オープニングコンサート

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プレゼンター:オムロン倉吉梶E尾崎内科医院

2006年5月7日(日)
会場:倉吉未来中心大ホール
午後2:00  700円

〜開会式典〜
@ファンファーレ 打吹音楽倶楽部ブレーメン
A会長あいさつ アザレアのまち音楽祭実行委員会会長 金澤瑞子
B来賓祝辞    倉吉市長 長谷川稔
C音楽祭賛歌   アザレア室内オーケストラ
歌/米澤 幸  指揮/小谷敏彦
[ファンファーレ/小谷敏彦作曲 音楽祭賛歌/山本喜三作曲]

アザレア室内オーケストラ演奏会
指揮/松岡 究    合唱/米子第九合唱団

プログラム
1)ハイドン「交響曲」第101番 ニ長調「時計」
第一楽章 アダージョ
第二楽章 アンダンテ
        第三楽章 メヌエット アレグレット
          第四楽章 フィナーレ ヴィヴァーチェ
2)モーツァルト「レクイエム」 
合唱/米子第九合唱団
Sp 寺内智子 Alt  阪口直子 Tn 大島博  Bass 吉田章一
    T)入祭唱 レクイエム(合唱、S)
U)求燐誦 キリエ(合唱)
V)続 誦 セクエンツィア
怒りの日(合唱)/不思議なラッパの音(S,A,T,B)
/恐るべき御陵威(みいず)の大王よ(合唱)
/思い出してください、慈れみ深いイエス様(S,A,T,B)
/呪われた者よ(合唱)/涙の日(合唱) 
W)奉献誦 オッフェルトリウム
主イエス・キリスト(合唱、S,A,T,B)
/いけにえと祈りを(合唱) 
X)聖なるかな(合唱) サンクトゥス
Y)祝福されますように(合唱、S,A,T,B)ベネディクトゥス
Z)神の子羊(合唱) アニュス・デイ
[)聖体拝領誦 コンムニオ
 絶えざる光もて(合唱、S)

【指揮者プロフィール】
松岡 究(まつおか はかる)
 1987年、東京オペラ・プロデュース公演「ビバ!ラ・マンマ」(ドニゼッティ作曲)を指揮しデビュー。その後、文化庁優秀舞台奨励公演で「蝶々夫人」(プッチーニ作曲)、「オテロ」(ロッシーニ作曲)を指揮。その他「ヘンゼルとグレーテル」「婚約手形」「カルメン」「椿姫」「ドン・ジョヴァンニ」「ハムレット」等の作品も高く評価されている。
 新国立劇場には「ねじの回転」(ブリテン作曲)、「ドン・ジョヴァンニ」(ガッツァニーガ作曲)、「恋は御法度」(ワグナー作曲)や「ハムレット」(トマ作曲)で既に登場しているオペラ指揮のベテラン。
 鳥取県に於いてはミンクス室内オーケストラ結成以来継続して、すべてのコンサートに登場している。そして、これまで6回の第九公演、第九合唱団との共演によるモーツァルトのレクイエム、フォーレのレクイエム、バッハの「ミサ曲ロ短調」、ヴィヴァルディのグローリア、ヘンデルのメサイア等を手がけている。更に、鳥取オペラ協会設立の1999年以来、「フィガロの結婚」及びその再演、「魔笛」、国民文化祭オペラ公演の新作オペラ「ポラーノの広場」の初演、「ドン・ジョヴァンニ」と続き、昨年の秋には「ポラーノの広場」の再演も手がけている。昨年の秋には、国民文化祭ふくい2005のオペラ公演でオペラ「つめ草の道標〜ポラーノの広場への道〜」の指揮を、年末には、鳥取オペラ協会公演のオペラ「アマールと夜の訪問者」を指揮し好評を博した。現在、東京オペラ・プロデュース指揮者、ローム財団の派遣による在外派遣研修員としてベルリン在住。

