倉吉 アザレアのまち音楽祭
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アザレア・ガラコンサート

音楽監督/辺見康孝

2018年5月13日(日)13:45〜 倉吉未来中心大ホール 700円

   

 過去の演奏のご紹介

♪ アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク/モーツァルト作曲 (wmaファイル 1.94MB 4分10秒)


第1部 〜ドビュッシー没後100年に寄せて〜
1.無伴奏フルートのための「シランクス(パンの笛)」(フルート:稲田真司)
2.第1狂詩曲(クラリネット:杉山清香、ピアノ:稲毛麻紀)
3.神聖な舞曲と世俗的な舞曲

 トレ・モデレ(Très modéré) 2分の3拍子
 モデレ(Modéré) 4分の3拍子
(ハープ:松村多嘉代、ヴァイオリン:辺見康孝&三島文佳、ヴィオラ:坪ノ内裕太、チェロ:野津真亮、コントラバス:永瀬未希)
4.牧神の午後への前奏曲 ホ長調 辺見康孝編曲
(フルート:稲田真司、クラリネット:杉山清香、ヴァイオリン:辺見康孝&三島文佳、ヴィオラ:坪ノ内裕太、チェロ:野津真亮、コントラバス:永瀬未希、ハープ:松村多嘉代)、

 
第2部 〜シューベルトの鱒〜
5.ピアノ五重奏曲 イ長調 D667
 第1楽章 / Allegro vivace
 第2楽章 / Andante
 第3楽章 / Scherzo: Presto
 第4楽章 / Theme and variations
 第5楽章 / Allegro giusto
  出演 ピアノ    ⇒新田恵理子
    ヴァイオリン  ⇒辺見康孝&三島文佳
    ビオラ     ⇒坪ノ内裕太
    チェロ     ⇒野津真亮
    コントラバス  ⇒永瀬未希

 
■ソリスト・プロフィール

【フルート】

稲田真司
(いなた しんじ)

 国立音楽大学音楽学部器楽科(フルート)卒業。大学時代より現在にわたってソロ、室内楽、オーケストラ他、クラシックからポピュラーにわたり演奏活動をつづけている。
 これまでアザレアのまち音楽祭にソリストおよび室内楽グループミュージックファクトリー主催者として出演。山陰の名手たち出演。ミンクス室内オーケストラとモーツァルト,米子管弦楽団でイベール、アンサンブルオルニス、倉吉室内合奏団とビバルディのフルート協奏曲などを共演。澤カルテットとモーツァルトのフルート四重奏を共演。山陰フルート協会事務局員。米子東高等学校教諭。
 小谷幸久、高橋安治、大友太郎他諸氏に師事。

【クラリネット】

杉山清香
(すぎやま きよか)

 米子東高等学校普通科を経て島根大学教育学部特音課程(管弦打楽器専攻)を卒業。クラリネットを手塚実、村瀬二郎、浜中浩一の各氏に師事。今までにミンクス室内オーケストラとモーツァルト作曲「クラリネット協奏曲」、澤カルテットとモーツァルト作曲「クラリネット五重奏曲」で共演し好評を得る。2009年にはフィルハーモニックウィンズ大阪と共にアメリカ演奏旅行(WASBE世界吹奏楽大会にアジア代表としてシンシナティでコンサートに出演)に参加。現在は、同楽員として関西を中心に活動すると共に各地への演奏旅行やCD収録にも参加している。また、「山陰の名手たちコンサート」、浜中浩一氏門下生による「音楽の愉しみコンサート」(大阪)等、多数出演。また、2012年1月には「ヴァンガードブラス鳥取」公演にてウェーバー作曲「クラリネット小協奏曲」を独奏した。その他、自身がライフワークとしている「音楽空間コンサート」は第40回を数えるほか、依頼コンサートなど県内外で精力的に演奏活動を行っている。現在、ヤマハミュージックスクール(パルス米子楽器社)講師、NHK文化センター講師、杉山清香音楽教室主宰。フィルハーモニックウィンズ大阪楽員。

