるのです。

 第四に、音楽という感性の拮抗作用が、精神的な成長を促し、より美しいものを求める習慣を日常化し、幸福感を高めてくれるのです。

 そして、第五は、私たちに何かを分かち合う喜びに気付かせてくれるのです。与えることとは与えられること。大切な思いやりの心は、脳を刺激して活性化し、喜びが膨らむのです。やがて何かを愛する想いや言葉たちが、音楽に変容するのです。

 私たちは感性を敏感にし、理想を現実として追い求める生き方を目指さなければならないと思い知らされました。

 そんな中で、アザレア音楽祭の命は、大きなパトローネの存在です。企業の方々からの支援の輪が、音楽祭の命を継続させていただいていることに、深く感謝いたします。支援していただいている企業の皆様、協賛していただいている皆様、そして多くの県民の皆様には、ぜひとも音楽祭にお出かけいただき、音楽の喜びを共有していただけますればと願っております。私たちアザレア音楽祭実行委員会は、コンサートと言う最高のおもてなしを提供する所存です。

 私たちの地域社会に住まう多くの人たちが、豊かな感性の聴衆市民に育つことこそ、実り多い音楽の果実を得ることになると思います。より多くの県民の皆様に、ご支援とご支持をお願い申し上げます。






令和4年2月

演奏家と住民が心一つに運営する貴重な舞台

「アザレア音楽祭2022」の開幕に寄せて
鳥取県知事 平井伸治


 風薫る季節を迎え、「アザレア音楽祭2022」が盛大に開催されますことをお祝い申し上げますとともに、開催に御尽力された関係者の皆様に心より敬意を表します。
 「アザレア音楽祭」の「アザレア」は、倉吉市出身の自由律俳人であり、郷土の文化の礎を築いた河本緑石が盛岡高等農林学校時代に宮沢賢治らと創設した「アザリア会」にちなむものです。「アザレア音楽祭」は、小さくとも色鮮やかな花が咲き揃うアザレアの華やかな輝きを初夏にもたらす風物詩となっています。
 アザレア音楽祭は40年以上の歴史を重ね、鳥取県を中心に音楽活動をされている演奏家が多数出演され、継続して出演される方も多く、演奏家と住民が心一つに運営する貴重な舞台であります。
 コロナ禍により、しばらくの間、生の演奏を楽しむ機会が多く失われたものの、我々は様々な工夫によって、その機会を取り戻してきました。改めて、音楽を始めとする文化芸術は、人々が日々を豊かに生きる上で必要不可欠なものであることが再認識されています。音楽祭により、県民生活に活力と潤いがもたらされますことを願っています。
 結びに、音楽祭の御盛会と出演者、関係者、お集まりの皆様の一層の御活躍、御健勝を祈念し、お祝いの言葉といたします。




令和4年2月

第39回アザレア音楽祭に寄せて


鳥取県音楽祭サミット 会長 四門 隆


 私たちは、新しい生活様式なるものに従うのとひたすら我慢の生活にすっかり慣れてしまいました。一日も早い地球規模の収束を願うばかりです。
 ここ2年余り、新しい生活様式はソリストの活動も制約を受け、窮地に追い込まれてきました。ようやく昨年初冬からの緩和措置により、種々の活動は始まっていますが、芸術・文化の分野は復調の速度が遅いように感じるのと同時にその需要について不安を覚えます。
 そんな中、今年も待望のアザレア音楽祭が開催されます。幾多の困難を乗り越えて40年、毎春に開かれるこの音楽祭はまさにソリストとオーディエンスとの貴重なコミュニケーションの場でもあります。この音楽祭の基本はサロンコンサートにありますが、今回は久々に倉吉未来中心を会場としてのオープニングとファイナルのホールコンサートが用意されました。
 これもアート・ディレクターをはじめ運営を支える多くのスタッフの熱意ある準備の結果と、ソリストや多くのオーディエンスの意見や評価に耳を傾け、疑問に答える丁寧な対話を積み重ねた証左であり、そして今日までのご尽力に深く敬意を表します。
 ポストコロナの時代の音楽祭として多くの県民の心を捉え、また「凄い」音楽祭としてアザレア音楽祭の成長と発展をお祈り申し上げます。