倉吉 アザレアのまち音楽祭
山陰の名手たちコンサート


第10回 山陰の名手たちコンサート
プログラム


2013/11/23(祝) 倉吉未来中心大ホール14:00〜
第10回山陰の名手たちコンサート            倉吉未来中心公演プログラム

     第一部     



@吉田章一(鳥取県)  バリトン                             Piano 兼田恵理子
H.ボルフ:「庭師」
 ヴォルフ(1860−1903)が、メーリケ(1804−1875)の詩に作曲した「メーリケ歌曲集」(1888年、前53曲)の中の第17曲。「私が丹精こめて世話したこの庭いっぱいのバラを、お嬢様、あなたに全部差し上げます!」

H.ボルフ:「あばよ!」
 同じく「メーリケ歌曲集」最終第53曲。批評家を嘲笑するように、最後はウインナワルツで楽しく終わる。「批評家があれこれ偉そうに言っているが、いちいち相手にしていられるか。ご託を並べているその尻を後ろから一蹴り・・・ガラガラドッシーン!真っ逆さまに転げ落ちていった!」




A宮本美香(島根県) サクソフォーン                          Piano 石田美智恵
ロバート・モリネッリ:「ニューヨークからの4つの絵」より
 第1楽章ドリーミー・ドーン
 第2楽章タンゴ・クラブ

 この作品は、2001年秋にイタリアを代表するサックス奏者フェデリコ・モンデルチのために作曲されたもので、大都会ニューヨークの夜明けから日没までの街を描写した作品です。ソプラノサックスによって演奏される第1楽章の「ドリーミー・ドーン」はマンハッタンの摩天楼に太陽の光が差し込む夜明け、アルトサックスによる第2楽章の「タンゴ・クラブ」は、ニューヨークに生きたアストル・ピアソラに捧げられ、ラテンの調べが流れる都会のクラブの喧騒を描いています。




B塩崎めぐみ (鳥取県)  アルト                           Piano 兼田恵理子
 ワグナー: 舞台神聖祝典劇「パルシファル」より
 〜ひどい人!もし痛みを感じるならば〜

 『パルシファル』は、ワグナーが最後に書いた楽劇作品で、彼が自身の著作権が有効な間は、バイロイト祝祭劇場に独占上演権を与えたことで有名な「舞台神聖祝典劇」。このアリアは、呪われた女、クンドリーによって歌われる。このアリアの直前、主人公の男は、自分の名が「パルシファル」であることを、このクンドリーから教えられ、彼女からキスを受けることで、唐突に「愛」と「愛欲」を理解し、今までの己の「無智」の罪を贖うために、他者を救済するという自分の使命を悟り、救済の道に向かう。それに対し、クンドリーは、このアリアの中で、自分の苦悩を贖罪し救済して欲しいので抱いてくれるようパルシファルに訴える。




C杉山清香 (鳥取県)  クラリネット                            Piano 渡邊芳恵
ジョアッキーノ・ロッシーニ:「クラリネットとピアノのための変奏曲」
 ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)によるクラリネットの作品は、19世紀前半のイタリアのクラリネット奏者によって主たるレパートリーとして好んで取り上げられていた。そういった奏者の一人がクラリネットのパガニーニと称されたエルネスト・カヴァリーニ(1807-1874)である。この作品は1809年頃に作曲され後にスィルヴィオ・オミッツォーロが編曲。初出版はライプツィヒで1824年、アレッサンドロ・アバーテに献呈された。




D寺内智子 (鳥取県)  ソプラノ                           Piano 新田恵理子
 ロッシーニ:狂宴
 「セビリアの理髪師」や「ウィリアム・テル」などの有名なオペラを作曲したことで知られるイタリアの作曲家ジョアキーノ・ロッシーニは、37歳でオペラ作曲家を引退し、その後はサロン風の歌曲やピアノ曲の作曲に専念しました。歌曲集「音楽の夜会」全12曲の第4曲で、酒と女の楽しみを高らかに歌い上げた陽気な曲です。歌詞に登場する「バッカス」は、ローマ神話に登場する酒(ワイン)の神です。