【ピアノ】

稲毛麻紀
(いなげ まき)

 武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業後、お茶の水女子大学大学院ピアノ演奏学講座修了。ピアノを新田恵理子、堺康馬、A.ウェーバージンケ、西川秀人、吉田征夫、浅井道子の各氏に師事。これまでにアザレアのまち音楽祭のオープニング・コンサートやサロンコンサート等に出演。現在、わらべ館童謡唱歌推進委員、鳥取短期大学非常勤講師を務める。コール・ウィンドミル、こーらす萌の会、合唱団こさじ、鳥取オペラ協会ピアニスト。
■アザレア弦楽合奏団(プロフィール)

 ヴァイオリンとハープのユニットを組んで活躍しているXiksaのヴァイオリニスト「辺見康孝氏」に、新しく結成して頂いたバロック・オーケストラです。主に西日本でプロとしてソロ活動をしている弦楽器奏者を結集して、よりハイレベルのアンサンブルを実現させる目的で立ち上げたオーケストラです。今回はカルテットに縮小し、より緻密なアンサンブルを目指した編成です。

■演奏者プロフィール

【ハープ】

松村多嘉代
(まつむら たかよ)

相愛大学音楽学部ピアノ専攻卒業後にハープを始める。現在フリーランスハーピストとして、ソロ、オーケストラ、妹・松村衣里とのハープデュオ・ファルファーレ、辺見康孝とのデュオX[iksa]などで演奏活動を行う。国内はもとよりイタリア、フランス、ドイツ、チェコ、オランダ、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、韓国等において数多くのコンサートに出演。ファルファーレとX[iksa]で6枚のCDをリリースするほか多数の録音に参加している。

【ヴァイオリン】

辺見康孝
(へんみ やすたか)

日本をはじめヨーロッパ諸国、オーストラリア、アメリカ合衆国、メキシコ、南アフリカ共和国、韓国、香港で演奏活動を行っており、様々な国際音楽祭に招待されている。ベルギーの現代音楽アンサンブルChamp d'Actionの元ヴァイオリニスト。松村多嘉代(ハープ)とのデュオ、X[iksa](イクサ)では新たな境地を開拓している。2012年には日本人初のジョン・ケージ『フリーマン・エチュード』全32曲リサイタルを日本現代音楽協会主催で行い話題となった。Megadisc(ベルギー)からリリースされたソロCD、数々のX[iksa]アルバムの他、多数のCD録音に参加している。

三島文佳
(みしま ふみか)

松江市出身。愛媛大学教育学部芸術文化課程(ヴァイオリン専攻)を卒業。今岡康代、三上徹、大野裕司の各氏に師事。これまでに3度のソロリサイタルを開催する。2013年より山陰フィルハーモニー管弦楽団のゲストコンサートミストレスを務める。松江クラシックス2015、2016に出演。山陰フィルジュニアオーケストラ、しまねシンフォネット弦楽キャンプの指導に携わるほか、病院や福祉施設、保育所、学校、イベントでコンサートを行うなど、ソロ、室内楽、県内外のオーケストラにおいて幅広く演奏活動を行う。

【ヴィオラ】

坪ノ内裕太
(つぼのうち ゆうた)

4歳からヴァイオリンを始める。2002年熊楠の里音楽コンクール第1位。2009年に明石ジュニアオーケストラのコンサートマスターを勤める。このオーケストラの経験により、ヴィオラの音色に魅せられヴィオラを始める。2014年に樫本大進プロデュース「ル・ポン国際音楽祭2014」のプレコンサートにヴィオラで出演。小樽ヴィオラマスタークラスで今井信子氏に師事。ヴァイオリンを菊池佳奈子、ヴィオラを杉山雄一、山本由美子、小峰航一各氏に師事。三田学園高校卒業。京都市立芸術大学ヴィオラ専攻卒業。

【チェロ】

野津真亮
(のつ しんすけ)