【オーケストラ・プロフィール】
アザレア室内オーケストラ
 泊村在住の医師「吉田明雄氏」が主宰するプロ・アマ混成の極めてハイレベルな室内オーケストラです。設立当時から指揮を担当するプロの指揮者「松岡究氏」の薫陶を求め、各地のオーケストラから参集したメンバーによって編成されています。よりレベルの高い音楽の追究をしたいと、音楽家としての自立を求めるアマチュア奏者にプロ奏者がゲスト参加して、素晴らしい音楽を紡ぎ出す限りなくプロに近い演奏集団です。
メンバー
1st,Vn:吉田明雄、曽田千鶴、佐倉伸一、野村知則、
2nd,Vn:永江佳代、益尾恵美、高田明日香、矢尾真希子
Va:足立淳、長田直樹、北山三枝子
Vc: 原田友一郎、須々木竜紀、中野俊也、川元明子
DB:生田祥子、渡辺琢也、
Ob:古川雅彦、上代美樹
Fl:稲田真司、古瀬由美子
Cl:杉山清香、山田祐司
Fg:木村恵理、橋本美紀子
Hr:小椋智恵子、石和田淳
Tp:大場明夫、川口康文
Tb:楠見公義、隅田誠、松本弘
Timp:村井克弘

【ソリスト・プロフィール】
ソプラノ 寺内智子(てらうち ともこ)
 大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業。同専攻科終了。声楽を天野春美、E・ラッティ各氏に師事。関西二期会研究生を経て、1998年イタリアへ留学。M・フェラーロ氏によるマスタークラス受講。イタリアにてオペラ「ラ・ボエーム」ミミ役、「カプレーティ家とモンテッキ家」ジュリエッタ役を歌い好評を得る。帰国後も、神戸アーバンオペラ「フィガロの結婚」スザンナ役をはじめ「愛の妙薬」「カルメン」「魔笛」「ポラーノの広場」「沈黙」などのオペラに出演。第29回イタリア声楽コンコルソ金賞、第20回飯塚新人音楽コンクール大賞、第12回ABC新人オーディション最優秀賞を受賞し外山雄三指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第2位、神戸灘ライオンズクラブ音楽賞、鳥取県声楽オーディション県知事賞等受賞。2006年、鳥取県知事賞受賞者コンサートで関西フィルハーモニー交響楽団と共演。関西二期会、鳥取オペラ協会 会員。鳥取県立鳥取東高等学校非常勤講師。

アルト 阪口 直子(さかぐち なおこ)
武蔵野音楽大学卒業。東京芸術大学大学院修了。三池三郎、G.ファヴァレットの各氏に師事。武蔵野音楽大学在学中に「コジ・ファン・トゥッテ」ドラベッラ役で出演。大学院在学中にはヴェルディ「レクイエム」およびバッハの「ロ短調ミサ」のアルトソロを務める。1984年度文化放送音楽賞受賞。1985年イタリア・シエナのキジアーナ音楽院夏期講習に参加し、最優秀賞を受賞。「第九」「メサイア」をはじめ、ヴィヴァルディとペルゴレージの「スタバト・マーテル」、バッハ「クリスマス・オラトリオ」、モーツァルト「レクイエム」「ハ短調ミサ」、ロッシーニ「小荘厳ミサ」、メンデルスゾーン「エリア」(N響定期、サバリッシュ指揮)、ブラームス「アルト・ラプソディー」、マーラー「交響曲第2番〔復活〕」等のソリストとして活躍。オペラではチェスティ「オロンテーア」コリンド、モーツァルト「フィガロの結婚」マルチェッリーナ、ロッシーニ「ランスへの旅」メリベーア侯爵夫人を演じる。アンサンブル《BWV2001》メンバー、日本ロッシーニ協会会員。国立音楽大学非常勤講師。

テノール 大島 博(おおしま ひろし)
 東京藝術大学卒業、同大学院博士課程修了。藝大では渡辺高之助、高丈二、原田茂生、中山悌一の各氏に師事。86〜88年ミュンヘン音大でE.ヘフリガーに学ぶ。90〜91年D.フィッシャー・ディースカウに師事。コンサート歌手として初期バロックから現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、取り分けバッハ作品の演奏に数多く参加している。また、各地でドイツリート及び日本歌曲によるリサイタルを開く他、96年からは「ドイツリートのたのしみ」と題したレクチャー・シリーズも行っている。近年は合唱指揮者としてもその活動の幅を拡げている。アンサンブル《BWV2001》メンバー。