 モーツァルト:オペラ「ツァイーデ」より〜安らかにお休み、愛しいお方よ。
 モーツァルトの未完のオペラ、「Zaide」の、ヒロインであるツァイーデのアリア。他国から捕えられてきて、トルコ皇帝の後宮に入れられた美しい奴隷娘のツァイーデ。自分と同じ様に、他国から捕えられてきた奴隷のゴーマッツに恋をします。きつい労役のために疲れ果てて眠るゴーマッツの枕元で、優しく歌いかけるツァイーデ。愛しい人への子守唄です。




     第二部     



E渡邊寛智(鳥取県)   バス                              Piano 渡邊芳恵
 ヴェルディ:亡命者
 ヴェルディの出世作であるオペラ『ナブッコ』の台本作家T.ソレーラの作詞による歌曲。バス歌手のために作曲された亡命者の孤独な心情を訴える作品。

 ヴェルディ:乾杯
 初期のオペラと同じ時期に書かれた歌曲。リズミカルな旋律と伴奏が心地よい作品である。現在は改訂された第2稿で歌われることが多い。




F野津美和子 (島根県)  ソプラノ                            Piano 三浦芳男
 プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より
 リューのアリア(第1幕)“お聞き下さい、王子様”

 時は伝説の時代。場所は中国北京。ティムールに仕えていた女奴隷リューは、ひそかに王子カラフを慕っていたが、トゥーランドットに心を奪われたカラフは謎解きに挑戦すると言い出す。解けなければ殺されて老いた彼の父も取り残されてしまうと泣きながらリューは懇願する。

 リューのアリア(第3幕)“氷のような姫君の心も”
 時は伝説の時代。場所は中国北京。ティムールに仕えていた女奴隷リューは、ひそかに王子カラフを慕っていたが、トゥーランドットに心を奪われたカラフは謎解きに挑戦すると言い出す。解けなければ殺されて老いた彼の父も取り残されてしまうと泣きながらリューは懇願する。




G西岡千秋(鳥取県)   バリトン                              Piano 瀬川則子
モーツァルト:オペラ 《フィガロの結婚》より 伯爵のアリア 『もう訴訟に勝っただと!』
 伯爵が第3幕で歌うアリア。「自分がため息をついている間に、召使が幸福になるなんて許せない」と歌う。




第10回公演記念ゲスト

山本耕平  テノール
共演

佐々木まゆみ
ソプラノ  (鳥取県)


新田恵理子
ピアノ  (鳥取県)

プッチーニ( Puccini):歌劇「ラ・ボエーム」(La Boh・me)第一幕より
 『ラ・ボエーム』とは、「ボヘミアン」のことです。1830年当時のパリに多くいた芸術家の卵たちはみな貧しく、けれども、みな希望に胸あふれ、生き生きと過ごしていました。そんなボヘミアンの特別でない日常的な風景を、このオペラは描き出しています。何と言っても有名なのは、ロドルフォとミミが恋に落ちるシーンです。暗闇の中、先に鍵を拾ったロドルフォは、それをポケットに入れ、再び鍵を探すふりをして、ミミの手を握ります。このとき歌われるロドルフォのアリア「冷たい手を」と、続けてミミが自分のことを歌うアリア「私の名はミミ」の2つのアリアで、二人は強烈に引きつけられました。このアリア2曲で恋に落ちる二人。プッチーニの音楽マジックです。

 “気がのらない” (Non sono in vena)

 “なんて冷たい手” (Che gelida manina)
 ロドルフォのアリア//テノーレ・リリコの定番アリアで、詩人ロドルフォが「貧しいながらも詩作を通じて夢を求めている」と歌い、ミミに早くも心を奪われたと恋心を打ち明けます。

 “私の名はミミ” (S・, mi chiamano Mim・)
 ミミのアリア//ソプラノ・リリコの代表的なアリアです。「皆は私のことをミミと呼ぶけれど、本名はルチア。お針子をしていて、教会には余り行かないがいつも神様に祈っています。私の部屋は(屋根裏部屋なので)春の太陽を最初に見られるの」と語ります。

 “優雅なおとめよ” (O soave fanciulla)

ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より “フォンテンブロー、広大で淋しい森”
 16世紀のスペインに実在した国王フェリペ2世とその息子ドン・カルロの人生に着想を得て書かれたヴェルディ中期の傑作。“フォンテンブロー、広大で淋しい森”は、多彩な登場人物が織りなす愛と政治を巡る壮大な物語の冒頭、花嫁を一目見るため遠くスペインからフランスの森へとやってきたカルロが、垣間見た彼女の麗しさを讃え、神の祝福を願い歌われるアリア。



(演奏順)

入場料:一般2,000円 学生1,000円 (全席自由)

主催:倉吉文化団体協議会・アザレアのまち音楽祭2013企画実行委員会
助成:公益財団法人エネルギア文化・スポーツ財団



2013/11/24(日) プラバホール15:00〜
第10回山陰の名手たちコンサート             プラバホール公演プログラム

     第一部     



@米山麻美(島根県) パイプオルガン
D.ブクステフーデ:前奏曲ト短調BuxWV149
 ブクステフーデは17世紀北ドイツ・オルガン楽派の頂点を築いた作曲家・オルガニストで、バッハに多大な影響を与えたことでも知られる。本作品は、導入‐第1フーガ−間奏−第2フーガ−終結部の5部構成からなり、即興的、流動的、内省的、神秘的な彼の作風が見事に凝縮されている。




A南波美穗(島根県) ソプラノ                               Piano 渡邉直子
越谷達之助(詞:石川啄木):初恋
 石川啄木「一握の砂」の一首に越谷達之助が曲をつけたもの。抒情的な旋律に初恋の切なさや風景が描かれた名曲である。

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より“かわいい坊や”
 夫ピンカートンの帰りを待ち続ける蝶々さんであったが、夫の本国アメリカに本妻がいること知る。自分が捨てられたと知った蝶々さんが名誉の死を選び、愛する我が子を抱きしめながら歌う激しいアリア。




B三島文佳(島根県) ヴァイオリン                            Piano 代 香織
ヴュータン:6つのサロン風小品Op.22より「夢」
 アンリ・ヴュータンは19世紀にフランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニストです。ヴァイオリニストとして脂の乗っていた時期に作曲された6つの曲からなる曲集の中の一曲で、美しいメロディがふんだんに盛り込まれています。




C梶川邦子(鳥取県) ピアノ
E.グラナドス:演奏会用アレグロ
 スペイン国民主義の重要な作曲家であるグラナドスの作品の中でも人気の高い「演奏会用アレグロ」は、1903年マドリード王立音楽院が行った〈卒業演奏会用課題曲〉の作曲コンクールで審査員全一致の1位に輝いた作品である。




D佐々木まゆみ(鳥取県)  ソプラノ                           Piano 渡邊芳恵
R.レオンカヴァッロ:オペラ「道化師」より 鳥の歌
 道化師である、カニオの妻ネッダは一座の主演女優だが、ある村で青年と恋に落ちる。そのことに対して「カニオは私のこの秘密に感づいているのかしら。恐ろしい。でもいいの、どうなっても!小鳥たちは自由に大空を飛び回っている。行きつく先はきっと素敵な国、夢を求め私も自由に飛び回りたい!」と歌うアリア。




E宮本美香(島根県) サクソフォーン                         Piano 石田美智恵
 ロバート・モリネッリ:「ニューヨークからの4つの絵」より
 第1楽章ドリーミー・ドーン
 第2楽章タンゴ・クラブ

 この作品は、2001年秋にイタリアを代表するサックス奏者フェデリコ・モンデルチのために作曲されたもので、大都会ニューヨークの夜明けから日没までの街を描写した作品です。ソプラノサックスによって演奏される第1楽章の「ドリーミー・ドーン」はマンハッタンの摩天楼に太陽の光が差し込む夜明け、アルトサックスによる第2楽章曲の「タンゴ・クラブ」は、ニューヨークに生きたアストル・ピアソラに捧げられ、ラテンの調べが流れる都会のクラブの喧騒を描いています。



     第二部     



FアンサンブルSHADE(トロンボーン4重奏)
 <メンバー:竹田篤司、隅田誠、楠見公義、松本弘一>
 高嶋圭子:トロンボーン四重奏のための組曲「砂の丘を越えて」より
   (アンサンブルSHADE委嘱作品、鳥取県を主題とした作品)

