ご案内

　毎年感じるのですが、中学生たちの吹奏楽にクラシック音楽が姿を消してさびしい思いがあります。音楽は「音を楽しむ」と書きますが、楽しくなくちゃ音楽ではないとの認識は、底が浅いと思っています。別にクラシック音楽であっても、いい加減な演奏で良しとするのは間違っていますし、ポピュラー音楽でもパフォーマンス・スキルを高めた演奏であれば、ベストだと思います。要は、長く厳しい練習に耐えられる楽曲であるかどうかなのです。かつて、生徒に与える教材は評価の定まったものと言う意味で、学校のクラスで扱うもの、つまりクラス＋イックと言う言葉になったように、指導者がどんな教材を選択するかが、カギになったのです。大勢の人たちに持てはやされる音楽は、大勢の人たちの支持があり、私たちを大いに楽しませてくれるものですが…。しかし、音楽の空騒ぎに終わらないことこそが、今最も求められているのではと感じています。
　民踊の皆さんも、高齢化が進んでいます。その年齢にならなければわからない肉体の衰えとの戦いに、踊りの美しさを求めてやまない久しい年月が、踊りの中から溢れるものを感じます。踊る喜びも見る喜びも、私たちの心をほっこりさせるものです。熟年でなければ魅せられない踊りの静謐な魅力を十二分に堪能して下さい。