バス 吉田章一(よしだ あきかず)
鳥取大学教育学部卒業。広島大学大学院学校教育研究科修了。声楽を小松英典、西岡千秋、佐藤晨、吉田征夫、平野弘子の各氏に師事。ソロ・コンサート、ジョイント・コンサートのほか、モーツァルトやフォーレのレクイエム、バッハのヨハネ受難曲等のソリストを務める。また今年3月には、ヘンデルのメサイア公演でもソリストを務めた。オペラでは、モーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」に出演。特に2002年の国民文化祭オペラ公演「ポラーノの広場」では、主役のキューストを歌い圧倒的な成功をおさめた。一昨年の再演では、更にバージョンアップしたキューストを歌い、全国レベルで通用する風格を見せた。又、特筆に価するのはドイツリートに対する造詣の深さと演奏力の高さである。既にCDリリースされているシューベルトの「冬の旅」は、高く評価されている。現在、淀江小学校勤務。鳥取オペラ協会理事。

【合唱団プロフィール】
米子第九合唱団
1985年、「県民による第九公演実行委員会」により県内初のベートーヴェン「第九交響曲」公演が行われ、1990年には米子公演をより積極的に行うため「第九米子公演推進委員会」が組織された。その下部組織の合唱部会(米子第九合唱団)は第九公演以外にもオーケストラとの共演曲を選び、モーツァルトとフォーレの「レクイエム」、J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」、ヴィヴァルディ「グローリア」公演を行い好評を博した。昨年の鳥取県初のヘンデル「メサイア」全曲公演も大成功をおさめた。1995年から松岡究氏に継続的に指導を受け、音楽性の向上を目指した活動を続けている。今回3回目となる「レクイエム」でさらに進化した「透明感のある合唱」を目指す。
メンバー
Sp 浅中志津加、足立幸恵、阿部千歳、入江真理子、大谷和嘉香、岸本やよい、近藤登喜子、佐藤慎子、鈴木妙子、小板勝子、小徳澄美、富田章子、富永晄子、長田佳子、中野郁子、中本千鶴子、野嶋如佳、福島史子、藤原瑠美子、松田令子、松原優子、渡辺和子
Alt 石倉幸子、伊藤万有美、岩井三千喜、上之浜雪枝、内海紀子、梶野磨理子、加藤安津子、神谷詠子、川口和子、菊池三重子、木村節子、篠田愛子、篠原みさ子、菅本喜代女、関山明子、高多貴子、谷村緑、塚本明子、中山紀子、浜田美代子、堀冨美、松本茂子、本池桃絵、山根修子、山本智子、米澤幸
Tn 池沢秀夫、伊勢時男、川上宏、田中信之、松本厚志、和田哲司
B 門脇和範、神谷洋司、谷口裕章、寺岡利雄、村河茂樹、松下忠雄、森博之、森田富雄、森本栄一、渡辺英人、
副指揮者  足立幸恵、神谷洋司、山根修子
ピアニスト 東中里奈、舟木彩、本田祐美子、松田祐美子、松本渚

【曲目解説】
ハイドン作曲 「交響曲」第101番 ニ長調「時計」
 交響曲の父とも呼ばれるハイドンは、交響曲を107曲も作曲している。交響曲の事を英語でSymphonyと言うが、イタリア語のSinfoniaから来ている。この言葉も元を正せばギリシャ語であり、「様々な音が協和して響く」という意味を持っている。そして、バロック時代から器楽曲をさすようになり、ウィーン古典派と呼ばれるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンによって飛躍的な進歩をとげ、現代に続いている。
 交響曲の原点とも言うべきハイドンの作品には多くのニックネームが付けられているが、これは後の時代に曲想から得たイメージで付けられたものである。分かっているだけでも19曲もあり、有名なものでは94番の「驚愕」、100番の「軍隊」、それに今回演奏される101番の「時計」がある。「驚愕」では、第二楽章でティンパニを伴う凄まじいフォルテ音の打撃で、聴衆がびっくりするところに由来する。「軍隊」でも、第二楽章の終わりでトランペットが軍隊ラッパ風に吹かれるからである。と言う訳で、「時計」も第二楽章の規則正しい伴奏のリズムが、振り子時計を想起させるからである。ハイドン最晩年の熟成したオーケストレーションは、どの楽章とも素晴らしく、音楽の美しい佇まいを聴くものの心に強く焼き付けてくれる傑作である。