 アンサンブルコンテスト全国大会金賞をきっかけに、アンサンブルSHADEが高嶋圭子氏に委嘱した作品。鳥取を旅した印象をもとに、日本人の心にある普遍的な自然を愛する気持ちを表している。本日は5曲のうち4曲を演奏する。
 「Introduction」/「向日葵笑ふ」大山のふもとで遭遇した一面の向日葵。/「白うさぎのうた」可愛いけどちょっとずる賢い、でも憎めない因幡の白兎。/「砂の丘を越えて」砂丘の向こうには、さらに広く果てしなく広がる日本海の青い海。




G杉山清香 (鳥取県)  クラリネット                            Piano 渡邊芳恵
ジョアッキーノ・ロッシーニ:「クラリネットとピアノのための変奏曲」
 ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)によるクラリネットの作品は、19世紀前半のイタリアのクラリネット奏者によって主たるレパートリーとして好んで取り上げられていた。そういった奏者の一人がクラリネットのパガニーニと称されたエルネスト・カヴァリーニ(1807-1874)である。この作品は1809年頃に作曲され後にスィルヴィオ・オミッツォーロが編曲。初出版はライプツィヒで1824年、アレッサンドロ・アバーテに献呈された。




H山崎啓史(島根県)  トランペット                            Piano 代 香織
ジョルジュ・エネスコ:レジェンド
 ルーマニア出身のエネスコは、20世紀前半を代表するヴァイオリニストでもあった。作曲をフォーレとマスネに師事しており、そのフォーレを連想させる旋律、和声法が見事な均衡を保った作品が、このレジェンドである。重く尊重な主部と、技巧的なパッセージとで曲が構成されている。




第10回公演記念ゲスト

山本耕平  テノール
共演

野津美和子
ソプラノ  (島根県)


新田恵理子
ピアノ  (鳥取県)


プッチーニ( Puccini):歌劇「ラ・ボエーム」(La Boh・me)第一幕より
 『ラ・ボエーム』とは、「ボヘミアン」のことです。1830年当時のパリに多くいた芸術家の卵たちはみな貧しく、けれども、みな希望に胸あふれ、生き生きと過ごしていました。そんなボヘミアンの特別でない日常的な風景を、このオペラは描き出しています。何と言っても有名なのは、ロドルフォとミミが恋に落ちるシーンです。暗闇の中、先に鍵を拾ったロドルフォは、それをポケットに入れ、再び鍵を探すふりをして、ミミの手を握ります。このとき歌われるロドルフォのアリア「冷たい手を」と、続けてミミが自分のことを歌うアリア「私の名はミミ」の2つのアリアで、二人は強烈に引きつけられました。このアリア2曲で恋に落ちる二人。プッチーニの音楽マジックです。

 “気がのらない” (Non sono in vena)

 “なんて冷たい手” (Che gelida manina)
 ロドルフォのアリア//テノーレ・リリコの定番アリアで、詩人ロドルフォが「貧しいながらも詩作を通じて夢を求めている」と歌い、ミミに早くも心を奪われたと恋心を打ち明けます。

 “私の名はミミ” (S・, mi chiamano Mim・)
 ミミのアリア//ソプラノ・リリコの代表的なアリアです。「皆は私のことをミミと呼ぶけれど、本名はルチア。お針子をしていて、教会には余り行かないがいつも神様に祈っています。私の部屋は(屋根裏部屋なので)春の太陽を最初に見られるの」と語ります。

 “優雅なおとめよ” (O soave fanciulla)

ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より “フォンテンブロー、広大で淋しい森”
 ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より “フォンテンブロー、広大で淋しい森” 16世紀のスペインに実在した国王フェリペ2世とその息子ドン・カルロの人生に着想を得て書かれたヴェルディ中期の傑作。“フォンテンブロー、広大で淋しい森”は、多彩な登場人物が織りなす愛と政治を巡る壮大な物語の冒頭、花嫁を一目見るため遠くスペインからフランスの森へとやってきたカルロが、垣間見た彼女の麗しさを讃え、神の祝福を願い歌われるアリア。



(演奏順)

入場料:一般2,000円 学生1,000円 (全席自由)
9月22日(日)午前10時より各プレイガイドにて発売開始

主催:松江市・松江市教育委員会・(公財)松江市スポーツ振興財団(プラバホール)
助成:ごうぎん島根文化振興財団助成事業