倉吉 アザレアのまち音楽祭
第33回 倉吉 アザレアのまち音楽祭2015
ごあいさつ

平成27年5月

ごあいさつPart.2
進化する演奏家たち

アザレアのまち音楽祭 芸術監督 計羽孝之


 今年のアザレアのまち音楽祭は、33年間の歴史の中で、オープニングコンサートに最も多くの聴衆を集め、それらの皆さんに真摯に聴いていただき、音楽の素晴らしさを堪能していただけたようです。なおかつ、聴衆の皆さんから寄せられた賞賛の嵐を体験することになり、主催者としてこれほど嬉しいことはありませんでした。ありがたいことです。
 普段のオープニングは、アザレア室内オーケストラの演奏が中心ですが、今回のように、他の組織と協働するコンサートはこれまで再三体験しています。特に米子第九合唱団とのモーツァルトやフォーレのレクイエム、そして昨年のロッシーニのスタバトマーテルの大成功を基に、今回の魔笛ガラが受け継がれたものと喜んでおります。今回の魔笛ガラは、この秋に開催されるとりアートオペラ公演のプレイベントであり、その中心となった鳥取オペラ協会のスキル進化の賜物だと感じています。特に、鳥取県には存在しなかった素晴らしいバス歌手(琴浦町在住)の登場には、聴衆を驚嘆させるものとなりました。そして何よりも鳥取オペラ協会のソリストたちのスキルアップは著しく、夜の女王に挑戦したソプラノの、高音域で装飾的にも技巧的にも天性の資質が必要だと言われたアリアを、正確なピッチで歌いきった力量が、聴衆に大きくアピールしました。ゲスト歌手として参加いただいた二人のテノール歌手の力強い歌唱力には圧倒されるものがあり、秋の本公演を成功させるに必要な大きな原動力であることを再確認いたしました。
 私たち「アザレアのまち音楽祭」は、地域に在住する音楽家の演奏レベルと、その質と活力、様式の多様性、レパートリーの幅の広さを担保する演奏家を地域に遍在させることが大きな目標です。その目標は、この33年間と言う長いスパーンの間で、かなり培われてきたと思います。その音楽文化の醸成に最も大きく貢献したのは、2004年の国民文化祭の開催であり、その成果を一過性のものにしないために立ち上げた県民芸術文化祭であり、芸術文化団体育成の究極は、県文化団体連合会組織の助成金システムであると思います。この仕組みは、片山県政から引き継がれ、更なる拡充を図る平井県政の優れた文化行政の賜物だと肝に銘じています。
 このように進化する音楽祭環境を長年にわたって作り上げることが出来たのは、芸術に忠実で寛大な資金提供を続けてくださったスポンサーや協賛の皆様です。そしてどこまでも進化するオーケストラ指導者と参集していただいたプレイヤーの皆様です。それを、献身的に、スタッフとして、アートマネジメントして頂き、達成できたものと感謝申し上げます。音楽祭は、始まったばかりですが、どうぞ、アザレアのまち音楽祭を、お楽しみください。





平成27年2月

市民や地元企業が“誇り”とし、支援し、心待ちにしている
文化芸術のイベント!


倉吉市長 石田 耕太郎


 春便りのうれしい季節になりましたが、今年も「アザレアのまち音楽祭」が盛大に開催されますことを心よりお喜び申しあげます。
 さて、我が国は、世界に先駆けて人口減少・超高齢社会を迎えています。本市においても「未来いきいき創生本部」を設置し、人口減少社会に対応すべく本市のあり方、その取り組みをまとめているところでございます。そして、まちづくりのキーワードとして「元気、夢、誇り」を掲げています。
 第33回を迎えた「アザレアのまち音楽祭」は、“元気”な市民自らが企画運営する市民音楽祭として歴史を重ねられています。今や「アザレアのまち音楽祭」の舞台に立つことこそ地元演奏家の“夢”であり、その卓越した企画力とマネジメント力により鳥取県最高の芸術祭として高く評価されています。アザレアのまち音楽祭を多くの市民や地元企業が“誇り”とし、その開催を支援し、心待ちにしている文化芸術イベントであります。
 まさに、「アザレアのまち音楽祭」の実践こそが地域力創造のめざすモデルともいえ、あらためて関係各位の多大なるご熱意とご尽力に深く敬意を表する次第であります。
 「アザレアのまち音楽祭」は倉吉にいながらにして質の高い演奏を安価で鑑賞できる機会であり、年々どんな仕掛けや話題があるのか心を躍らせます。今年度は、オペラ「魔笛」ガラコンサートを皮切りに、山陰を代表する優れた演奏家による多彩な公演が組まれており、春の訪れとともに大いに息を弾ませているところであります。
 結びに、この音楽祭のご盛会と関係各位のご健勝を祈念してお祝いのご挨拶といたします。