モーツァルト作曲 「レクイエム」K.626
大ヒットした映画「アマデウス」の中で、死の床にあったモーツァルトがサリエリに口述させながら♪Confutatis maledictis(悪行多き者は裁きを受け地獄に落ち)[ 続誦セクエンティアの5曲目]と、か細く歌うシーンがある。史実に全くないことだが、映画作家のイマジネーションが作り上げた見事な音楽創造の瞬間であった。
「出だしはコーラスだ。バスが響いて第一小節の二拍目」♪「Conftatisコンフターティス」とメロディーを歌い、オーケストレーションしていく。「第二バスーンとトロンボーン、同じメロディーだ、トランペットとティンパニは’D’でトランペットは一拍目と三拍目、ハーモニーだ、弦がユニゾンで入る、’A’で、こんな感じだ」といって次第に上行する激しいメロディーを歌い始める。そして対比させるように「弱く、ソフトボーチェ、ピアニシモだ、ハ長調でソプラノは’E’から入ってくる、弱く」♪Voca voca me(われを選ばれし者の一人として招きたまえ)「ヴァイオリンのアルページョで、八分音符で上下する」と言いながら頭の中で音楽を鳴り響かせていく。
 史実によれば、この曲の次に来るLacrimosaラクリモーザ(涙のその日)で筆を折ったとされている。では、このレクイエムの後半は誰が作曲したのかということになる。自分の寿命をさとったモーツァルトが弟子のジュスマイヤーに託したという話もある。当初は妻のコンスタンツェがアイブラー(サリエリの後任で宮廷楽長になった人物)に頼んだが放棄され、結局弟子のジュスマイヤーが完成させたのだ。補筆とは言うものの、後半は全くのジュスマイヤーの書いたものである。しかし、第三曲続唱と第四曲奉献誦は、モーツァルトの残したスケッチ(断片だが)を元に楽器編成を含めて完成させている。その他の第五曲、第六曲、第七曲はジュスマイヤーの作曲によるものだ。その後、ジュスマイヤーの凡庸な能力では、モーツァルトの音楽を補完できていないとか、個人様式的におかしいとか議論が絶えず、現代ではパイヤー版が幅を利かせているが、どちらにしてもモーツァルト様式は健在であり、私たちに慈しみ深い音楽を伝えてくれるのである。


【ご紹介】
 アザレアのまち音楽祭の祝祭オーケストラである「アザレア室内オーケストラ」は、山陰で最もレベルの高いオーケストラです。昨年は、国民文化祭ふくい2005のオペラ公演のオーケストラとして招聘され、見事に大役を果たしています。
 今年の演奏会は、モーツァルト年に因んで、待望していた「レクイエム」を演奏していただきます。合唱は、県内で最高レベルを維持している米子第九合唱団であり、今回のレクイエム(モーツァルト)は三度目となります。これまで幾度となく繰り返してきた宗教曲(これまでフォーレのレクイエム2回、バッハのロ短調ミサ曲、ヘンデルのメサイア等)への挑戦は、歌う(うったう→訴える)音楽からエゴセントリックな生臭さを除去し、音楽するPlayをPray(祈り)に変容させて、美しい音楽の使徒として喜びを共有しています。モーツァルトのレクイエム公演は回を重ねるごとに完成度を増して行き、既にどこに出しても恥ずかしくないスタンダードをクリアしています。
 また、今回のソリストたちの中に、県内在住の寺内智子さんと吉田章一さんが加わられますが、お二人とも全国区で活躍されている逸材です。また、アザレアのまち音楽祭のソロコンサートの常連でもあり、皆様には既におなじみの方です。
指揮の松岡究氏は、現在ベルリンに留学中ですが、コンサートのために駆けつけていただきます。松岡究氏の優れた音楽作りの現場を、16年にわたって目の当たりにしてきた倉吉市民の信頼は、絶大なものがあります。アザレアのまち音楽祭のコンセプトである、地域在住の芸術家を慈しむ音楽のあり方を、見事に具現し続けていただいている事に、深く感謝するものです。