倉吉 アザレアのまち音楽祭
ミニ・リサイタル・リレーコンサート@
村岡苑子チェロ・リサイタル

Piano 渡邊智道
2012年6月3日(日)11:00〜12:00 倉吉交流プラザ 700円


第一部
@ 無伴奏チェロ組曲 (カサド作曲)
20世紀スペインを代表するチェリストのひとり、ガスパール・カサド(1897〜1966)の作品。作曲家としても協奏曲や室内楽曲などを残している。この『無伴奏チェロ組曲』も、多くのチェリストに愛奏されている作品で、1926年に作曲され、恩師カザルスに献呈されている。全体は、「プレリューディオ・ファンタジア」「サルダーナ」「インテルメッツォ・エ・ダンツァ・フィナーレ」の3つの楽章からなり、いずれもスペイン情緒に満ちあふれた、情熱的な音楽が展開される。


第二部
@ チェロソナタ第一番(ブラームス作曲)
ブラームスは生涯で2曲のチェロソナタを残している第1番は1865年の夏に完成されている。本来このチェロソナタを全4楽章の作品として構想していたが、上記の通り緩徐楽章を削除したため、全3楽章の作品となった。
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ホ短調、4分の4拍子、ソナタ形式。
第2楽章 アレグレット・クワジ・メヌエット イ短調、4分の3拍子、三部形式。
第3楽章 アレグロ ホ短調、4分の4拍子。自由なフーガによる楽章。主題はバッハのフーガの技法から、コントラプンクトゥス]Vを引用している。


プロフィール

村岡 苑子

(むらおか そのこ)Cello
1992年 鳥取県出身。5歳よりチェロを始め、これまでに門脇大樹、雨田一孝、宮城 健、山崎伸子の各師に師事。2001年 日本クラシック音楽コンクールチェロ部門「好演賞」。2004年 泉の森ジュニアチェロコンクール小学生の部「銀賞」、2005年 中学生の部「奨励賞」、2010年 高校生の部「国際ソロプチミスト大阪りんくう奨励賞」。2010年 霧島国際音楽祭にて堤剛氏のマスタークラス受講、英国王立音楽院Jo Cole氏の公開レッスンを受講。2011年 澤和樹指揮 弦楽合奏合宿に参加、岩手公演出演。2012年 日墺文化協会主催「フレッシュ・コンサート・オーディション」合格。紀尾井ホールにてコンサート出演。東京芸術大学音楽学部付属音楽高等学校を経て、現在東京芸術大学音楽学部2年在学中。

渡邊智道

(わたなべ ともみち)Piano
 大分県別府市出身。現在東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻2年在学中。2010年 別府アルゲリッチ音楽祭「若手ピアニストによるリサイタル」出演。同年フッペル鳥栖ぴあのコンクール優勝ならびに月光賞。2011年 九州交響楽団定期演奏会ソリスト出演。同年沖縄で「東日本大震災チャリティーリサイタル」開催。これまでにピアノを大分にて塩手美子、中島利恵氏に、上京後は植田克己氏に師事。


ご案内

 今年度のミニ・リサイタル・リレーは、アザレアのまち音楽祭に初お目見えの新人と、既にキャリアを積んだ方を4名ご出演いただきます。このリレーコンサートはリサイタル形式を採っていますが、規模が少しだけ小さいだけで、一般的なリサイタルとほぼ同じ内容です。ですから、それぞれの演奏家の皆さんを、じっくり聴いていただけるものと思います。
 まず、最初にご紹介するのは、村岡苑子さんです。私は、村岡さんのチェロを聴いたことがありませんが、これまでのキャリアは大学一年生とは思えないものがあります。澤和樹氏の弦楽合奏合宿に参加していたとのことですので、もしかしたら、トゥッティで聴いていたかもしれません。今回のプログラムは、カサドの無伴奏組曲を一部に持ってきて、二部にブラームスを配置すると言うオーソドックスではあるが、かなり刺激的なものに成っています。若き俊才が、どのような演奏を私たちに聴かせてくれるか、大いなる期待をし、素晴らしい楽興の時をもたらしてくれることを楽しみにしています。
 次にご紹介するのは、ピアニストとして既に活躍されている山本亜美さんです。山本さんは、倉吉市のリフレ・ミニコンサートの常連として、おおらかで闊達なピアノを聴かせていただいていますが、今回のプログラムはかなり大胆な構成になっています。アンコール・ピースと言われる誰でも知っている名曲の小品を、初っ端から並べ、いきなりリストの超絶技巧のプレリュードを聴かせていただくとは、若さあふれるものであり、好感が持たれます。そして二部ではしっとりしたプログラムで、聴く者を幽玄の世界に誘うものとなっています。大人の音楽を聴かせていただけるものと期待しています。
 木山さんは、これまで大阪に於いて活動されてきたクラリネット奏者です。現在は日野町にお住まいであり、関西と米子地区を主な活動拠点とされています。先日、米子市で初めてお会いしたのですが、とても華奢な雰囲気を漂わせた方のようでした。ソロの演奏はまだお聴きしていませんが、演奏会のキャリアはかなりある方ですので、期待できると思います。特に今回は2部で、関西での仲間と共にアンサンブルを聴かせていただけます。
 最後にご紹介しますのは、ソプラノの西本江里さんです。ソプラノと言うよりメゾ・ソプラノに近いではないかと思えるほど太い声の持ち主です。ですから、高音域での声に倍音が多く含まれており、力強さを持った響きがあります。リフレ・ミニコンサートにご出演いただき、その片鱗を聴かせていただきましたが、その可能性は大きいと感じています。今回は、一部に歌曲を、二部にオペラアリアをプログラムしていますが、聴きごたえのあるリサイタルになるものと楽しみにしています。

11:00〜12:00 @ 村岡苑子チェロ・リサイタル
14:00〜15:00 A 山本亜美ピアノ・リサイタル
16:00〜17:00 B 木山亮子クラリネット・リサイタル
19:00〜20:00 C 西本江里ソプラノ・リサイタル