倉吉 アザレアのまち音楽祭
第34回 倉吉 アザレアのまち音楽祭2016
ごあいさつ

平成28年2月

4つのPで音楽祭を創る

アザレアのまち音楽祭 芸術監督 計羽孝之


 アザレアのまち音楽祭は、今年創設34年を迎えますが、そのプログラム運営に初めて大きな亀裂が生じてしまいました。今は、その要因を解明する事よりも、新しい音楽祭を再創造することを考えた方が、未来志向であり、新たな飛躍が期待できるのではと楽観的に考えています。そして事業展開の原点に戻り、4つのP(Projects, Peers, Passion, Play)を考えながら再構築しなければと思います。
 最初のProjects(新しいものを考え出し,実現させるための研究と事業展開)は、基本的に今までの音楽祭理念を踏襲しながらも、社会性の担保された演奏会組織(演奏家集団)を作りたいと思います。具体的に音楽に触れていただき、聴衆の心に届いた感動を永続させる音楽祭にするべきなのです。その感動のリピーターたちを悲しませたくないのです。
 次にPeers(同僚・仲間たち)と共に、音楽祭の喜びを共有しなくてはなりません。演奏者側の都合で、聴きたいと期待している聴衆の意を蔑ろにしてはならないということです。信頼関係とは、お互いの意に添いあう事だと心しなければなりません。
 一番大切なのはPassion(情念,感情,激情,熱情)です。「負」のパッションは音楽祭に相応しくありません。音楽という芸術は、聴衆が居て、初めて成立するものであり、聴きたいと言う情熱が湧き上り、それに呼応して演奏する意欲がふくらみ、共に音楽の楽園を創りださなければならないのです。一方的に聴衆を選んではならないし、期待に応えるのが演奏家たちの心情だと心したいものです。
 そして忘れてはならないのが、Play(遊ぶこと・遊び)ということ。音楽を聴くにしても演奏するにしても「遊び心」は、誰の人生にとっても最も大切な行動の原点だと思います。Play(演奏)が始まると、私たちの心はPray(祈ること)に変わります。私達の心のうちに音楽の祈りが広がるのです。
 私たちは、この「4つのP」を担保するコンサート企画を作り上げ、新しいアザレアのまち音楽祭を再創造したいと願っています。





平成28年2月

倉吉にいながらにして
質の高い演奏を安価で鑑賞できる演奏会


倉吉市長 石田 耕太郎


 春の暖かな日差しで花々が芽吹きはじめる季節の中、今年も「アザレアのまち音楽祭」が盛大に開催されますことを心よりお喜び申しあげます。
 さて、現在、我が国では、人口減少による様々な問題に対応するため、全国で地方創生の取組が行われています。本市においても「倉吉市未来いきいき創生本部」を立ち上げ、各種団体代表者などによる検討会議、市内13地区での市民対話集会や経済青年団体、地元大学生、高校生などとの意見交換も行いながら、平成27年10月に「倉吉市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。その基本姿勢は、“生涯にわたり「人財」を育み、その「人財」が活躍する地域の創出”と定めたところです。まさに、「アザレアのまち音楽祭」の実践は地方創生でめざす基本姿勢と同じベクトルを持つものであり、あらためて関係各位の多大なるご熱意とご尽力に深く敬意を表する次第であります。
 今年で第34回を迎えた「アザレアのまち音楽祭」は、その卓越した企画力とマネジメント力はもちろん、地元出身の演奏家が出演し、市民自らが企画運営する鳥取県最高の芸術祭として高く評価されている市民音楽祭です。今年度は、日韓親善オペラ公演を皮切りに、山陰を代表する優れた演奏家による多彩な公演が組まれています。倉吉にいながらにして質の高い演奏を安価で鑑賞できる演奏会であり、ぜひ、多くの市民がコンサート芸術を堪能し、心豊かな時間を共有できる機会となることを願っています。
 結びに、この音楽祭のご盛会と関係各位のご健勝を祈念してお祝いのご挨拶といたします。