倉吉 アザレアのまち音楽祭
サロン・オペラ「河童譚」

2013年6月15日(土)19:30〜 倉吉交流プラザ 1500円


第一部 オペラガラコンサート

第二部 河童譚

作曲 石桁真礼生

演出 西岡千秋

ピアノ 未定

出演
 <河童>山田康之  <お花坊>尾前加寿子  <おっ母さん>米澤 幸  <与作>北村保史

河童譚 は、もともと4重唱とピアノ連弾のために書かれた曲です。作詞は松本重真、そして作曲は石桁真礼生 であり、往々にしてミニオペラとして上演されることが多い。


プロフィール

山田 康之

(やまだ やすゆき)Bariton
 鳥取大学教育学部卒業。西岡千秋氏に師事。 1996年、鳥取オペラ研究会公演「河童譚」「子うさぎましろのお話」に出演。1998年、アザレアのまち音楽祭バリトン・ソロコンサートに出演。オペラ出演はこれまで「コシ・ファン・トゥッテ」のグリエルモ役、「フィガロの結婚」では二度のタイトルロールを歌い、「魔笛」ではパパゲーノ役をこなした。国民文化祭とっとり2002オペラ「ポラーノの広場」公演においてテーモ役を歌い高い評価を得てきている。2005年は「アマールと夜の訪問者」でメルキオール役を歌い好評を博した。昨年は、オペラ「こうもり」でアイゼンシュタインを歌った。現在、公立小学校に勤務。鳥取オペラ協会理事。

尾前 加寿子

(おまえ かずこ) Soprano
 作陽音楽大学声楽科卒業。モーツァルテウム音楽院(オーストリア)にて声楽を学ぶ。 坂本朱美、ルドルフ・クノール、平野弘子の各氏に師事。 1991年、帰国記念リサイタル後、リサイタル2回。1996年、モーツァルト「レクイエム」ソリスト(米子公演)、鳥取オペラ研究会公演「河童譚」「子うさぎましろのお話し」、1998年アザレアのまち音楽祭、鳥取オペラ協会公演「フィガロの結婚」にスザンナ役、2000年「魔笛」公演ではパミーナ役で好演する。国民文化祭とっとり2002オペラ「ポラーノの広場」公演でロザーロ役、2006年の「コシ・ファン・トゥッテ」でフィオルディリージ役、 2008年「イソップオペラ三部作」では、「金の斧・銀の斧」で水の精を歌う。鳥取県の音楽家たちコンサート出演。鳥取ゾリステン、鳥取オペラ協会理事。

米澤 幸

(よねざわ さち)Alto
 島根県立島根女子短大卒業。声楽を平野弘子氏に師事。 「こうさぎマシロのお話」「河童譚」「フィガロの結婚」「魔笛」「コシ・ファン・トゥッテ」「イソップオペラ三部作(金の斧、銀の斧)」等に出演。現在、山陰合同銀行勤務。

北村 保史

(きたむら やすし)Tenor
 鳥取大学教育学部卒業。声楽を西岡千秋、平野弘子の各氏に師事。1990年、国民文化祭独唱部門に出演。 1995年及び2001年11月デュオリサイタル開催。1998年鳥取オペラ研究会公演「コシ・ファン・トゥッテ」に出演。鳥取オペラ協会第1回公演「フィガロの結婚」にバジリオ、クルティオの二役で出演し、その演技力が高く評価された。鳥取オペラ協会第2回公演「魔笛」に出演。国民文化祭とっとり2002オペラ「ポラーノの広場」公演において給仕役で出演、好評を得る。現在、公立小学校勤務。鳥取オペラ協会会員


ご案内

 鳥取オペラ協会の前身である鳥取オペラ研究会(1996年)の試演会で公演したのが、今回のオペレッタ「河童譚」なのです。今から17年も前のことになりますが、オペラのセオリーもわからず、意欲だけが燃え滾っていた時代だったのでしょう。オペラ体験者は鳥大の西岡千秋先生しか存在しない状況でしたので、まずは取り組みやすいものから手掛けようとしたものです。しかし、この取り組みは、各地のオペラ団体の黎明期では、似たようなスタートを切っています。ところで、鳥取県のオペラ公演の原点は、西岡千秋先生が鳥大に赴任してからの事です。着任して間もない頃(1983年)に、大学時代の後輩の方と、「電話」(出演者2人)を県内三か所で公演したのが始まりです。その後(1988年)「バスティアンとバスティエンヌ」(出演者3人)を上演し、8年の歳月を経て「河童譚」(出演者4人)に到達したのです。この河童譚はそんな意味で記念碑的な作品です。当時は、よりオペラティックに上演したいとダブル・カルテットにし、村人のコーラスをつけたりしていました。今回の公演の面白さは、初演した1996年時と同じメンバーによって演じるところにあります。17年の歳月が、河童譚にどんな味わいを付け加えたのか楽しみです。
 この物語は、福島県白河地方の民話で、1匹の河童が3人の人間をだます愉快な話に取材したものです。 元々、Sp.Alt.Ten.Basの四重唱曲として書かれた短い作品です。初演では、4人の登場人物に村人のコーラスをつけたバージョンで公演しましたが、今回は、4人のみです。物語は、ある村のはずれにある沼に、人間をだましては喜んでいる河童がすんでいました。村の貧しい百姓の息子の与作は、村のかわいい娘お花が大好きでした。お花は村長の息子長太郎の事が大好き。これを聞きつけたいたずら河童が、長太郎に化けていたずらを始めるのです。このオペレッタでは、欲の深い人間が空想の世界の河童にだまされてしまう、人間の業を描いていますが、笑いの中にアイロニーを感じさせるミニオペラの傑作です。演出は当時と同じ西岡千秋氏が担当し、色あせない河童譚を見せてくれるでしょう