松江市出身。国立音楽大学卒業。卒業後、非常勤講師、嘱託演奏員として勤める傍ら同大学音楽研究所バッハ演奏研究部門において通奏低音を学ぶ。これまでにヴァイオリンを井川晶子、チェロを喜久里誼、藤森亮一、鈴木秀美の各氏に師事。またフィリップ・ミュレール、アンナー・ビルスマの各氏に指導を受ける。現在は主にオーケストラ、室内楽、通奏低音奏者として活動。

【コントラバス】

永瀬未希
(ながせ みき)

島根県雲南市出身。2007年エリザベト音楽大学卒業。2011年東京藝術大学音楽学部別科修了。これまでにコントラバスを齋藤賢一、山本 修、永島義男の各氏に師事。第41回エリザベト音楽大学卒業演奏会に出演。2006年には、山陰フィルハーモニー管弦楽団(指揮:今岡正治氏)とディッタースドルフの協奏曲を協演。2009年から2015年まで若手育成オーケストラ「洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団」に所属。現在、山陰両県を中心に演奏活動を行うほか、後進の指導も行っている。出雲芸術アカデミー音楽院講師。山陰コントラバス協会会員。

【ピアノ】

新田恵理子
(にった えりこ)

武蔵野音楽大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業 倉吉市在住。ピアノを故西岡光夫、長井充、徳川愛子、福井直敬、西川秀人の各氏に師事する。ソロリサイタル、室内楽、声楽・器楽の伴奏など、各地で幅広い演奏活動を行なっている。内外のオーケストラとの共演も数多く、そのうち、ザルツブルク室内オーケストラ、下北山弦楽オーケストラとのライブ録音が、カウベルホールよりCDリリースされている。後進の育成にも力を注ぎ、各地で門下出身の若手ピアニストが活躍している。全日本ピアノ指導者協会正会員、同鳥取県支部事務局、鳥取オペラ協会ピアニスト。ハーモニッシェの会主宰。


曲目解説

ドビュッシーのこと

 クロード・アシル・ドビュッシー(Claude Achille Debussy, 1862年8月22日〜1918年3 月25日)は、フランスの作曲家であり、今年はちょうど没後100年の記念年になります。今回のアザレアのまち音楽祭のオープニング・コンサートの一部で、ドビュッシー作品をご紹介いたします。
 ドビュッシーの音楽は印象主義音楽と俗に呼ばれています。印象派という表現はもともと、新進画家グループ(モネ、ドガ、セザンヌら)に共通していた表現様式に対する揶揄表現が定着したものであり、音楽における《印象主義》も、若手作曲家の作品への揶揄の意味合いを込めて用いられた表現だったのです。しかし、現代では、印象派の作品は絵画でも音楽でも人気が高く、聴衆に愛され続けています。

無伴奏フルートのための「シランクス(パンの笛)」
『シランクス』(フランス語: Syrinx)は、1913年に作曲された無伴奏フルート作品。19世紀末から20世紀前半に活躍したフランスの名フルート奏者、ルイ・フルーリーに献呈されたもので、現代ではフルート奏者にとって不可欠の曲目となっています。

第1狂詩曲
 クロード・アシル・ドビュッシー(Claude Achille Debussy, 1862年8月22日〜1918年3 月25日)は、フランスの作曲家であり、今年はちょうど生誕150年の記念年になります。今回のアザレアのまち音楽祭のオープニング・コンサートの一部で、ドビュッシー作品をご紹介いたします。
クラリネットとピアノのための作品。パリ音楽院の卒業試験の課題曲として1910年書かれた作品。ドビュッシーは「私の書いた作品のなかでも最も愛すべきもの」と述べている。そして、クラリネット奏者にとっての重要なレパートリーとしてよく演奏されるが、演奏は容易ではない。

神聖な舞曲と世俗的な舞曲
トレ・モデレ(Très modéré) 2分の3拍子      モデレ(Modéré) 4分の3拍子

1904年に作曲した、ハープ独奏と弦楽合奏のための作品。緩・急2曲からなるが、続けて演奏される。

牧神の午後への前奏曲 ホ長調 辺見康孝編曲
この曲はドビュッシーが敬愛していた詩人 マラルメ の『牧神の午後』(『半獣神の午後』)に感銘を受けて書かれた作品です。" 夏の昼下がり、好色な牧神が昼寝のまどろみの中で官能的な夢想に耽る"という内容です。牧神の象徴である「パンの笛」をイメージする楽器としてフルートが重要な役割を担っています。牧神を示す主題はフルートソロは、嬰ハ音から始まるが、これはフルートの響きが悪いとされる音であり、中音域で演奏される。しかし、ドビュッシーはこの欠点を逆手にとり、「けだるさ」「ぼんやり」とした独特な曲想を作り出しています。

シューベルトのこと

 靴ひも(シュー=靴/ベルト=ひも)と言う名前のシューベルトは、19世紀前半に活躍した、初期ロマン派の代表格とも言える作曲家であり、美しいメロディ・ラインとそれに伴う豊潤な和音構成が特徴的で、誰からも愛される作曲家です。現代においても、バッハ、ベートーヴェン、そしてシューベルトと一般的な知名度の高い作曲家です。管弦楽曲で「未完成」と呼ばれるものから、ピアノ曲「楽興の時」、歌曲集「冬の旅」などは、特に有名です。とりわけ600曲以上もの「ドイツ・リート」を作曲した事から「歌曲王」と呼ばれ、ポピュラーな作品も数多くあります。中でも歌曲『魔王』は、おそらくほとんどの日本人が中学生時代の音楽の授業で鑑賞しているはずです。他にも『アヴェ・マリア』、『鱒』、『野ばら』、『子守歌』などが知名度の高い作品があります。

ピアノ五重奏曲 イ長調 D667「鱒」

この作品は、シューベルトが1819年に作曲したものです。シューベルトが22歳、まだ若々しく希望と幸福にあふれていた時期の名作として知られています。シューベルトのピアノ五重奏曲は、この曲のみであり、副題の「鱒」として有名です。それは、第4楽章が歌曲『鱒』D550の旋律による変奏曲であるために、『鱒』という副題が付いたのです。歌曲が先にあり、それを変奏曲に仕上げ、水の中に現れては消える鱒のモチーフとしている。
作品は、5つの楽章から構成される。
第1楽章 : アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調。 この時代の多楽章作品における通例通り、ソナタ形式をとっている。
第2楽章 : アンダンテ ヘ長調、二部形式。複雑な転調が特徴。
第3楽章 : スケルツォ - プレスト イ長調。トリオはニ長調。
第4楽章 : アンダンティーノ - アレグレット ニ長調。『鱒』による変奏曲。弦楽器のみにより主題が提示された後、6つの変奏が続く。第4変奏はニ短調、第5変奏は変ロ長調になる。第6変奏はコーダを兼ねている。
第5楽章 : アレグロ・ジュスト イ長調、ソナタ形式。途中で第4楽章が変形されて回想される。



ご案内

 昨年スタートしたダブルカルテット仕様のアザレア弦楽合奏団演奏会は、今年は規模を縮小してガラ・コンサートを開催いたします。その理由は、今年の4.5.6月に、倉吉未来中心大ホールがメンテナンス休館となり、代替として300人収容の小ホール公演となったわけです。そして、カルテットを中心に据えて、テーマ「〜ドビュッシー没後100年に寄せて〜」と「〜シューベルトの鱒〜」を音楽監督「辺見康孝氏」のプログラミングで公演いたします。常連演奏家の稲田真司氏(フルート)には、無伴奏の「シランクス」を、クラリネットの杉山清香氏には、「第1狂詩曲」を演奏して頂きます。そして、辺見氏の編曲による「牧神の午後への前奏曲」は今回のメンバーが総動員して演奏致します。二部では、アンサンブル・ピアノの名手「新田恵理子氏」を加え、誰でもご存知の「鱒」を披露いたします。どうぞご期待ください。